2018年9月30日日曜日

ぐらんぶる

ぐらんぶる    総合:☆

連載中の漫画が原作です。2018年7月スタート12話。
最後まで☆2にしようと思っていたのですが、演出部分を書いているうちに、やっぱり☆1で行こうと思いました。
もちろん、観ない権利を行使すれば良かっただけの事ですが、全部を観て☆1にした以上、感想は下記しておきます。あまり悪い感想を読みたくない方にはごめんなさい。


・ストーリー
ダイビングが題材ですが、飲み会を中心とした大学生活の日常を描いたギャグアニメです。ダイビングの描写は全体の1割程度です。

・演出
最初のお断りで、大学の新入生が全員二十歳以上の設定であると理解して、とか、あれやこれやと言い訳して、あくまでギャグ漫画として楽しめと押し付けられます。
アニメ内の状況では軽トラの荷台部分に人が乗って公道を走ることは道交法違反ですが、この行為を正当化するために、「これから走る場所は私有地だから」とあえてモブ役のおじさんに言わせています。これが言い訳だと気づかない人にとっては、普通に荷台に乗って走ってもいい、と思ってしまう演出です。
まあ、「8時だよ全員集合」とか「がきデカ」とか、大昔から、非常識であるがゆえに人を惹きつけるものもあると思いますので、こういうギャグそのものが面白くない、とは言わないのですが、安直な一言で回避しようとしていることが、どうにも気に入りません。それならいっそ、わざわざ荷台に乗せたりしなくても良いと思うし、大学新入生の設定を変更したりすればいいだけ、なのに。
例えば今だと「はねバド」のように原作をしっかり読みこんで、制作が十分に消化してから、アニメなりの解釈・表現をしているものもあるわけで、そのような原作への敬意や設定になっているテーマ(このアニメの場合はダイビング)への思いなどが、この言い訳のせいで、伝わりづらくなっています。せっかくヒロインが主人公にダイビングを好きになって欲しいためにあれやこれやと頑張ったり気を使ったりするシーンを随所に散りばめているのに、根本の演出の不味さがこれらを胡散臭く感じさせてしまいます。

・作画
絵柄は良い印象です。豹変する顔も面白いです。アクションシーンはどちらかと言うと一枚絵で繋いでる感じですが。

・音楽
オープニング・湘南乃風「Grand blue」は自分にしては珍しく、男性ボーカル曲なのに割とお気に入りです。

・演技
ヒロインに刻刻・樹里役などでお馴染み安済知佳さん、ケバ子にヤマノススメ・ひなた役などなどの阿澄佳奈さん、男性陣も陰陽使い分けてて上手いです。

漫画/アニメ「王様ゲーム」が教唆していた犯罪よりは程度として軽いものの、軽い重いの問題ではなくないかな、と。

2018年9月29日土曜日

アンゴルモア元寇合戦記

アンゴルモア元寇合戦記  総合:☆☆☆

期待度が高かった分、ちょっとがっかりでした。
連載中の漫画が原作。原作は既読。ほぼ原作通り。
2018年7月スタートアニメ。全12話。

・ストーリー
1回目の元寇・文永の役における史実・対馬侵攻に、対馬宗家の姫や対馬の流人たちの想像上の活躍を上乗せして描かれた物語です。しかし、少弐景資は何のために出てきたんでしょうね。

・演出
一応歴史モノですから、史実と違う結末は用意できない訳で、悲惨な結果を題材にしている以上、救いのない物語になるのは仕方のないことでしょう。未来への希望でまとめたいのはわかりますが、なかなか厳しいものがあり、同胞がむざむざと殺されるのを続けざまに見せられるだけの戦史を、娯楽にするのは難しいと思います。侵攻国に対する敵愾心を煽るだけで終わってしまいます。

・作画
年代物の合戦絵巻を表現したかったのでしょうか、通常の画の上に、古びた磨りガラスのようなフィルターを一枚噛ませた作画です。目障りに感じる時もあり、良いような悪いような微妙な表現手法です。漫画同様元々のキャラクターデザインはキャラの描き分けもはっきりしていて、女性も美人で魅力的なのですが、肝心のアクションが今時にしては動きが少なく残念に思いました。

・音楽
内容が悲惨ですからねえ。盛りあげろって言われても、こちらも難しいものがあるかもしれませんねえ。

・演技
アニメ映画「君の膵臓をたべたい」のヒロイン役など、芸名もあって最近目立つLynnさんですが、ここではちょっと気合入りすぎている気もします。

日本人としては神風が吹いてくれて、やっと落ち着けるのが元寇なので、対馬侵攻だけで終わりとなると、どうしても、面白くねえな、てことになります。

2018年9月28日金曜日

悪偶 -天才人形-

悪偶 -天才人形-     総合:☆☆

中国で連載中の中国漫画が原作です。2018年7月スタート12話。

・ストーリー
裁縫師は天才を小さな人形・悪偶とし、それを普通の人間に縫い付けることで天才とすることができます。バレエダンサー・愛は親友の町が3体の悪偶を縫い付けることでバレエの天才となっていることに気づきます。悪偶は天才の自由を奪い犠牲にしている非道な行いです。そのことから、愛は町を止めようと救済者に協力するのですが、、、。

・演出
まず、お話が終わっていないです。
そして、伏線のないまま回収している変なクライマックスなので、矢継ぎ早に展開される新事実に戸惑うばかりです。ミステリー小説なのに、なんの捜査もなく犯人明かしが始まるような感じです。

・作画
綺麗な時もあるのですが、安定しておらず、また動画も雑です。

・音楽
オープニングはなんか面白い曲調で、エンディングも悪くないと思います。サントラも頑張っていますが、如何せん、画が足を引っ張っているのが残念です。

・演技
むしろ、声だけ聞いていても楽しめるくらいです。

止めはしませんが。

2018年9月27日木曜日

百練の覇王と聖約の戦乙女

百錬の覇王と聖約の戦乙女  総合:☆☆☆

最近は、戦乙女をヴァルキュリアと発音するようになりましたね。自分はワルキューレの方が馴染み深いのですが。

現在進行形のライトノベルが原作。2018年7月スタート。12話完結。
☆4に近い☆3です。怒涛の転生もの。原作は未読です。原作はかなりの悪評ですが、ハーレム状態なのが気に障ったり、あまりのチートっぷりに辟易したりされているようです。ただ、演出で書きますが、自分はこのお話、嫌いではありません。

・ストーリー
秘法と「対の鏡」の存在により、北欧神話の世界と思われる過去に飛ばされた勇斗。スマホで現代の世界とつながることにより、チートな武器、戦術を駆使して、「狼」の氏族を束ね、周辺地域に勢力を拡大していく物語です。また、勇斗が元居た世界、想い人・美月の元へ帰る方法を模索する物語でもあります。
すでに、飛ばされて宗主として活躍しているところから始まっており、どうしてそうなったのか、すでにいる腹心の戦乙女との馴れ初め、なぜチートなのか、などの謎は作中で徐々に語られる形式です。
もうちょっと行く末を見てみたいな、と思いますが、連載中の原作を1クールで仕上げている点を考えると、割と上手くまとめられている方じゃないかなと感じました。

・演出
冒頭で書いた通り、嫌われるのには理由がある、と思いますが、それを相殺して面白いと思える理由もあります。単に、チートで俺最強、魅力的な女性に取り囲まれる至福の時、を味わえるから、ではありません。この主人公とメインヒロインの性格にあります。表題では覇王とありますし、ハオー(極東の小覇王)を名乗る自分には興味津々の題名なのですが、覇王とは覇道で世界を治める人です。力づくで世の中を平らげるのが覇王です。しかし、この作品の主人公やメインヒロインは王道(仁と義、思いやりと正しい行い)で世の中を治めようとしています。意識しているわけではなく、持って生まれた性格です。三国志演義で盛んに説かれている「徳」の重要性。劉備玄徳の最大の武器でもあり、暴虐非道といわれる曹操でさえ、もちろん孫権にも、さらに「項羽と劉邦」で覇王・項羽が滅び劉邦が天下を平定し得たテーマ「徳の有無」、これなくば、人を率いることはできない作中で言うところの隠された必須エインヘリアルを、この二人が持っていることが、このアニメを嫌う理由がないものにしています。身の程を知り謙虚でいる人に、自分は大いに好意的なのです。ゆえに、☆4に近い☆3の感想です。
ただ、どうしても☆4に踏み込めなかったのは、BDに焼いて繰り返し観てみたいと思うか、と問われると、一度観れば十分印象として残ったな、と良い意味でも悪い意味でも感じたアニメだったから、です。
スマホで繋がる設定や根拠に納得がいきづらかったり、勢力拡大の戦略と結末や、元の世界に帰る方法と結果が、理由になっているようななっていないような、割とアッサリ解決している点も、あまり評価されていない理由かもしれません。「魔法科高校の劣等生」や「幼女戦記」のような俺最強ライトノベル・アニメにはあって、こちらにはないもの。緻密で説得力のある設定でしょうか。

