2019年8月28日水曜日

涼宮ハルヒの憂鬱

涼宮ハルヒの憂鬱 1期  総合:☆☆☆☆☆
涼宮ハルヒの憂鬱 2期  総合:☆☆

1期2006年4月スタート全14話(放映順)
 朝比奈ミクルの冒険 Episode00
 涼宮ハルヒの憂鬱I〜II
 涼宮ハルヒの退屈
 涼宮ハルヒの憂鬱III
 孤島症候群(前)
 ミステリックサイン
 孤島症候群(後)
 サムデイ イン ザ レイン
 涼宮ハルヒの憂鬱IV
 射手座の日
 ライブアライブ
 涼宮ハルヒの憂鬱V〜VI
2期2009年4月スタート全14話(放映順)
 笹の葉ラプソディ
 エンドレスエイトI〜VIII
 涼宮ハルヒと溜息I〜V

ライトノベル原作。
円盤は発売された時期により収録話数が異なるため、感想を分かり易くする目的で放映順を列挙しました。1期は時系列の工夫が成功しており、内容も、予測のつかない涼宮ハルヒの思考と特徴ある登場人物の思惑が錯綜し、完結してはいないものの、納得いくエンディングで締めたのに対して、2期は暴神が考えていることの予想がつく範囲のわがままで周りを振り回しているだけのエピソード3話の集合体になっていて特に一本のアニメとして成立させる気が無かったと思われること、エンドレスエイトはやりすぎだと思うことから、受けた感想は天(絶賛)と地(苛立ち)ほどの差がありました。

・ストーリー
涼宮ハルヒが入学早々の自己紹介で発した言葉は「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。この中に、宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、私のところに来なさい。以上。」そして、常に何かを睨みつけているような表情を崩さずせっかくの美人を台無しにしていた。さらに、この自己紹介はシャレではなく本気であり、その奇行は中学時代から有名であったと前の席に座る通称キョンは同じクラスになった気の合う仲間でハルヒと同じ中学出身だった友人から聞くことになる。そんな彼女になぜか気に入られたキョンは無理やり新しいクラブを作ることを手伝わされることになる。そこから涼宮ハルヒとそこに集められた部員達との奇妙な日常が語られていきます。

・演出
キョンの私小説風アニメ。とにかく、彼が心情を常に喋ってアニメは展開されます。設定は日常ですがSFアニメです。
1期では原作の時系列をいじって深みを増しつつ、エンディングを綺麗にまとめることで、完全完結ではないものの、ハルヒを筆頭にしたSOS団団員の絶大な魅力と謎に包まれた世界観の解きほぐし方で、この作品を名作に仕立て上げました。このため、続編を待ち焦がれていただろうファンが多かったのは想像に難くありません。
そんな中、放送開始された2期では、各キャラの魅力が薄まってしまいました。キャラ設定がとんがりすぎていたことで生じた慣れではないだろうと思いますので、これは「エンドレス」で、全く同じ話を冗長に繰り返し観せ続けられた所為で、見慣れてしまった、と言う事でしょう。また、「溜息」の方では、映画作りの中で、一般人が容易に考えつく程度の暴走というか奇行というか普通のワガママにハルヒの行動が終始していますので、触らぬ神に祟りなし、ただ単に各キャラがハルヒ神にお供え物をし、ご機嫌をとるためだけのエピソードに過ぎなかったから、キャラに新たな不思議や発見を見いだすことができなかった為、魅力を失ったと感じています。

・作画
1期から良いです。円盤買えます。海外版なら。ただし、コレクションとして2期を手元に、という気持ちは湧きますが、冷静に考えると2期の円盤は不要です。
2期になる程、作画は良くなりますが、エンドレスエイトでは多少ではありますが作画が変わるので、たまにハルヒが平沢唯になる回があったりと、まあ、そういう楽しみ方ができる工夫は凝らされています。なので、こんな些少な差異を楽しむために繰り返し見ることができる研究肌の方には、身を挺して止めたりはしないですけどね。

・音楽
劇伴としてとても良かったと思います。

・演技
よくしゃべるキョン・前野智昭さん、元気なハルヒ・平野綾さん、涼しげな古泉・小野大輔さん、無口な長門有希・茅原実里さん、ここまでアニメ声にしなくてもとは思うものの情けない先輩役には良かったのでしょうかの朝比奈役・後藤邑子さんら、少ない主要人物で、ストーリーに集中させてくれます。2期ではオットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団のバッハ「マタイ受難曲」で、超スローテンポで歌わされた声楽陣の苦労をなぜか連想し、声優さん方の受難に思いを馳せたりしました。ただ、「マタイ受難曲」は聴く方は幸せでしたが、このアニメの2期は、観る方にも苦痛を与えているので、公共に創作物を提供するこの姿勢について、制作・製作への反感しか湧きませんでしたけどね。

とにかく、1期は良いです。

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