Just Because! 総合:☆☆
両方ともオリジナルアニメ。学園青春モノで現実的な物語同士です。「月がきれい」は中学3年生、「Just Because!」は高校3年生が舞台。この位の3歳の年齢差はかなり大きいと思うのですが、ほぼ似たような恋愛模様で「Just Because!」が少しウブな感じ。「月がきれい」は「四月は君の嘘」「聲の形」、映画アニメだけど「秒速5センチメートル」等と比べると気持ちインパクトに欠けるので、星を一つ減らしているものの、この淡々とした感じも十分に魅力的なので、限りなく☆5に近い☆4です。「Just Because!」は最後まで観たけれど、途中何度も挫折しそうになっていたこと、最後まで観終わって、やっぱり途中でやめても良かったと思ったことから星を一つ減らしています。なにかと評価の高い「Just Because!」ですが、この2作品には☆2つほどの差がある感想を持っている点を考慮しています。
・ストーリー
関係の形や変化を書くと重要なネタバレになってしまうので、やめておきます。
双方の作品が表現する人間関係について、「月がきれい」で表現する心情は納得できますが、「Just Because!」の方は、理解はできても納得できないのです。
「Just Because!」にも、ラストシーンで二人がニヤリとしてから歩み寄るところや「だめ」の場面など、作品全体が良ければ名場面になってたであろう部分もあるし、全体に流れる雰囲気は良かったので、なんか惜しい、と思っています。みんな、場酔いしてるんじゃ無いかしら?と言ったら言い過ぎでまずいですかね。すみません。
双方の作品が表現する人間関係について、「月がきれい」で表現する心情は納得できますが、「Just Because!」の方は、理解はできても納得できないのです。
この2作品はそれぞれ、一途な恋vs揺れ動く恋、を見せてくれていると把えています。納得しやすいのは前者だと思います。それに惑わされているだけかもしれません。しかし、揺れ動くのは結構なのですが、そこに、感情より、打算みたいなものを、筆者はどうしても感じてしまうので「Just Because!」にのめりこめないでいます。両作品共「振る」場面があるのですが、「Just Because!」の振り方はどうなんでしょう。揺れ動く様を表現したいのでしょうが、現在フリーだから言い寄ってくる嫌いでは無い異性を保険として残しておきたい気持ち、好意を持っている人が自分とは別の人を好きそうなので安パイに流れてしまうような心情変化、そう意識してしまうのです。理解はできますが、そんなお話をわざわざ観ることもないな、と思ってしまうのです。これを深い、今時の若者の気持ちを代弁している、とできるほど、筆者は若くは無い、いや、むしろ精神的には若過ぎる?wということなのかもしれませんね。
追加として、ホームラン打ったら彼女のところに行くぞー、行けー、みたいに見えるのに、一体その後、どこに行ったのかわからないシーンを筆頭に、全体的に登場人物の不思議な振る舞いを「Just Because!」側により多く感じているのも、星の差としているところです。
・演出
「月がきれい」は岸誠二監督。観終わって、なにかに似ていると調べたら「勇者であるシリーズ」の監督でもありますね。場面展開なんかは本当に上手です。岸カラーとでもいうのでしょうか、説明的な会話を極力無くして、ほんのちょっとしたカットで背景や設定を十分に伝える演出に、とても好感を持っています。また、お話では最初のうち、メインの二人の間には、なんだか「ため息」とか「感嘆符」だけのようなセリフ?が多過ぎて、まどろっこしいな、と思っていたのですが、話が進むにつれ、徐々に少なくなり、反対に会話が多くなっていく様子や、最初は友達との絡みを多く描き、話が進むにつれて徐々に二人の世界が増えていく構成など、たどたどしさの変化の演出、社会的な変化の演出、見事なものだなあ、と。ミスリード手法も相変わらずで(I love youを月がきれいですねと意訳したのは太宰だっけ、夏目漱石だっけ)と心の声を聞かせた後に口をついて出た言葉が「つき○○○○○○○」。これ、予想できた人は相当ひねくれ者かと。勇者であるシリーズ共々、桜の取り入れ方もいい感じです。なのでつい「秒速5センチメートル」を思い出してしまうのですが。ついでに、エンディング後のショートストーリー、かなり面白い。「Just Because!」にも、ラストシーンで二人がニヤリとしてから歩み寄るところや「だめ」の場面など、作品全体が良ければ名場面になってたであろう部分もあるし、全体に流れる雰囲気は良かったので、なんか惜しい、と思っています。みんな、場酔いしてるんじゃ無いかしら?と言ったら言い過ぎでまずいですかね。すみません。
・作画
「月がきれい」は、エキストラがそこまでリアルに動かなくても良いような気もしますし、メインが普通のアニメーションなので、若干違和感すら感じますが、メインの原画動画が共に安定していますので、円盤買っても良いレベルじゃ無いでしょうか。「Just Because!」は顔がちょっと崩れたり、動画が固かったりする場合があるので、少し残念かな。
・音楽
両作品とも綺麗で効果的です。「Just Because!」のやなぎなぎさんは良いですね。エンディング曲は特にお気に入りです。
・演技
「月がきれい」のヒロインに、あまり綺麗な声の人を使わなかったのはなぜでしょう。ため息の演技力ですかね。OP/ED/挿入歌を歌うのは東山奈央さん。役と歌のギャップがすさまじい。
「Just Because!」の方は普通の喋り方で演技をしてくれているので、落ち着いて観られます。それが今までのアニメには少ない雰囲気作りにつながっているものと思います。
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