攻殻機動隊2.0 総合:☆☆
公開はちょっと古いのですが、GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊(以下、初期)とイノセンスのセットが4Kで6月に発売されるようなので、久しぶりに観直しました。なんだか、相変わらず、パッケージだけを新しくしたような意味のないバージョンアップの繰り返しで、お布施を要求し続けますね、この作品。初期の名前に泥を塗ってるとしか思えないです。その最たるものが2.0です。今回の4K化でも2.0ではなく、初期とイノセンスのセットみたい。世間の評価だけでこうしたのでは無いでしょう。送り出した側も恥を知っていた、という意味では、結構なことですが、そもそも初期を4Kにする意味があるんでしょうか。価格破壊で大型テレビが益々普及した現在の状況に合わせて、大画面にも耐えられるようにした、てことかもしれませんが、あれだけ金かけてバージョンアップした2.0でさえ、あの中途半端な出来栄えです。無駄金使わされるような気がします。もちろん、4Kの円盤が出るまで待っててよかったよー、というファンの方はいないと思いますが、今まで円盤に手を出してこなかった方々にとって、この組み合わせは良いセットだと思います。
士郎正宗原作(漫画)を押井守がアニメ映画化した初期と、特に映像をバージョンアップしたとの触れ込みで発売された2.0。筆者は初期だけ欲しかったのですけど、当時、初期を見るためには中古か2.0とのセット販売を買うかしかなかったので、後者を予約して買って観ました。原作、完読です。
・ストーリー
SFとして面白いです。記憶の外部化による近未来の人の存在を描いていて、説得力があります。アニメは原作にわりと忠実。原作、アニメとも、それぞれがそれぞれに独特の雰囲気を持っていて魅力的です。初期と2.0にストーリーの違いはないです。時代に合わせて、ECをEUと吹き替え直したことくらい、でしょうか。
・作画
初期は、テレビアニメと違いますので、それなりにしっかりしてます。車などの機械の動きも今のような立体感・リアリティ感はありませんが、セル画でここまで自然にかけるのは、当時としては大変だったのではないでしょうか。ただ、少佐の顔に統一感がないのは気になります。
2.0。映像のためにバージョンアップしただろうに、こんなに中途半端では、2.0を語っちゃいけません。6、7割は初期そのままを使っているイメージで、もう、統一感のかけらもありゃしません。せっかくCGでダイブしたのに、途中からスパッと初期のセルになる。違和感ありまくりです。CGの少佐が嫌いなのではありません。作品として、2.0を名乗るなら、ちゃんと全部、少なくとも違和感を感じさせないように絞ったシーンだけ、例えば、戦闘シーンだけとかをCG化して作り直して欲しかった。でないと、ひとつの作品として成立しないと思うのです。イノセンスでは背景はCG、キャラは2Dでまとめられていたので、それは中途半端ではなく、表現としてありだと思えました。今時のテレビアニメでも、自動車やロボットなどの動きはCGで、とか、ダンスシーン・戦闘シーンはモーションキャプチャーで、とか、全体としての違和感はあるけれど、そう表現する意図、作品で強調したい部分をより良く観せようとするポリシーを感じられるのですが、2.0にはそれがないのです。TVアニメなら、タダで観ているので、ここまでは言いませんが、鳴り物入りで高い円盤を発売して観せたのですから、購入者の期待に応えて欲しかったと思うのです。
2.0。映像のためにバージョンアップしただろうに、こんなに中途半端では、2.0を語っちゃいけません。6、7割は初期そのままを使っているイメージで、もう、統一感のかけらもありゃしません。せっかくCGでダイブしたのに、途中からスパッと初期のセルになる。違和感ありまくりです。CGの少佐が嫌いなのではありません。作品として、2.0を名乗るなら、ちゃんと全部、少なくとも違和感を感じさせないように絞ったシーンだけ、例えば、戦闘シーンだけとかをCG化して作り直して欲しかった。でないと、ひとつの作品として成立しないと思うのです。イノセンスでは背景はCG、キャラは2Dでまとめられていたので、それは中途半端ではなく、表現としてありだと思えました。今時のテレビアニメでも、自動車やロボットなどの動きはCGで、とか、ダンスシーン・戦闘シーンはモーションキャプチャーで、とか、全体としての違和感はあるけれど、そう表現する意図、作品で強調したい部分をより良く観せようとするポリシーを感じられるのですが、2.0にはそれがないのです。TVアニメなら、タダで観ているので、ここまでは言いませんが、鳴り物入りで高い円盤を発売して観せたのですから、購入者の期待に応えて欲しかったと思うのです。
・音楽
西田和枝社中を起用した川井憲次さんの楽曲が素晴らしいです。
・演技
田中敦子さん、大塚明夫さん、山寺宏一さん、大木民夫さん。安心して観れますねー。初期と2.0の最大の違いは、人形使いの声を家弓家正さんから榊原良子さんに変更したことでしょう。CG化は極端な話、見た目だけですから作品本来に決定的な影響を与えないのですが、この変更は、作品自体を大きく変えてしまいました。榊原良子さんは押井守監督の信頼厚い人らしく、この作品のキーとなる人形使いを信頼している人に任せたい、女性にした方が面白くなりそうだ、との理由で代えたようなのですが、初期のイメージが強すぎるせいでしょうか、筆者には成功しているとは思えませんでした。
蛇足ですが、ハリウッド版について。少佐をスカーレット・ヨハンソンではなく「アンダーワールド」シリーズのケイト・ベッキンセイル(吹き替えはアンダーワールド同様に田中敦子さんでw)にして欲しかった。
蛇足ですが、ハリウッド版について。少佐をスカーレット・ヨハンソンではなく「アンダーワールド」シリーズのケイト・ベッキンセイル(吹き替えはアンダーワールド同様に田中敦子さんでw)にして欲しかった。
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