・作画
女の子たちは可愛いんですが、アクションが凄まじく良かったとか、そういうことはなく、今時としては普通の中の普通な感じの作画じゃないかなと。これは、演出の問題なのですが、特に、ハンマーvs日本刀の対決の表現が、あまりリアルじゃない点は、少しがっかりしています。

・音楽
普通にシーンを盛り上げてくれています。

・演技
役柄に合わせて、みなさん上手だったんじゃないでしょうか。特に気になるところはありませんでした。強いて良い点を挙げるとすれば、悠木碧さんと竹達彩奈さんコンビ「実は切れ者vs天然ボケ」の凸凹演技ですかね^^。エンディングも二人のユニットが歌っています。PV観ると悠木さんは表情も演技派でサービス精神に富んでいますが、竹達さんは割と素のままなんですね。

この作品でも「月が綺麗ですね」のセリフが出てきます。夏目漱石、自分の最も好きな作家ですが、ライトノベルでもアニメでも、その詩的な表現が好まれ引用されるとは、死んで100年以上経ち、時の洗礼を受けた今もなお、絶大な影響力、ですね。

2018年9月26日水曜日

はるかなレシーブ

はるかなレシーブ  総合:☆☆☆

現在進行形の漫画が原作。2018年7月スタート。12話完結。
途中なので☆の数は普通なのですが、普通に面白いです。
ちょうど単行本最新刊が、このアニメの次の展開につながっていて、商業的なものをちょこっと感じますが、ご愛嬌、でしょう。

・ストーリー
沖縄に生まれ沖縄に住む「かなた」。小学生時代、ひとりぼっちの転校生「なるみ」と友達になりたくて、一緒に始めたビーチバレー。沖縄の小学生の頂点に立ったものの、その後、背が伸びず、素質的に恵まれなくなったことで、大好きになったビーチバレーから徐々に距離を置いてしまい「なるみ」も遠くに越してしまいます。高校生になった彼女の元に、従兄弟の「はるか」が引っ越してきて同居を始めます。彼女はビーチバレーをするには恵まれた素質を持っていましたが、全くの初心者でした。そんなところにちょうど沖縄に戻ってきていた「なるみ」が「はるか」の前に現れます。「なるみ」は「はるか」の不用意な一言と元カノとも言える「かなた」の今の状態に敵対心をあらわにし、一緒に来ていた高校一ペアのパートナー「あやさ」を巻き込んで「はるか」に挑戦状を叩きつけます。「かなた」は初心者の「はるか」にビーチバレーのイロハを教えているうちに、彼女の明るさと前向きさに巻き込まれ、昔のビーチバレーへの情熱を取り戻し始めます。

・演出。
現在進行形の漫画が原作のため、話の展開的には途中で終わってしまった印象が強いのですが、「ビーチバレー。広いコートの中で、たった二人でしかできない団体競技。だから、私たちはかけがいのない一人を選ぶ。」ことをモチーフに、ヒロイン二人、そして、ライバルペアたちそれぞれの関係に焦点を合わせた演出のため、それほど消化不良になっていないし、もっとビーチバレーのゲーム性に焦点を合わせた次作につながる胎動編としての役割も担えるような構成が、悪くないんじゃないかな、と思いました。
同じようなテーマのアニメに「つうかあ」がありましたが、「つうかあ」の演出に比べると連続性があり自然なので、「はるかな」の方が好印象です。
男性向けのサービスショット的なシーンがありますが、あまり必要なかったんじゃないかな、と思います。せっかくのお話に、水を差している感じがしました。
3連勝で高校大会の全国に行けるのは、実際もそんな感じなのでしょうか。そうなら、百人一首の「ちはやふる」や薙刀の「あさひなぐ」のように、自虐ネタ的に「頑張れば頂点に立つのも無謀な夢じゃない」と伏線を張っておくと、色々辻褄も合って良さそうでしたね。

・作画
テレビアニメとして、破綻も少なく、アクションシーンもスローモーションを多用して緊迫感を高めたり、そこそこ迫力があって良いんじゃないでしょうか。
「かなた」の手首の数珠が、レシーブするには邪魔そうなのが気になるくらいでしょうか。

・音楽
曲が主張しすぎず、心情を表現したり、シーンを盛り上げてくれたりしているように感じました。EDは割とお気に入り。

・演技
メインキャストでビッグネームは種崎敦美さんくらいかもしれませんが、物語への集中を邪魔しない表現力で感じよかったです。

現実のバドミントンのペアでは、苗字の1文字をとって、「タカマツ」ペアとか呼びますが、このアニメのビーチバレーの世界では名前を組み合わせてペア名にしています。「はるか」と「かなた」で「はるかな」。EDの作詞にも効果的に使われていて、言葉遊びとして面白いです。
どうでも良いつながりですが、化物語の戦場ヶ原ひたぎと神原(かんばる)駿河の中学校時代の呼び名は「バルハラ」コンビ。尤も言い出して広めたのは戦場ヶ原を百合的に慕っていた神原だったという、後日談というか今回のオチ。

2018年9月25日火曜日

あそびあそばせ

あそびあそばせ  総合:☆☆☆☆

連載中の漫画が原作。原作は未読です。
2018年7月スタートアニメ。12話完結です。

・ストーリー
女子中学生3人組が「遊び人」と言うには極めて他愛のない「あそび」(もはや遊び人の定義からずれているのがギャグ)に興じる「遊び人研究会(略してあそ研)」で、日常的に巻き起こす、ちょっとダークなギャグアニメ。昔、「ざ・ぼんち」という漫才師が「お昼のワイドショーではA地点からB地点に普通に向かうだけなのに、なんて大げさな表現をして事件を盛るんだ」をネタに一世を風靡していましたが、「あそびあそばせ」では「A地点からB地点に普通に向かうだけなのに、てか、そもそもスタート地点を間違えてるから、道中も向かう先も無茶苦茶になってるじゃん」てなノリのギャグで笑わせてくれます。

・演出
可愛い女の子がデフォルメすると、普通はより可愛くなるのですが、こちらは逆にデフォルメしてオカルトになる演出です。これは原作通りであり、この作品の真骨頂なのですが、ひょっとすると原作ファンにはアニメより原作の表現の方が好ましいと思うかもしれません。自分が「ちおちゃんの通学路」で持った印象と同じように。

・作画
特にアクションがあるわけでもないので、アニメとして見せ場になるシーンはありません。
実写でここまでオカルトな顔になれる俳優さんはいないので、その点、アニメ向きの作品ではあります。
細い線とパステル調の色合いは、この作品の持ち味である、可愛い顔から突然変顔に激変するギャップを効果的にしています。確かに原作漫画の表紙は可愛すぎて、表紙詐欺と言われても仕方がないでしょうw アニメが原作と同じような絵柄になるのはしょうがないのですが、漫画の表紙クラスに可愛くしたキャラでアニメーション化されていれば、ギャップギャグとしてはより良かったようにも思います。

・音楽
OP/EDはスルメのような感じです。

・演技
華子役・木野日菜さんは若い割りに声優経験が長く「刀使の巫女」の糸見沙耶香の暗くて大人しい演技とはかけ離れた今作の役回りも難なくこなしてるし、オリヴィア役・長江里加さん、香純役・小原好美さんとあわせた3人の掛け合いも楽しいです。
悠木碧さんも出ています。

