2019年8月31日土曜日

涼宮ハルヒの消失(映画)

涼宮ハルヒの消失  総合:☆☆☆

2010年に公開された、ラノベ原作の劇場用アニメ。
涼宮ハルヒの憂鬱の続編にあたります。京都アニメーション制作。

・ストーリー 
憂鬱2期の後。クリスマス前に起こった時空改変についての原因と解決が描かれます。この世の神である涼宮ハルヒが引き起こしていたこれまでの異変から一変し、それまで陰日向に大活躍していた長門有希がストーリーを進めるための重要な役回りとなるお話です。

・演出
大げさ。原作読んでないからひょっとしたら原作からしてこんな雰囲気なのかもしれないけれど大げさです。エンドレスエイトの演出でも思いましたが、この察しの悪さ、鈍さをまさか映画でまで繰り返し見せられるとは思いませんでした。自分がもしこの状況に置かれたとして、こうまで動揺するかなあ。私小説風な世界観は悪くないんですが、それが自分自身の内面に向かいすぎると、観ていて辛くなります。世界の中心で一人で愛を叫ばれても、少し困ります。

・作画
さすが劇場用。段違いに良いです。ただ、スタジオジブリでも一時感じたことがあるのですが、セルが多すぎて動作に実際かかる時間を超過しているような、妙なスローモーション感を覚えることがあります。

・音楽
5.1chの音声も含めて、ちょっと不自然な感じが。なんか全体的にネガティブなんですが、そう感じちゃったものは仕方ないですね。
サティ・ジムノペディ第一番が効果的に生かされています。長門有希ちゃんの消失では亡き王女のためのパヴァーヌでしたが、時の洗礼を受けた作品には力があります。

・演技
長門有希役の茅原実里さんが涼宮ハルヒの憂鬱より若干よく喋り、そして効果的でした。でも、キョンの私小説風アニメは相変わらずで、杉田智和さんが大部分をしゃべっていたんじゃないでしょうか。今回も憂鬱2期と同じように演技力というより演出がどうにもいただけなく、少し鼻につくような感じはありました。憂鬱1期の立て板に水のように喋りまくっていた時のあの独特な世界観が、やっぱり懐かしいです。

1期だけでは完結せず、消化不良になるアニメが多い中、逆に2期以降が足を引っ張っている珍しいシリーズ。似たようなアニメですぐに思いつくのは機動戦士ガンダム
このアニメでのイベントの一つ、緊急脱出プログラムの選択肢で、起動しなかった場合は「長門有希ちゃんの消失」につながるわけですが、こちらは、ちょいとサイコなスパイスが効いた学園モノとして面白かったです。

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