茄子 アンダルシアの夏 総合:☆☆☆☆
黒田硫黄の短編漫画を劇場用アニメ化した作品。
高坂希太郎監督。47分で、軽く観られます。
正直、自転車ロードレースを知らないとつまらないかもしれません。分かる人には分かる単語を使ってストーリーを書いてみます。面白そうだと思った方には観る価値はあると思います。
特にこれを観て、全く縁のなかった人が、突然、自転車ロードレーサーに乗りたくなる、とは思えないので、すでにスポーツ自転車に乗ってる人だったり、自転車ロードレースが好きな人限定でオススメするアニメです。
・ストーリー
自転車3大レースの一つ、スペインで開かれるブエルタ・エスパーニャ。ペペ・ベネンヘリはパオパオビールというチームでアシストを務めるプロの自転車レーサーです。物語となるステージでは、彼の故郷を通りかかります。ちょうどその日、元恋人・カルメンと、兄の結婚式が行われていました。兵役中、兄に奪われた恋人、兄、そしてぺぺの3人の微妙な人間関係を背景に、平坦ステージをエースのために淡々とアシストをこなすペペでしたが、思わぬアクシデントからチャンスが回ってきます。
・演出。
自転車ロードレース平坦ステージ。淡々としながらも、観てて息苦しくなるような展開がよく演出されています。自転車レースというものと、ペペのこれまでの、そしてこれからの人生が、オーバーラップしているように感じるので、ペペの人生にも何か劇的な変化が起きるのではないかという、うっすらとした期待のさせ方がとても良かったです。
しかし、平坦ステージのアシストは、概ねいつでもどこでもどこまでも、平坦なものなのです。
・作画
スタジオジブリでも作監として活躍していた高坂希太郎監督ですからね。安心して物語に集中できます。そのせいか、このアニメ、ジブリ作品のような扱いを受けているようですが、れっきとしたマッドハウス制作作品です。
・音楽
ギターが主体で、南国情緒豊かな楽曲群です。盛り上がるところでも、カスタネット(でしょうか)が、スピーディなリズムを刻み、スペインのフラメンコなんかを意識しているように聞こえました。エンディングは自転車大好きだった忌野清志郎が自転車関連の会社名を繫げた作詞で遊んでいます。まあ、これも、自転車好きじゃないと、?、となるでしょう。
・演技
大泉洋さんは声だけでも上手いですね。声優としても耐えうる声質なので、違和感がありませんでした。ヒロインの小池栄子さんは、グラビアアイドルからスタートして、いつの間にか善人も悪人もできる、やたら演技が上手い人ですが、あえてなのかもしれませんが、このアニメでは平坦な口調なので、普通、という感じでしょうか。
自転車ロードレース漫画のアニメ化では「弱虫ペダル」が有名ですけど、「茄子」の方が玄人好みのする面白さです。
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