主な2018年スタートのギャグがメインのアニメ(以下、お気に入り順。グランブルはダイビングアニメに分類)は
− あそびあそばせ
 (予測不能なぶっ飛び方が最高)
BackStreetGirls ゴクドルズ 
 (ありえない設定を、さもあり得るように進めたギャップギャグが秀逸)
邪神ちゃんドロップキック
 (何気に人情系なのが良い)
ちおちゃんの通学路
 (ゲスっぷりを強調したギャグの時は他に類を見ない面白さ)
だと思うのですが、
あそびあそばせとゴクドルズ を☆一つ上乗せしたのは、キャラの振れ幅が大きく、ギャグの切れ味が良かった、と感じたためです。
ただし、4つとも読み切り型なので結末に消化不良はありませんが、「あそびあそばせ」だけは終わり方がやたら素っ気無いです、というか普通にプツッと切れる感じで、終わり方に工夫を感じた他の作品より、ちょっと減点対象です。

2018年9月24日月曜日

ちおちゃんの通学路

ちおちゃんの通学路  総合:☆☆☆

現在進行形の漫画原作。読み切り型の漫画なので、途中で終了しても、消化不良を起こさないアニメです。2018年7月スタート、12話完結。
原作の大ファンだった(最近ちょっと停滞気味)ので、ちょっと残念な感じです。
ちおちゃんが洋ゲーやるときに使うブラッディ・バタフライ(血塗蝶)。自分のオンライン時のハンドルネームとして流用させていただいております。

・ストーリー
洋ゲー大好き無駄に運動神経の良いスクールカースト中の下ポジションにこだわる「三谷裳ちお」が学校への登下校時に巻き起こすドタバタギャグアニメです。親友でちおちゃんよりさらに小市民的な「野々村真奈菜」との親友でありながらも時と場合によっては相手を踏み台にしても生き残ろう、取り入ろうとするゲスの争いが絶妙です。
周囲には
スクールカースト上位でみんなにフレンドリー、なのに実態は少々変態な細川雪。
風紀委員で真面目な性格だけど向いてる方角が少し斜めな篠塚桃。
ちおちゃんのおかげで何故カバディ部の部長をしているのか自分の本音に気づいた久志取まどか。
暴走族の頭でありながら、ちおちゃんの悪知恵に騙されて、いつの間にか真面目な働き者に変わっていく安藤繭太。
などの個性的なキャラが絡んできて、いつも、ちおちゃんはハプニングに巻き込まれています。

・演出
1回の中に2、3話詰め込む形で、各話の最後に、ちょっとした落ちを挟んだ演出は、漫画にはない魅力を引き出しているのですが、いかんせん、ギャグのパンチが足りないんです。全然笑えないわけではないのですが、この点から、どうしても☆的に普通にせざるを得ませんでした。漫画での豪快なアクションの表現をアニメ化するにあたって上手く昇華できなかったような気がしています。
最終話最後でアニメなのにNG集を観せるナンセンスを取り入れています。
ちなみに、今時の短いスカートなんですから、パンチらは当たり前、は、原作通り。

・作画
特筆する点はないような。漫画に忠実と言えるかと。

・音楽
OPは嫌いじゃないし、大空さん、小見川さん、本渡さんの3人の歌唱は良かったんですが、跳ばすかな。EDはまずまずお気に入りです。サントラは普通に。

・演技
ちお役・大空直美さん、まなな役・小見川千明さん、はテンションや善悪が激しく変わる役を見事に演じられていたと思います。雪役・本渡楓さんも声質はあまり変えないのですが、相変わらず演技で目立ちます。

密かな人気のある漫画ですから、シーズン2もありそうです。

2018年9月23日日曜日

異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術

異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術  総合:☆☆☆

現在進行形のライトノベル原作。2018年7月スタート、12話完結。

・ストーリー
リアルの世界からなぜかプレイしていたゲームの中に召喚されてしまう、デスマ型の設定。違いは主人公がコミュ障の引きこもりだという点でしょうか。そんな青年が、異世界で無敵ハーレム状態になって、仮想世界を過ごしていく物語です。自分を召喚したエルフと豹人の女の子を、魔術反射により逆に使役できる状態にしますが、奴隷扱いすることなく、彼女らが彼を呼び出した理由を解決していきます。自分のリアルでの情けない状態を隠すように魔王プレイに徹していて、言葉は尊大ですが、行動は人格者そのもの。このギャップにこの作品の面白さがあるのですが、異性に対しては人格者というより単なるヘタレと言えないこともなので、イライラすることが多いです。

・演出・作画
エロ演出が多いので、そういうのを求める人は気に入るのではないでしょうか。

・音楽
普通です。

・演技
みなさん上手です。脇役の人たちがしっかりしているので、作品が締まります。

終わり方も馬鹿っぽかったし、魔王の割りに中身が草食なんで勿体無い奴だななんて思うんですが、進行形原作のアニメ化にしてはきちんとまとめられていて、女の子キャラも可愛いし、特に嫌う必要の無いアニメでした。

2018年9月22日土曜日

七星のスバル

七星のスバル  総合:☆☆

完結しているライトノベル原作。2018年7月スタート、12話完結、ていうか、原作読んでいない自分も悪いのですが、原作もこんな感じで、これで終わりだとしたら、相当中途半端だと思います。次作の告知もないし。

・ストーリー
小学生仲良し6人組。オンラインゲームの世界でも一致団結して、ゲーム内最強伝説チーム・スバルとして活躍していました。しかし、一人の少女がプレイ中に戦闘不能(このゲームでは、戦闘不能になるとゲームからロストする、つまりゲームが再開できなくなる仕様です。大昔のPCゲーム・ウィザードリィのキャラクターロストなども同じような仕組みで、とても緊迫感があり面白かったです。はじめのドラクエからでしょうか、リセットボタンを押せばセーブポイントから再開できるようになり、このような安易な思考が現実へも悪影響を及ぼしている云々と言われるようになったのは。)になるのと同時に現実でもなぜか死んでしまいます。因果関係はハッキリしなかったもののゲームは閉鎖され、スバルのメンバーも離れ離れになってしまいます。
6年の時が過ぎ、閉鎖されたオンラインゲームは、安全になったとの謳い文句と共にリニューアルして再開されます。好きだった少女を失ったことで無気力になっていた主人公は、学校の友人に無理強いされて、嫌々渋々、ログインしてみた新たなオンラインゲームの中で、死んだはずの少女と出会います。少女は電子が作ったゴーストなのか、それとも少女は死んでいなかったのか、死んでいないとすれば、あの小学生の時の出来事はなんだったのか、謎を残したまま、少女が願うスバルの再結成のために、主人公は行動を始めます。

・演出
数々の謎が全く解明されません。伏線が全く回収されません。この意外な新展開にびっくり仰天の演出です。

・作画
キャラも安定していますし、可愛いです。アクションもなかなか迫力があって、テレビアニメとして十分ではないでしょうか。

・音楽
EDは良かったです。

・演技
死んだはずの少女が、リニューアル後のゲーム世界では年月に応じて成長しているのに、小学生の幼さを残す声になっていて違和感があります。普通に演技できる大森日雅さんなので、この演技指導は不思議です。いつもながら綺麗な声の鬼頭明里さん、相変わらずの七色の声の花守ゆみりさん、ここでも斜に構えた演技の安済知佳さん(刻刻・樹里役の自然な感じも良いと思いますけどね)ら、その他の方々はいつも通り上手で、違和感がなかった分、残念でした。

中途半端で終わったことを除いたとしても、「あの花」と「SAO」を一緒にした設定と言って良いほど被るために新鮮味がないこと、演出が少々過剰であること、から、見逃したとしても、後悔はなかったと思います。

2018年9月21日金曜日

陰陽師・平安物語

陰陽師・平安物語  総合:☆☆

最初から、よくわからないアニメでした。5分枠。2018年7月スタートで、12話放送されました。
オンラインゲームが原作で、ゲームファンのためのスピンオフアニメと思われ、そうでない人には、凄い声優さんたちの演技を聞くくらいしか楽しみはないのではないでしょうか。

・ストーリー
これは、人と妖が共存していた時代。もとより隠界に属する魑魅魍魎は、闇に潜んで機会を伺っている。彼らの目的は、夜の平安京で暴れ、充実した楽しい毎日を送ることである(冒頭のメッセージ、そのままです)。

・演出・作画
レベル高いです。

・音楽
雅楽調。エンディングも和楽器バンド。雰囲気を盛り上げています。

・演技
さすがの声優陣、文句なしです。

5分アニメでもこのクオリティ。中国製日系ゲームが原作の中国製日系アニメ。中国、金、持ってるなと、余計なことを感じてしまいます。これでシナリオが面白ければ、と思うのですが、大抵中国製のアニメ、「一人之下」とかも感想書いてないし、どうも途中で観るのやめちゃうんですよね、なぜか。

