多田くんは恋をしない 総合:☆☆☆
オリジナルアニメ。13話完結。
ラストがこれで良かったのかなあ、と思う終わり方だったので、☆を3に落としています。BDに焼くことはないかな。
・ストーリー・演出
両親の死から感情を抑えて生きることを選んできた高校生の切ない恋の行方を描いています。ヨーロッパからの日本大好き留学生が巻き起こす学園青春ドラマです。主たる登場人物が写真部ということもあり、写真部の活動が日常になっているのですが、撮影会や、コンテストなどが、うまくストーリーを動かす道具立てとして機能しています。戦慄のニャンコビッグもね。
ちなみに、ヨーロッパからの留学生が大好きな劇中劇「れいん坊将軍」。まあ「暴れん坊将軍」なんですが、アニメの中でも語られているとおり、「虹の色を一つ、言ってみろ」「あ、あお?」「虹の色は虹色だ。成敗!」と合っている色を言っても結局、斬られてしまう理不尽な時代劇です。
さて、このアニメ、視聴者が自然に察することができるような演出を多用しているため、設定、背景(テレサの正体、アレクの正体、HINAちゃんの正体)を確信して、最初から観ていくことになります。なので、ダメだよ多田くん、テレサちゃん、とハラハラしながら観続けて、なんとか納得のいく展開で、二人がハッピーになってくれないかなと、いつの間にか願っています。そして期待度マックスで迎えた最終2話。自分は納得いかなかったので☆3です。
「ローマの休日」のエンディングってハッピーエンドですか?バッドエンドですか?自分は「ローマの休日」で、ああ終わる以外の結末は、物語を陳腐にしたのではないかと思っています。
主人公は過去の出来事から、ヒロインも立場的な問題で、真情をあまり表に出さないのですが、かわりに微妙な表情、仕草で二人の心の動きを表現していて、あだち充の漫画を読んでいるかのようです。だから、主人公には最後まで泣かないで欲しかったな。
ちなみに、このアニメ、なんとなく、この後が気になる演出です。二人がこれからどうなるのかはもちろんなのですが、HINA ちゃんがどうなるのか、とか、アレク、シャルルはどうするのか、とか、ラルセンブルクはどうなったのか、とか。13話できちんと完結しているので、消化不良というわけではないのですが、なんだか気になります。
・作画
まあ、普通かと。アクションもないし。
・音楽
OP/ED良いです。
・演技
男性陣が中村悠一さん、宮野真守さん、梅原裕一郎さん(ダリフラと同じく途中代役。杉田智和さん、役の重みもあるのでしょうが、さすが全く違和感なかったです)、櫻井孝宏さん、下野紘さんとえらく豪華。中でも宮野真守さんは変なテンションの男子高生をかろうじて直視できるとぼけキャラにしている演技力は相変わらずお見事!です。根が友達思いのいいやつなんでね。
女性陣は絶賛売り出し中のヒロイン役・石見舞菜香さん、「ハクメイとミコチ」でのミコチで美声を聞かせた下地紫野さん、なんでもやれる水瀬いのりさん、そして、筆者的注目度ナンバーワンの石上静香さんです。
石見さんがちょっと無理目な声での演技をしている感じで、ちょっと苦しくなる場面もあるのが少しだけ残念でしたが、役者揃いの配役で、安心して観られました。
時の洗礼を受けてなお、いまだに名作として残り続ける「ローマの休日」は、やはり偉大だったということで。
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