(2018/9/19 ちょっと加筆、☆の数変更)
「俺ガイル」の続編。
この終わり方では、全然終わっていないので、ちょっと評価できない、というのが本音。原作とほぼ同じペースで進んでいて、原作も残すところあと3巻の模様。再放送を観て、ちょっと肩入れしすぎていたことに気づきました。この切れ味の悪さは、ある意味原作通りなのかもしれませんので、アニメのせいばかりとは言えませんが、☆3に変更しました。
・ストーリー
前作では、
雪ノ下陽乃
「集団を最も団結させる存在はなんでしょうか?(中略)正解はね、明確な敵の存在だよ。」
とまあ、比企谷八幡がその性格、資質、思考などから、当然のようにヒールになることで世界を変え依頼をスパッと解決してきたわけで、そこが前作の魅力の一つだったのだけれど、
平塚静の前作最後の比企谷八幡への説教
「誰かを助けることは、君が傷ついて良い理由にはならないよ。たとえ、君が痛みに慣れているのだとしてもだ。君が傷つくのを見て痛ましく思う人間もいることにそろそろ気づくべきだ、君は。」
から続く今作では、比企谷八幡は前作とは異なり、完全に孤立しているというわけではない周囲との関係性の中からスタートします。
修学旅行依頼では相変わらず「誰か一人に汚れ役を押し付け、それを排除することで集団はその輪を保つ。そしてその汚れ役って俺」方式で依頼解決をするものの、
平塚静に
「君のやり方では、本当に助けたい誰かと出会った時、助けることができないよ。」
と指摘されていたことを、周囲の反応から思い知った比企谷八幡は、続く生徒会長選での依頼、生徒会イベントでの依頼で、よすがにしてきたぼっちなんだからヒールに徹してオッケー、とすることが出来なくなり、結果にほころびが見え始めてしまいます。
行動基準に迷いがなかったので、ヒールとはいえスカッとする結末が前作だったのですが、今作では少し、ドロッとしだし、さらに終わりがフワッとしてしまったために、普通のアニメに成り下がりました。こういう展開も嫌いじゃないけど「素直に褒める気にはなれない」by平塚静って感じでしょうか。・演出
前作に拍車がかかって本格的になってきた三角関係を、前作に輪をかけストレートに表現しないようにしている点が、自分としては好みです。正面から向き合って言えば良かったのに言わずにそのまま見送っていることで過ぎ去ってしまった現実の高校生活を思い出すんですよね。現実は小説より奇ではあるけれど、より平坦でもあると思うのです。
・作画
断然よくなりました!が、なんと前作の絵柄の方が好みです。何でもかんでも3Dポリゴンにすれば良いってもんじゃないように、このアニメに関しては前作の方が内容に合っていると思うのです。特に比企谷八幡の魚の死んだ目を、ひねくれた性格を、より正しく表現してたのは前作の作画の方じゃなかったかなと。雪ノ下雪乃の長い黒髪も、今作ではボサッとして見えるし。
・音楽
OPはやなぎゆきさんらしくなくない?
EDは早見沙織さんと東山奈央さんで相変わらずですが、前作EDの方が好みです。
・演技
声優の皆さん、キャラをより一層自分のものにしてきた感じで、ものすごく良いですね。
新キャラの佐倉綾音さん、戸松遥さんも相変わらずうまいっす。単純に良い人だとは言えないキャラを演じるのはやっぱり力があるってことですね。
これだけ多くの名言が聞けるアニメも珍しい。ガンダム以来?w
同じセリフでも、深読みできるんですよね。
もっとも、パッと思い出せるのは前作の方だというのが悲しいところです。
例えば、文化祭実行委員長を口撃する比企谷八幡に葉山は「比企谷、少し黙れよ」と摑みかかるんだけど、これ、委員長をかばっているんじゃなくて、比企谷をかばってるよね。原作が秀逸なのは確かだけど、それを演じている声優さんが秀逸なのも確かだと思います。ただ、どうも、秀逸なのは、原作でも最初のうち、だけかも。迷走して、違う作品に変わってしまったように思います。
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