2018年9月20日木曜日

茄子 アンダルシアの夏

茄子 アンダルシアの夏  総合:☆☆☆☆

黒田硫黄の短編漫画を劇場用アニメ化した作品。
高坂希太郎監督。47分で、軽く観られます。
正直、自転車ロードレースを知らないとつまらないかもしれません。分かる人には分かる単語を使ってストーリーを書いてみます。面白そうだと思った方には観る価値はあると思います。
特にこれを観て、全く縁のなかった人が、突然、自転車ロードレーサーに乗りたくなる、とは思えないので、すでにスポーツ自転車に乗ってる人だったり、自転車ロードレースが好きな人限定でオススメするアニメです。

・ストーリー
自転車3大レースの一つ、スペインで開かれるブエルタ・エスパーニャ。ペペ・ベネンヘリはパオパオビールというチームでアシストを務めるプロの自転車レーサーです。物語となるステージでは、彼の故郷を通りかかります。ちょうどその日、元恋人・カルメンと、兄の結婚式が行われていました。兵役中、兄に奪われた恋人、兄、そしてぺぺの3人の微妙な人間関係を背景に、平坦ステージをエースのために淡々とアシストをこなすペペでしたが、思わぬアクシデントからチャンスが回ってきます。

・演出。
自転車ロードレース平坦ステージ。淡々としながらも、観てて息苦しくなるような展開がよく演出されています。自転車レースというものと、ペペのこれまでの、そしてこれからの人生が、オーバーラップしているように感じるので、ペペの人生にも何か劇的な変化が起きるのではないかという、うっすらとした期待のさせ方がとても良かったです。
しかし、平坦ステージのアシストは、概ねいつでもどこでもどこまでも、平坦なものなのです。

・作画
スタジオジブリでも作監として活躍していた高坂希太郎監督ですからね。安心して物語に集中できます。そのせいか、このアニメ、ジブリ作品のような扱いを受けているようですが、れっきとしたマッドハウス制作作品です。

・音楽
ギターが主体で、南国情緒豊かな楽曲群です。盛り上がるところでも、カスタネット(でしょうか)が、スピーディなリズムを刻み、スペインのフラメンコなんかを意識しているように聞こえました。エンディングは自転車大好きだった忌野清志郎が自転車関連の会社名を繫げた作詞で遊んでいます。まあ、これも、自転車好きじゃないと、?、となるでしょう。

・演技
大泉洋さんは声だけでも上手いですね。声優としても耐えうる声質なので、違和感がありませんでした。ヒロインの小池栄子さんは、グラビアアイドルからスタートして、いつの間にか善人も悪人もできる、やたら演技が上手い人ですが、あえてなのかもしれませんが、このアニメでは平坦な口調なので、普通、という感じでしょうか。

自転車ロードレース漫画のアニメ化では「弱虫ペダル」が有名ですけど、「茄子」の方が玄人好みのする面白さです。

2018年9月19日水曜日

焼肉店センゴク

焼肉店センゴク 総合:☆☆☆

ちょっと、甘いけど、まあ、とにかく普通なので。
現在進行形のウェブコミック原作。原作は未読です。
2018年7月スタート、5分枠アニメ、12話完結です。
全話通しても40分程度で、サッサッと観れます。

・ストーリー
人生初めてのバイトを焼肉店で始めた大山ソウジ君と焼肉店の個性的なキャラが織りなす短編ギャグアニメです。焼肉店が舞台ですけど、別に焼肉店でなくても良いストーリ展開です。

・演出。
なんだか、ツッコミの大山ソウジ君が、とってもまったりしている不思議なギャグ演出。

・作画
単純で平坦な絵柄なので、安定しています。

・音楽
可もなく不可もなく。

・演技
若手がほとんどですが、ちゃんとしてます。

5分枠アニメを単発で感想書くのは、さすがにちょっと厳しかったかな。ヤマノススメならもっと書けるけど。でも、きっと、限られた予算の中、ベストを尽くされたアニメだな、と思いました。偉そうにすみません。

2018年9月18日火曜日

邪神ちゃんドロップキック

邪神ちゃんドロップキック 総合:☆☆☆

限りなく☆4に近い☆3です。
現在進行形のウェブコミック原作。原作は未読です。
2018年7月スタート、11話完結です。

・ストーリー
魔界に返す方法も知らずに悪魔を召喚してしまった女子大生・ゆりねと、召喚された悪魔・邪神ちゃんを中心としたコメディアニメ。邪神ちゃんは召喚者を殺すことで魔界に戻れるので、隙あらばゆりねを亡き者にしようと必殺技・ドロップキックなどを繰り出しますが、必ず返り討ちにあうという、お決まりのパターンに落ち着く系のストーリーです。

・演出というか設定。
普通の人間のくせに、なぜか悪魔より強く、特に邪神ちゃんには手厳しいゆりね。
蛇女なのに可愛いなりをした身勝手の極みの邪神ちゃん。
目を合わせた相手を石化する能力を持っているので、人に危害を加えないように外出時には常に袋をかぶるなど人間への気遣いを見せるだけでなく、ダメンズ・邪神ちゃんに文句ひとつ言わず尽くす良い人メデューサ。
本当は凶暴なはずなのに、いつも前向きみんなと仲良し勤勉勤労のミノタウロスのミノス。
プライドが邪魔をして常に不幸な天使・ぺこら。
天使のくせに性根が腐っている・ぽぽろん。
悪魔や天使から想像されるイメージとのギャップや、本来いるべき場所ではない人間界の平和な日常に好むと好まざるとにかかわらず馴染んでしまっているギャップ、基本的にみんな自分勝手だけど、他人への優しさを時折見せるギャップ。この穏やかなギャップギャグによって、だらだらへらへらと見るにはちょうど良いアニメに仕上がっています。

・作画
それほど破綻もなく、テレビアニメとしては良いのではないでしょうか。

・音楽
OPは特に楽しいですね。

・演技
若手がほとんどですが、ちゃんと声優さんです。「きみ声」もせめてこのくらい揃えて欲しかった。

さすがに☆4をつけている他のアニメを眺めてみて、相対的に考えてしまうと、苦渋の☆3^^

2018年9月17日月曜日

ISLAND

ISLAND 総合:☆☆

ゲーム原作のアニメ化。ゲームはやったことありません。
2018年7月スタート、12話完結です。

・ストーリー
タイムパラドックス系SFアニメです。未来から来た主人公とヒロインとの絡み合った時間。それを乗り越えたラブストーリーとして、最後まで進みますが、最後の最後にこの設定を覆す、どんでん返しが訪れます。歴史は繰り返すと言いますが、一本の時系列下で、こんなに細部に渡る繰り返しが前提となった設定は、無茶ありすぎじゃないでしょうか。サスペンス的にいえば、あまりに都合のよいトリックによる、絶対に解けない謎解きを見せられたような感じです。伏線はあったので、気づかないことはなかったのですが、それにしても伏線の張り方が弱すぎてお話としてドラマティックさに欠けますし、やはり、そもそも設定が、かなり非現実的なので、お話として面白い、とは思えなかったです。

・演出
ある意味、アニメ(漫画)におけるキャラは描き分けがそれほど厳密にならない作画が多いと思うのですが、これを利用した、つまりアニメキャラの似たような顔が、トリックの一つになっているのも、どうかと思います。ゲームをアニメ化したらしいのですが、ファイナルファンタジーのような一本道のゲームなんでしょうか?そうでないマルチエンディングのゲームならば、製作陣は、原作にとらわれすぎず、しっかりと構想を練ってもらい、シナリオを元に、一本のアニメ作品として完成させて欲しかったと思います。

・作画
それほど、凝っているとは思えないのですが、テレビアニメとして、普通、でしょうか。

・音楽
なんかパッとしないです。クライマックスでの音楽のでしゃばり方は、少しがっかりです。

・演技
ヒロイン・田村ゆかりさんは、声の質、歌唱に不自然な感じがするので、あまり好きではないのですよね、ごめんなさい。阿澄佳奈さん、ゆゆゆで先生やってた山村響さん(メインキャストとしては抜擢になるのでは?)は、さすがっす。わすゆで先生やってた佐藤利奈さん、キタエリさんも脇役として、しっかり固めています。

