2018年9月26日水曜日

はるかなレシーブ

はるかなレシーブ  総合:☆☆☆

現在進行形の漫画が原作。2018年7月スタート。12話完結。
途中なので☆の数は普通なのですが、普通に面白いです。
ちょうど単行本最新刊が、このアニメの次の展開につながっていて、商業的なものをちょこっと感じますが、ご愛嬌、でしょう。

・ストーリー
沖縄に生まれ沖縄に住む「かなた」。小学生時代、ひとりぼっちの転校生「なるみ」と友達になりたくて、一緒に始めたビーチバレー。沖縄の小学生の頂点に立ったものの、その後、背が伸びず、素質的に恵まれなくなったことで、大好きになったビーチバレーから徐々に距離を置いてしまい「なるみ」も遠くに越してしまいます。高校生になった彼女の元に、従兄弟の「はるか」が引っ越してきて同居を始めます。彼女はビーチバレーをするには恵まれた素質を持っていましたが、全くの初心者でした。そんなところにちょうど沖縄に戻ってきていた「なるみ」が「はるか」の前に現れます。「なるみ」は「はるか」の不用意な一言と元カノとも言える「かなた」の今の状態に敵対心をあらわにし、一緒に来ていた高校一ペアのパートナー「あやさ」を巻き込んで「はるか」に挑戦状を叩きつけます。「かなた」は初心者の「はるか」にビーチバレーのイロハを教えているうちに、彼女の明るさと前向きさに巻き込まれ、昔のビーチバレーへの情熱を取り戻し始めます。

・演出。
現在進行形の漫画が原作のため、話の展開的には途中で終わってしまった印象が強いのですが、「ビーチバレー。広いコートの中で、たった二人でしかできない団体競技。だから、私たちはかけがいのない一人を選ぶ。」ことをモチーフに、ヒロイン二人、そして、ライバルペアたちそれぞれの関係に焦点を合わせた演出のため、それほど消化不良になっていないし、もっとビーチバレーのゲーム性に焦点を合わせた次作につながる胎動編としての役割も担えるような構成が、悪くないんじゃないかな、と思いました。
同じようなテーマのアニメに「つうかあ」がありましたが、「つうかあ」の演出に比べると連続性があり自然なので、「はるかな」の方が好印象です。
男性向けのサービスショット的なシーンがありますが、あまり必要なかったんじゃないかな、と思います。せっかくのお話に、水を差している感じがしました。
3連勝で高校大会の全国に行けるのは、実際もそんな感じなのでしょうか。そうなら、百人一首の「ちはやふる」や薙刀の「あさひなぐ」のように、自虐ネタ的に「頑張れば頂点に立つのも無謀な夢じゃない」と伏線を張っておくと、色々辻褄も合って良さそうでしたね。

・作画
テレビアニメとして、破綻も少なく、アクションシーンもスローモーションを多用して緊迫感を高めたり、そこそこ迫力があって良いんじゃないでしょうか。
「かなた」の手首の数珠が、レシーブするには邪魔そうなのが気になるくらいでしょうか。

・音楽
曲が主張しすぎず、心情を表現したり、シーンを盛り上げてくれたりしているように感じました。EDは割とお気に入り。

・演技
メインキャストでビッグネームは種崎敦美さんくらいかもしれませんが、物語への集中を邪魔しない表現力で感じよかったです。

現実のバドミントンのペアでは、苗字の1文字をとって、「タカマツ」ペアとか呼びますが、このアニメのビーチバレーの世界では名前を組み合わせてペア名にしています。「はるか」と「かなた」で「はるかな」。EDの作詞にも効果的に使われていて、言葉遊びとして面白いです。
どうでも良いつながりですが、化物語の戦場ヶ原ひたぎと神原(かんばる)駿河の中学校時代の呼び名は「バルハラ」コンビ。尤も言い出して広めたのは戦場ヶ原を百合的に慕っていた神原だったという、後日談というか今回のオチ。

0 件のコメント: