2018年9月5日水曜日

機動戦士Zガンダム

機動戦士Zガンダム 総合:☆☆☆

1985年3月から1年かけて放送。またまた古い作品ですみません。

機動戦士ガンダムを冠するアニメは多々あれど、オリジナルの続編と言えるのはこのZですよね。シードとか、名前だけ流用してるけど、その意味には商業的なものしかないし、サンライズなのにその名を地に堕としています。
厳密には、Zも「機動戦士ガンダム」の劇場版の続編(劇場版とTVアニメ版ではテーマが違うので、異なる物語と言えなくもない)です。また、Zは内容的にも、勢力図、人間関係などを、小難しくしているだけで、娯楽として楽しめなくなりました。正直、20周年記念として再編集された劇場版で、この点が制作陣も気になったのか、エピソードばかりでなく、結末までも変えてくるし、(井上瑤さんはこの時すでに故人なのに編集して登場させているこだわりをみせているくせに)TV版の声優さんを大幅に変えてしまうなど、迷走感が半端なく、TVアニメ版Zの完成度がうかがい知れるというものです。
宇宙戦艦ヤマトも続編・さらば宇宙戦艦ヤマト(劇場アニメ)までで止めておけば良かったのに、柳の下のドジョウ狙いで「新たなる旅立ち」とか作っちゃって、迷走アニメの先輩として君臨しているのだけれど、特攻精神が良いのか悪いのかの論争はあるものの、続編としての「さらば」の物語はまだマシだった分、救いがありました。ガンダムシリーズにはそれすらないのが残念です。

・ストーリー
「機動戦士ガンダム」、通称1年戦争の7年後を描いています。
世界観として、「機動戦士ガンダム」は人類全体を巻き込んだ内乱でしたが、この結果として社会の構図が変化したこともあり、Zでは地球連邦の内乱に縮小した感じです。アメリカの、独立戦争を経て南北戦争に至る、みたいな。
1年戦争ではアムロ・レイの精神が崩壊しかかりますが、Zでの登場人物は崩壊しまくっています。人の革新を人為的に行なった結果ばかりではなく、ナチュラルなニュータイプでも、オールドタイプでも同様に崩れますので、むしろ、宇宙に上った人間が精神に受ける影響をテーマにしているのかと思うほどです。これは「機動戦士ガンダム」劇場版(いわんやTVアニメ版)で示されていた「人の革新」とは異なるものです。この後、「逆襲のシャア」に続きますので、Zだけ「人の革新」について、解釈を寄り道した印象です。

・演出
第二次世界大戦時のドイツの戦車のモデルチェンジ、日本の航空機の新機体の投入など、「機動戦士ガンダム」での新型MSの出し方には歴史的に説得力がないわけではなかったのですが、ZのMSには、技術的に急に超高度になった可変とか、やたら専用機体とかが多すぎて、羽目を外しすぎだろう、と感じてしまいます。
良かったのは、機動戦士ガンダムの登場人物が、ところどころ顔見せしてくれて、懐かしさに浸れた演出、だけでしょうか。まともな登場の仕方をしてくれた人はいなかったのですが。

・作画
あんまり進化が見られないんですよね。

・音楽
肩入れしすぎかな。「機動戦士ガンダム」の方が印象的です。

・演技
声優さんに文句はないです。むしろ上手い。

別に、シードが面白くなかった、とは言ってないです。ガンダムシリーズについてはその1作目が素晴らしかったので、便乗したような変な詐術を使わないで欲しいと思うわけです。その作品に自信があるなら、お客さんを正々堂々としたアプローチで楽しませてくれればいいのに、と。観る側としては少しコケにされた気分になります。

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