タイムトラベルとして、とても現実的なSFなんですが、とにかく、細部まで同じ事象の繰り返しによる時間の進行を前提としている点が台無しにしています。

2018年9月16日日曜日

BLOOD THE LAST VAMPIRE

BLOOD THE LAST VAMPIRE 総合:☆☆☆☆

2000年に公開された劇場用アニメ。48分なのでサクッと観られます。
押井守が絡んでます。クエンティン・タランティーノ監督がこの作品のファンであることはよく知られています。

・ストーリー
謎めいた言葉「オリジナル」。そう称された吸血鬼退治の小夜と吸血鬼との戦いの物語です。

・演出
不気味な雰囲気。過激なバイオレンスアクション。血にまみれた描写。スプラッターホラー好きにはたまらない演出ではないでしょうか。
吸血鬼を退治するリーサルウェポン・小夜について、多くは語られておらず、その謎めいた雰囲気も、この作品の魅力ですが、観る人によっては消化不良と感じることでしょう。
横田基地周辺が舞台であることもあり、多くのセリフが英語です。
劇中、銀座線が、浅草に近づくと、車両の照明が順に消えていきます。昔の銀座線は、車両の横にパンタグラフがあり、急なカーブだと、トンネル横にある送電線との接触が外れることで起きていた現象です。とても懐かしい、演出です。色々とリアルに作り込まれている作品です。

・作画
ま〜、小夜の可愛くないこと。逆にキャラがきっちり描き分けられているわけで、しっかり作り込まれているのがわかります。背景も細かく描き込まれており、動画もとても自然です。この時代の作品として、ケチのつけようがないのではないでしょうか。ただし、萌える女性キャラの登場をアニメに求める方には物足りないでしょう。

・音楽・音声
劇場用の5.1chDTSですから、迫力がテレビアニメとはまず違います。力も入ってますし、最初の地下鉄のシーンの音響を聞くだけで、映画に引き込まれてしまいます。
音楽は池頼広さん。サントラとして映画を盛り上げています。池さん作品ではテレビドラマの相棒も良いですね。サントラ持ってます。

・演技
ヒロインの工藤夕貴さん、英語のセリフもありますし、奮戦しているとは思いますが、声優さんだったらな、と思わずにはいられません。

この作品も一体何回観たことか。キャラデザインがBLOOD+だったらなあ。

2018年9月15日土曜日

追加所感 刀使ノ巫女

刀使ノ巫女 総合:☆☆☆☆

あまり評価が高くないようなのが残念なので、テコ入れ追加感想です^^;

ダリフラ 、BEATLESS、そして、刀使ノ巫女。2クールもの。鳴り物入りで始まった2018年1月スタートオリジナルアニメ。大物が揃ったシーズンでしたね。
AmazonPrimeの評価を見ると☆4、☆3、そして、☆3.5。
☆1つけた人の内容を見ると、視聴の環境とかに文句を言ってる人が多く、☆の数が、内容をきちんと反映していないので、Amazonの評価はあまりあてになりませんねえ。
ちなみに、グーグルユーザの高い評価割合は97%、?、そして96%。割と甘めにつける傾向があるようですね。母数が揃うyahoo映画での映画評価はだいぶまともなのですが、
意見総和が必ずしも自分の好みと一致するかと言うと、そうとも限らず、参考程度にとどめておいた方が良いようです。

さて、刀使ノ巫女なんですが、見返すと、登場人物について、理解した状態から入れるので、物語に没頭できる分、さらに面白く感じます。細かい点ですが、演出、作画などで、良いなあ、と思う点と、どうだかなあ、と思う点を列挙します。

・特に前半戦の4人の親衛隊がよい。敵が強敵なのはいいですね。燕の破天荒で強いのもいいが、此花さんの立ち方がエレガントで素敵です。ただ、思った以上に衛藤、十条コンビが強く、緒戦で不覚をとり、その後も勝てないので、強敵のようでいて、そうでもないのが残念ですかね。獅童が十条を折神紫の御前で斬ったのも後ろからでしたからね。
・衛藤、十条コンビが最初に荒魂を倒すのは明治神宮。舞台が実在の由緒正しい神社というのもいいですね。
・十条がチョコミント好き。「歯磨き粉」評価はもはや禁句であると断言するのが良いw
・作画、動画。すごくいい時と雑な時との差が激しいのが残念。
・最初の頃の可奈美はあまりに飛んだ発想と振る舞いで、彼女の真意が伺えず、うざく感じたり、行動が不審すぎたりするので、下手すると視聴をやめるきっかけになりそう。ぜひ我慢してください。
・激しい動きをするお役目なのにスカートが今どきを反映して短すぎる。もうさあ、いつまでもワカメちゃんのような幼女じゃないんだし。ココ・シャネルだって女性の膝は醜い、と言ってるんだから、そろそろいい加減、隠しましょう。日本人は世界で一番体型が今一つの民族らしいので、できるだけ全体のバランスを取りたいが故にファッションで工夫する姿は涙を誘ってくれますが。。。ちなみに、男性のジャケットの丈も、短くなりましたねえ。同じような見た目を良くする理由からでしょうが、なんか後ろから見ると半ケツになってる感じなので、、どんなもんでしょうかねえ。
・足がちゃんと太いのはリアルでいいですw
・皐月夜見をマゾの一言でくくってはいけません。彼女は侍です。自分を知るもののために最後まで忠誠を尽くし死にました。江戸幕府以降の朱子学的侍です。
・前半での戦績。十条vs糸見1勝1敗。衛藤vs糸見2勝0敗。親衛隊とも互角以上に渡り合っていましたし、最初から衛藤の剣は一つ上をいっていました。そんな魂のこもっていない剣じゃ何も切れないと、手で、糸見の刀を払う時のアニメーション、演出はかっこよかったです。
・引いた時の動画の方がスムーズな場合があります。良いような悪いような。もっと寄った時の動きもスムーズであってほしいですね。
・市ヶ谷駐屯地戦での次代の英雄連の無力っぷりはどうしちゃったのかねえ。

ま、今回は場つなぎでございます。ご笑覧くださいw

2018年9月14日金曜日

恋と嘘

恋と嘘 総合:☆☆

連載中の漫画が原作。原作既刊既読です。
2017年7月スタート、12話完結です。

・ストーリー
政府ご推奨のお見合いシステムが導入された近未来の日本が舞台になっています。そもそも、お見合いシステムに登録するのは基本的に本人の意思、だったんですが、実績が積み重なり、このシステムを利用した夫婦が親となっていくにしたがって、その優位性が証明され(ただし、政府により情報操作されていた可能性は皆無ではない)、社会的にこのシステムを利用するのが善とされる世界の中、恋愛感情で繋がるヒロインとシステムで選ばれたライバルヒロインの間を揺れ動く男の子の物語です。

・演出
このシステムでは、大抵の場合、満16歳になると、政府から、システムで選ばれた結婚相手の通知を受け取ります。その相手と付き合い、いずれ結婚に至ることがほとんどで、これを正当な理由なしに拒否などした場合、社会的にペナルティが課せられます。ちょうど思春期と重なるため、主人公たちのように揺れ動くことになってしまうのは、致し方ないことでしょう。しかし、、連載中の漫画だから、苦労したとは思うのですが、それでも、このラストは、ちょっと不自然じゃないかなあ。事なかれで終わってしまったような感じです。

・作画
テレビアニメとして、まあ、普通です。元々の漫画も、とびきり画が上手と言うわけでもないですし。

・音楽
ふつうかな、と。

・演技
ヒロインは花澤香菜さん。ライバルヒロインに牧野由依さん。キタエリさんも出ています。この辺の人たちに悪い感想を持つことは、ないですね。
主人公の逢坂良太さんは、原作主人公の気持ち悪さを少し緩和してくれていて良かったと思います。

SFとしての設定は面白いので、然るべき人が書くと、もうちょっと楽しめる作品になりそうな気はします。主人公の振る舞いが、芯があるように見えて、煮え切らない。狙いだとしても、少しいらいらする感じが難点なんですよね。アニメのエンディングは原作のそれに輪をかけてしまっているので残念でした。

