雲の向こう、約束の場所 総合:☆☆☆☆
両方とも劇場用アニメ。
「パプリカ」は筒井康隆の小説が原作。原作未読。監督は今敏。
「雲の向こう、約束の場所(以下、雲の向こう)」は新海誠監督の長編オリジナルアニメ。
夢と現実の混濁、夢が現実の世界をコントロールするという観点から両作品を取り上げてみましたが、「パプリカ」は「ソードアート・オンライン」と並べた方が本当は良いと思っていました。ただ「ソードアート・オンライン」、長すぎて、どこら辺と並べるのが適切か、ちょっと悩んだので、今回は回避です。また、「パプリカ」の夢という仮想世界への干渉が現実へ大きな影響を与える設定を気に入るのなら、アニメらしい萌え要素は少ないけれど、実写映画の「マトリクス」「インセプション」も楽しめるかと思います。
・ストーリー
「パプリカ」
筒井康隆らしいとんでるSF。もっとも、原作とはだいぶ異なるようですが。
可愛いけどグロい、リアルなようでいて非現実的な異形のモノたちを過剰な描き込みにより表現した2次元映像に、独特のテンポの音楽を融合させて、実際の夢がもつ、突拍子もない、こんなことが起きても不思議じゃない、不条理な世界を際立たせるような表現をしています。この雰囲気のなか、「パプリカ」は、夢を操作する装置をめぐる複雑な登場人物の関係をミステリータッチに解き明かしていきます。展開も映像も不条理、これがこの作品独特の魅力になっていると感じました。
不条理から大団円を迎える物語で視聴後は爽やかさが残ります。
「雲の向こう」
新海誠監督らしい、リアリティ溢れる映像に、ちょっと幻想的な雰囲気をたたえた謎の塔。夢に閉じ込められた孤独な女の子を中心に、この特異な存在が、徐々に紐解かれていきます。展開は急なのですが、なぜか緩やかに穏やかに時間が過ぎていく感じが強く、最後の最後の最後にクライマックスがやってきます。
ヒロインは神様に祈ります。
「それだけを伝えることができれば、わたしは他にはなにもいりません。どうか、一瞬だけでも、この気持ちを」
この一言を聞くために観る映画です。
不条理から未来の暖かい予感につながる物語ですが、視聴後は一抹の寂しさが残ります。新海誠監督の真骨頂ですね。
筒井康隆らしいとんでるSF。もっとも、原作とはだいぶ異なるようですが。
可愛いけどグロい、リアルなようでいて非現実的な異形のモノたちを過剰な描き込みにより表現した2次元映像に、独特のテンポの音楽を融合させて、実際の夢がもつ、突拍子もない、こんなことが起きても不思議じゃない、不条理な世界を際立たせるような表現をしています。この雰囲気のなか、「パプリカ」は、夢を操作する装置をめぐる複雑な登場人物の関係をミステリータッチに解き明かしていきます。展開も映像も不条理、これがこの作品独特の魅力になっていると感じました。
不条理から大団円を迎える物語で視聴後は爽やかさが残ります。
「雲の向こう」
新海誠監督らしい、リアリティ溢れる映像に、ちょっと幻想的な雰囲気をたたえた謎の塔。夢に閉じ込められた孤独な女の子を中心に、この特異な存在が、徐々に紐解かれていきます。展開は急なのですが、なぜか緩やかに穏やかに時間が過ぎていく感じが強く、最後の最後の最後にクライマックスがやってきます。
ヒロインは神様に祈ります。
「それだけを伝えることができれば、わたしは他にはなにもいりません。どうか、一瞬だけでも、この気持ちを」
この一言を聞くために観る映画です。
不条理から未来の暖かい予感につながる物語ですが、視聴後は一抹の寂しさが残ります。新海誠監督の真骨頂ですね。
・作画
両監督がそれぞれの特徴を生かしきっていると思います。
・音楽
「パプリカ」は独特の映像を生かすように独特の和風でポップな音楽が盛り上げており、「雲の向こう」は穏やかな世界観を少し寂しげで優しい音楽が支えています。
・演技
「パプリカ」はベテランでバッチリ。林原めぐみさん主演ということで買ったのもあるしw。「雲の向こう」は、役者で揃えていて、淡々とした雰囲気を維持するには良い面もあった気もしますが、それでも、ちゃんとキャスティングして、声優さんに任せた方が、より良かったんじゃないかなあ。(蛇足)演出のせいだけど、男の子二人のシンクロギャグ、あまり成功していないし。
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