2018年9月8日土曜日

猫物語(黒)

猫物語(黒) 総合:☆☆☆☆

化物語・つばさキャットの前日譚にあたる猫物語・つばさファミリーを全4話でアニメ化したものです。原作のライトノベルは化物語・傷物語・偽物語の次に発表されました。原作は未読です。

・ストーリー
阿良々木君の同級生で学級委員長である羽川翼は凄まじいまでの善性を持つ女の子でした。ゆえに、周りを圧し潰し、そして、自分までもが怪異に呑み込まれていくのでした。

・演出
物語シリーズの一貫した表現は変わらず、カット割りの卓越度、読みきれない文字情報、人のいない街の風景、顎を上げて相手を見下すような仕草。さすがに慣れてきますが、それでも他のアニメに比べると一線を画しています。
このシリーズ、1話あたりの登場人物を絞っているので、キャラクターが深掘りされて愛直が湧きますし、「こいつ誰だっけ?」にならずに済むのも良いです。
今回はキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの力の一端を垣間見せる登場のさせ方がカッコ良かったです。幼女状態ですらこの威厳。音楽も盛り上げてますし、完全体も視野に入れた坂本真綾さんならではの演技に、ほんのちょっとの出番でしたが、とても印象に残りました。似てはいないんですけど、インパクトとして、ゲーム・ゼノサーガでKOS-MOSが勝手に覚醒した時のシーンを思い出しました。

・作画
原画も動画もキャラも安定してます。TVアニメのクオリティとしてはかなり高いと思います。

・音楽
こちらも安定してシーンを盛り上げています。

・演技
堀江由衣さんの羽川とブラック羽川の二役の異なる性格をきちんと表現する演技が相変わらずお見事です。

優等生の持つ闇というテーマ、そして、語り尽くされている展開ですが、物語シリーズのアプローチにより、古典的なモチーフでも新鮮さを保って観せてくれているなあ、と感じました。

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