2018年9月12日水曜日

APPLESEED EX MACHINA

APPLESEED EX MACHINA 総合:☆☆☆

2007年に公開された劇場用アニメ。前作はAPPLESEED。士郎正宗の漫画が原作。原作は既読です。

・ストーリー
原作から離れたオリジナルアニメです。
ロボットと化した相棒(恋人)。そこに現れた相棒のクローン。本物と全く同じ形をした元どおりの人間が現れても、ヒロインは、野獣を愛し続けられるのか、が主なテーマとなっている作品です。

・演出
しょっぱなからスポンサーの宣伝ってのがなあ。重傷を負った相棒に駆け寄ろうとしたヒロインを押しとどめるチームメンバーの意図もわからない、など、最初っから不思議度満載にスタートし、最後まで、全体的に理解しづらい演出が散見されます。
言葉遣い、仕草、行動、様々な角度から見てもヒロインが前作より軽い女になってしまっているのも残念です。

・作画
順調に進化している3Dライブアニメ、、のはずなんだけど、動きがなんか軽いしゲームっぽい。機械の描写がアニメっぽい。顔、皮膚、の表現ものっぺりしすぎで、バランスが崩れたっぽい。など、少し違和感があります。前作の方が、調和が取れていたように感じ、技術は進化したけど、生かし切れず表現を後退させてしまった印象です。戦闘シーンなんかも前作の演出の方がクールでカッコ良かったです。

・音楽
細野晴臣さんが監修で、テクノ好きには良いのではないでしょうか。

・演技
ヒロインの小林愛さん以外は前作から一新されましたね。声優さんには罪はない、でしょう。

究極の選択を強いられている割には、軽い。全てにおいて、軽い感じのアニメでした。

2018年9月11日火曜日

AKIRA

AKIRA 総合:☆☆☆☆

アニメ「AKIRA」は今から30年前の1988年に公開された劇場用アニメです。大友克洋さんの漫画が原作。大友克洋さんといえば小説以外で初めて日本SF大賞を受賞した「童夢」が印象的でしたが、漫画「AKIRA」は「童夢」の次に発表された作品です。アニメ「AKIRA」で監督をされて以降、大友克洋さんは漫画からアニメの世界にシフトした感じですね。少し残念です。
原作は読んでいますし、「AKIRA」以前の漫画は全て既読です。
SFですが超能力が題材となっています。
「AKIRA」では2020年に東京オリンピック開催が予言されています。偶然でしょうが、なんとなく面白いです(ぶっ壊しちまえスタジアム)。

・ストーリー
第3次世界大戦を経た2019年のネオ東京を舞台に、不良グループが、軍が秘匿していた超能力者と接触することで、政府と反政府ゲリラとの抗争に巻き込まれるストーリー。幼馴染の男の子二人の歪んだ友情の物語でもあります。
巻き込まれたカオリちゃんの扱いが、原作と違って、ちょっとかわいそうでした。

・演出
原作が連載中にアニメ化されたため、話の展開やエンディングがだいぶ違います。原作の真ん中付近から結末を迎えるため、アニメ制作陣は超常現象によるバイオレンスとカタルシスにテーマを絞った印象です。なので、映像やアクションを楽しむのには良いのですが、物語として心を揺さぶられるような展開になっていないのが残念です。

・作画
大友克洋さんの漫画といえば、異常に均一、繊細かつ緻密に描き込まれた背景が特徴的だと思うのですが、アニメ化では、漫画のスタッフが揃わなかったのでしょうか、「童夢」の背景を描いていて漫画「AKIRA」まで大友漫画に参加していた高寺彰彦さんの名前が、アニメのスタッフに見当たりません。このためかはわかりませんが、アニメでの背景が漫画の背景を表現しきれていないのが残念です。
ただ、それ以外、漫画界に大きなインパクトを与えた日本人キャラを美化しない造形、斬新なカメラワークはしっかり反映されていて、大友節を味わうことはできるでしょう。
さらに、アニメーションも非常に丁寧で、リアルさの中にもアニメならではの派手な演出も優れもの。よくここまで原作のイメージを壊さずアニメ化したものだと思います。30年経った今でも十分に見応えがあります。

・音楽
普通な気が。

・演技
メインキャラの人たちは流石なのですが、やっぱり子役の声は難しいですねえ。

漫画の画はとにかくすごいのですが、不満はあるものの、アニメでも奮戦している点を考慮して☆4です。ストーリーだけだったら☆3でした。

2018年9月10日月曜日

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 総合:☆☆☆☆☆

「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(以下、あの花)」は2011年4月スタートのオリジナルテレビアニメ。A1-Pictures制作。11話完結。
舞台は飯能。ヤマノススメと言い、すごくいい街に感じちゃいます。

・ストーリー
超平和バスターズの小学生仲良し6人組。ちょっとしたトラブルがきっかけで、一人の女の子を失ってしまう大きな事故につながってしまいます。この事故の後、残された5人は離れ離れになっていきます。
そして時は過ぎ、高校1年生になった主人公の前に、死んだはずの女の子が突然現れます。
女の子は主人公に「願いを叶えて欲しい」と言うのですが、どんな願いだったのか、覚えていません。主人公は、もう離れてしまっていた超平和バスターズのメンバーを巻き込みながら、女の子の願いを探し始めます。

・演出
正直、手放しでの☆5では無いのです。
脚本の岡田麿里さんは自身の体験も踏まえ、登校拒否児は魅力的なキャラクターになりうるか、というモチベーションでこの作品を書き上げたようですが、ちょっと深刻すぎる感じがしていて、完全に主人公に感情移入するまでには至りませんでした。ちなみに自分も一番ひどい時の高校1年1学期は、ほとんど登校した記憶がなく、出席日数不足で単位を落としています。大学も結局行かなくなって中退ですからね。ただ、そんな当時でも、ここまで自分を脚色したことはなかったです。自分よりずっと、引きこもりや不登校に悩まされている人がいるのだろうと理解はできますが、それをあまりに強調されてもなあ、と感じてしまいました。この点に関しては同じ超平和バスターズ名義の「心が叫びたがってるんだ」の表現の方に好意的です。
それでもなお、このアニメを☆5にした一つ目の理由は、ヒロインの演出が通常で表現される死せる者とは違う形で描かれていたからです。主人公が自分の心で作り出した幻覚、つまりヒロインの偽物なのか、それとも、本当に本物なのか。ヒロインの叶えて欲しがっている願いが、主人公の願いなのか、それともヒロインの願いなのか、これを最後まで明らかにしない物語の進め方が見事だと思ったから、です。
もう一つは、超平和バスターズの他の4人が、主人公と同じような傷を持ちながらも、同じように叶えられないとわかっている願いを持っていながらも、それでも前に進んできていて、彼・彼女らの主人公とは違うわだかまりへの向き合い方とその結末に魅入られたから、です。

・作画
田中将賀さんがキャラデザインと作画監督。テレビアニメながら大きな破綻もなく、安心して観られます。

・音楽
OPは飛ばします。EDは必ず聴きます。
ED(secret base 〜君がくれたもの〜)、同じパートでハモってるバージョンとソロになっているバージョンがある様に聴こえたのですが、「なぜ」を含めてちゃんと検証していないです。声優(茅野愛衣さん、戸松遥さん、早見沙織さん)が歌っているのにユニゾンじゃなくてハモっている楽曲って珍しいと思います。お三方の綺麗なハーモニーがEDを飛ばすに飛ばせなくしています。この楽曲、記録的にカバーされているみたいですが、歌いやすく、聴きやすく、綺麗な旋律なので、納得です。
サントラでは要所に使われているピアノ曲がシーンをとても盛り上げています。

・演技
ヒロインは茅野愛衣さん(しかしすごい仕事量ですね、この方)。サブヒロインには戸松遥さんと早見沙織さん。子供時代の男性キャラに田村睦心さん、瀬戸麻沙美さん、豊崎愛生さん。男性陣は入野自由さん、櫻井孝宏さん、近藤孝行さん。揃いも揃いましたね。ちょっと鼻につくセリフも演出も、演技力でねじ伏せてくれます。脇役の大原さやかさんも今作は役柄に合ったたおやかな声であてられていて特に良かったです。

幼い子供の死の設定は、やはりどうしても、悲しくなります。またまた自分ごとですが、15才の時に、小学生時代からずっと一番仲のよかった二人の友達のうち一人を病気で亡くしています。事故よりトラウマは少ないと思うのですが、それでも、この手の話を観ると、ついつい思い出してしまいます。

2018年9月9日日曜日

偽物語

偽物語 総合:☆☆☆

アニメ化された物語シリーズの中で化物語に続いて放映されたのがこの偽物語。
原作のライトノベルは化物語・傷物語・偽物語の順に発表されました。原作は未読です。
実際に放映されたらBDに焼くと思いますので、実質は☆4なのですが、無くても困らない、とも思っているため、☆3です。

・ストーリー・演出
正義を追求する阿良々木君の妹達(火憐・月火)ファイアーシスターズが主役。
かれんビー7話、つきひフェニックス4話からなる全11話。
化物語と違って、
タイトルと内容との一致度が減り、かつ、一つのタイトルの中に複数のエピソードが混在するので、少し分かりづらくなりました。主役と怪異により名付けられるタイトルだったと思うのですが、物語に占める主役と怪異の割合が少ないです。
会話はまあまあ引き続き面白いのですが、全体として前作の阿良々木君と戦場ヶ原さん/羽川さんとの掛け合いのような切れ味の良さが少なくなったように感じました。

(以下、エンディングネタバレあり)

怪異との対決も無く、人と人とのそれぞれの価値観、正義感の争いになったので、解が求めづらくなりました。
その上、
「かれんビー」
本物の詐欺師と会話だけで終わっちゃうと結局丸め込まれただけなんじゃ無いか?
「つきひフェニックス」
<性悪説による善は全て偽善>から展開し、突如、得心して矛を収めてしまう影縫と狐につままれたような反応を示す阿良々木君
などの違和感を残したまま、
引き際をあっさりさせすぎたことで、主張の対立が放置され、化物語にあったすっきり感が希薄になったように思います。


・作画
前作・化物語同様、原画も動画もキャラも安定してます。

・音楽
クラシックテイストの楽曲がいいです。OPは相変わらず魅力的です。

・演技
化物語本編では、ほとんど出番のなかった坂本真綾さん、喜多村英梨さん、井口裕子さんのターンが来ました。坂本真綾さんの幼女体と完成体の対比が良かったです。
早見沙織さんも登場。

少し辛めだけど、化物語のインパクトに慣れてしまった後では、どうしても厳しくなってしまいます。

2018年9月8日土曜日

猫物語(黒)

猫物語(黒) 総合:☆☆☆☆

化物語・つばさキャットの前日譚にあたる猫物語・つばさファミリーを全4話でアニメ化したものです。原作のライトノベルは化物語・傷物語・偽物語の次に発表されました。原作は未読です。

・ストーリー
阿良々木君の同級生で学級委員長である羽川翼は凄まじいまでの善性を持つ女の子でした。ゆえに、周りを圧し潰し、そして、自分までもが怪異に呑み込まれていくのでした。

・演出
物語シリーズの一貫した表現は変わらず、カット割りの卓越度、読みきれない文字情報、人のいない街の風景、顎を上げて相手を見下すような仕草。さすがに慣れてきますが、それでも他のアニメに比べると一線を画しています。
このシリーズ、1話あたりの登場人物を絞っているので、キャラクターが深掘りされて愛直が湧きますし、「こいつ誰だっけ?」にならずに済むのも良いです。
今回はキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの力の一端を垣間見せる登場のさせ方がカッコ良かったです。幼女状態ですらこの威厳。音楽も盛り上げてますし、完全体も視野に入れた坂本真綾さんならではの演技に、ほんのちょっとの出番でしたが、とても印象に残りました。似てはいないんですけど、インパクトとして、ゲーム・ゼノサーガでKOS-MOSが勝手に覚醒した時のシーンを思い出しました。

・作画
原画も動画もキャラも安定してます。TVアニメのクオリティとしてはかなり高いと思います。

・音楽
こちらも安定してシーンを盛り上げています。

・演技
堀江由衣さんの羽川とブラック羽川の二役の異なる性格をきちんと表現する演技が相変わらずお見事です。

優等生の持つ闇というテーマ、そして、語り尽くされている展開ですが、物語シリーズのアプローチにより、古典的なモチーフでも新鮮さを保って観せてくれているなあ、と感じました。

2018年9月7日金曜日

BackStreetGirls ゴクドルズ

BackStreetGirls ゴクドルズ 総合:☆☆☆☆

現在進行形の漫画が原作。原作は2巻まで既読。
30分番組ですが、1本5〜7話の短編に分かれています。アニメは10話で完結。
内容的には、え、これで終わり〜?と残念な感じでしたが、原作からしてそれほど連続性のあるストーリー構成でないのもあり、消化不良にはならず、かつ、シーズン2があっても問題のない、いい終わり方をさせたな、と思います。

・ストーリー
ヘマしたヤクザの組員3人が、落とし前をつけるためにタイで性転換して女の子になり、地下アイドルに対抗する路地裏アイドルとして活躍する物語。中身はヤクザ、外はアイドル、このギャップギャグが面白いです。爆笑する、というより、苦笑、失笑する感じのギャグアニメです。

・演出・作画
ダンスシーン以外、静止画。口しか動きません。やたら、ほぼ同じ空と雲だけのセル画挟んでくるし、作画だけ考えると、これを円盤で買うのには相当の勇気が必要です。

・音楽
アイドルなんで挿入歌も結構あるのですが、全体的にいい感じです。
OP/EDは特に良く、第7話以外はアイドルとなった女の子3人が歌っていて、7話だけ、アイドルになる前のヤクザ3人の歌になります。これも、ギャップギャグの一つとして、びっくり、ついつい笑っちゃいます。オープニングでシルエットで踊っているのは、やはり女装男子でしたね。踊り手は監督自らの合成、だそうです。

・演技
作画が作画なのもあるけど、実は音声だけ聞いていてもこのアニメ、そこそこ面白いです。それだけ、声優さん達の演技が良かったと思います。原作も面白かったのですが、アニメはアニメでありだな、と思えるのは、声優さんのおかげでしょう。突っ込みたい人はいないです。個人的に、気になっている声優さんに、若手だから脇もこなしつつ表に出てきたチカ役・赤尾ひかるさん、声を聞けばすぐわかるけど芸達者なマンダリン木下役・諏訪部順一さん、長年声優活動していて出演作多数なのにほとんどメインキャラがないスーパーサブの「和洋街のオヤジ役」・相馬康一さん。

上記、感想は長くないですが、ギャグ漫画として面白いです。一本あたり短いですし、ちょっと観ても損はしないかと。

2018年9月6日木曜日

君の名は。(映画)

君の名は。 総合:☆☆☆☆

言の葉の庭」の後に作られた新海誠監督の劇場用アニメ。2016年公開。
大ヒットしましたからね。知らない人を探す方が難しいかも。
☆5と相当悩みましたが、そもそもどうして起きる入れ替り?分裂した彗星のあの軌道でなぜ?など不思議な点が観てて気になること、ウルトラマンがカラータイマー鳴ってから既に3分経っているのに何時迄も戦っているようなクライマックスの焦ったさ、微妙な挿入歌、「秒速5センチメートル」の対極となるエンディング。これらを比較して考えると、どうしても「秒速5センチメートル」と差をつけたくなりました。

・ストーリー
組紐のように絡み合いながら、時空を超え入れ替わる17歳の男の子と女の子。ずっとすれ違いを続ける運命だった二人を引き寄せたのは、分裂した彗星でした。

・演出・作画
だいぶ大衆に寄り添いましたから、新海誠監督の元々の力から大ヒットさせるのは難しくなかったかもしれません。
マニアックなまでにこだわって作られていた今までの作品から比べると、だいぶ普通になった気もしますが、それでもやはり新海誠監督クオリティ。特に背景がやたらリアル志向なのは相変わらずです。釘を打ち付けるシーンでは、最後のひと叩きで、金槌の痕が残る演出など、細かな気配りも行き届いています。三葉、四葉の巫女姿での舞がとても自然で魅力的、アニメーションも間違いないです。
キャラデザインが「あの花」「ここさけ」「ダリフラ」などの田中将賀さんと「もののけ姫」「千と千尋」「パプリカ」などの安藤雅司さんなのも、 多くの人に受け入れられた理由の一つではないでしょうか。

・音楽
サントラは良いんですが、挿入歌は少しうざかったです、自分には。

・演技
俳優さんと声優さんの混成チームで、名前を見なくても、この子は声優さんだなとか、俳優さんだなとか、声の伸びが違うので、とてもわかりやすい。ただ、俳優さんの中でも声優としてやれる人をきちんとキャスティングしているようで、あまり違和感が無いばかりでなく、映画「ちはやふる」を観る限り、ひょっとして声優としての適性の方があるのではと思えるヒロイン役の上白石萌音さんと、声優としてもすでに実績を重ねてきた神木隆之介さんの主人公二人が、映画「転校生」の尾美としのりさんと小林聡美さんのように、一人の人物の中に現れる男の子と女の子の二役をきちんと演じ分けられている点がとても印象的でした。
おばあさん役の市原悦子さんは、俳優とか声優とか、今更ですね。声優陣では、悠木碧さん、ちょい役だけど前作を知っているとなんだか楽しい花澤香菜さんらも出ていて安心の演技で脇を固めています。脇役、重要です。

ちなみに、劇中で登場する組紐、グッズ展開されていました。

2018年9月5日水曜日

機動戦士Zガンダム

機動戦士Zガンダム 総合:☆☆☆

1985年3月から1年かけて放送。またまた古い作品ですみません。

機動戦士ガンダムを冠するアニメは多々あれど、オリジナルの続編と言えるのはこのZですよね。シードとか、名前だけ流用してるけど、その意味には商業的なものしかないし、サンライズなのにその名を地に堕としています。
厳密には、Zも「機動戦士ガンダム」の劇場版の続編(劇場版とTVアニメ版ではテーマが違うので、異なる物語と言えなくもない)です。また、Zは内容的にも、勢力図、人間関係などを、小難しくしているだけで、娯楽として楽しめなくなりました。正直、20周年記念として再編集された劇場版で、この点が制作陣も気になったのか、エピソードばかりでなく、結末までも変えてくるし、(井上瑤さんはこの時すでに故人なのに編集して登場させているこだわりをみせているくせに)TV版の声優さんを大幅に変えてしまうなど、迷走感が半端なく、TVアニメ版Zの完成度がうかがい知れるというものです。
宇宙戦艦ヤマトも続編・さらば宇宙戦艦ヤマト(劇場アニメ)までで止めておけば良かったのに、柳の下のドジョウ狙いで「新たなる旅立ち」とか作っちゃって、迷走アニメの先輩として君臨しているのだけれど、特攻精神が良いのか悪いのかの論争はあるものの、続編としての「さらば」の物語はまだマシだった分、救いがありました。ガンダムシリーズにはそれすらないのが残念です。

・ストーリー
「機動戦士ガンダム」、通称1年戦争の7年後を描いています。
世界観として、「機動戦士ガンダム」は人類全体を巻き込んだ内乱でしたが、この結果として社会の構図が変化したこともあり、Zでは地球連邦の内乱に縮小した感じです。アメリカの、独立戦争を経て南北戦争に至る、みたいな。
1年戦争ではアムロ・レイの精神が崩壊しかかりますが、Zでの登場人物は崩壊しまくっています。人の革新を人為的に行なった結果ばかりではなく、ナチュラルなニュータイプでも、オールドタイプでも同様に崩れますので、むしろ、宇宙に上った人間が精神に受ける影響をテーマにしているのかと思うほどです。これは「機動戦士ガンダム」劇場版(いわんやTVアニメ版)で示されていた「人の革新」とは異なるものです。この後、「逆襲のシャア」に続きますので、Zだけ「人の革新」について、解釈を寄り道した印象です。

・演出
第二次世界大戦時のドイツの戦車のモデルチェンジ、日本の航空機の新機体の投入など、「機動戦士ガンダム」での新型MSの出し方には歴史的に説得力がないわけではなかったのですが、ZのMSには、技術的に急に超高度になった可変とか、やたら専用機体とかが多すぎて、羽目を外しすぎだろう、と感じてしまいます。
良かったのは、機動戦士ガンダムの登場人物が、ところどころ顔見せしてくれて、懐かしさに浸れた演出、だけでしょうか。まともな登場の仕方をしてくれた人はいなかったのですが。

・作画
あんまり進化が見られないんですよね。

・音楽
肩入れしすぎかな。「機動戦士ガンダム」の方が印象的です。

・演技
声優さんに文句はないです。むしろ上手い。

別に、シードが面白くなかった、とは言ってないです。ガンダムシリーズについてはその1作目が素晴らしかったので、便乗したような変な詐術を使わないで欲しいと思うわけです。その作品に自信があるなら、お客さんを正々堂々としたアプローチで楽しませてくれればいいのに、と。観る側としては少しコケにされた気分になります。

2018年9月3日月曜日

働くお兄さん!

働くお兄さん! 総合:☆☆☆

5分アニメ。2018年1月スタート。全12話。
現在2期目を放映中。

・ストーリー
友達猫2匹が主人公。擬人化した動物たちが様々な職業を紹介していくアニメ。とは言え、その職業の特別な何かを伝えてくれるわけでもなく、仕事とそれに従事する動物たちのセレクトの妙味でギャグ化している感じ。例えば、焼肉店なら牛の先輩が、色々な部位だとか、肉の等級だとかを解説してくれるんだけど、最後は食われちゃう、みたいな。

・演出・作画
綺麗です。

・音楽
主題歌はラップ調で耳に残ります。

・演技
上手な人を揃えています。

実は入院中でして、とりあえずのアップ、お許しを。

2018年9月1日土曜日

FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN

FINAL FANTASY VII  ADVENT CHILDREN 総合:☆☆☆

ティファにつられて☆☆☆☆にしたくなっていますが、ここはこらえて。
ゲーム・ファイナルファンタジーシリーズの中でも屈指の人気作FF7(1997年発売)の2年後を描いた後日譚。2005年発売。フルCG映像作品。アニメと言っていいのか疑問。

・ストーリー
FF7でクラウドをはじめとした英雄により人類は救われましたが、大量に使われたライフストリームのせいで、星は病んでしまいました。その影響か、人々は、謎の病「星痕症候群」に冒されはじめていました。災厄「ジェノバ」。それぞれの目的を胸に、ふたたび星を救おうとする者たち、星を滅ぼしかけた神羅、災厄の復活を目指すカダージュの、「ジェノバ」をめぐる三つ巴の争いが始まります。

・演出・作画
FF7の時、こんなポリゴンの人形劇に感動できるか、と揶揄されていたものですが、じゃあ、映像も何もない小説にも感動できないのかっていうね。2次元のアニメなんかももってのほかだろうね。脳内で補完して楽しめるのが人ってもんです。
技術の進化を途中段階で否定しては、いずれ、先を見る目がなかったね、と言われそうです。
余談はともかく、ゲーム時代とは映像美に隔世の感があります。それでも、今と比べると、まだまだ人形劇ではあります。
フルポリゴンで映画を作ろうとした制作には敬意です。が、生かしきれていないように思います。ビジュアル、声、表情。アンバランスです。
クライマックスより、ティファ vs ロッズの格闘シーンが圧巻。ここだけ繰り返し観ている、と言っても良いほど。
でも、戦場ヶ原ひたぎじゃないけど何か重さが足りないんですよね。
AIに人が追い抜かれそうになっている現代、映像についても人形劇と人の演技との区別がつかなくなる日はそう遠くないでしょう。挑戦の過程として、意義のある作品だと思います。
何はともあれ、ポリゴンになったティファが予想以上に美人だったのは、ひじょーーーに良かった^^ ゲームではティファとの親近感がマックスになるまで、とことん一緒に行動させてたからねえ^^; 一途な幼馴染属性、背中を預けられる強い女性、理想です^^

・音楽
昔、作曲家の黛敏郎がドラクエのピコピコ音楽を取り上げて、こんな稚拙な音楽が子供達を堕落させる、と言っていましたね、テレビ「題名のない音楽会」で、わざわざゲーム音楽をテーマにして。電子音楽をいち早く取り入れた先駆者でありながら、何をおっしゃっているのか。申し訳ないが、黛敏郎の「涅槃」の方こそ、ピコピコより訴求力がないと思うのです。よくわかんなきゃ偉いのかよ、て感じです。
さて、FF7、原作ゲームのピコピコ音楽の方がなんか良かったです。作曲は植松伸夫さん。

・演技
むむむむむ。と思ったら、俳優さんが多いのね。アンバランスに感じたのはキャスティングのせいかもせれません。ティファだけ、ちゃんとしてくれれば合格だったのに^^

ゲームがリメイクされるようだけど、イメージぶち壊さないでねー。