2018年8月19日日曜日

LEON(実写映画)

LEON 総合:☆☆☆☆☆

「ヤマノススメ」の「あおい」のお母さん役・久川綾さんの密かなファンである理由の一つに、LEONのマチルダ役の吹き替えをされていた事があります。というわけで、無理やりですが、今回はLEONの感想です。繰り返し観た数からいうと攻殻機動隊、イノセンスに匹敵するんじゃないかな。

LEONはリュック・ベッソン監督の劇場用実写映画です。劇場公開では試写会で酷評された部分がカットされており、それを劇場版と言っています。そして、カットされた部分を復活させてDVDなどで発表したものを完全版としていて、結果、LEONには2種類のバージョンが存在しています。
吹き替えだと、地上波放送版も含めて4種類あるようなのですが、自分の持っているバージョンは3つ。DVD劇場版(吹き替えステレオ)。DVD完全版(吹き替えステレオ・旧録)。BD完全版(吹き替えDTS HDmaster audio5.0h・新録)。
終始、過激な暴力全開だし、お色気もあるので、良い子は絶対に観てはいけません。

・ストーリー
掃除人と呼ばれる殺し屋が、一人の少女を助けたことで、人間性を取り戻すお話です。
「劇場版」と「完全版」では二人の関係性が異なっています。簡単にいうと、「劇場版」では父子関係、「完全版」では恋愛関係。大きな違いです。劇場版を観ていた自分は、完全版を初めて観た時、これじゃロリコン映画じゃないか、と感じたものです。BDでは完全版しかなかったので、しばらくの間、買うのを躊躇していたくらいです。
でも、しっかり観てみると、ロリータコンプレックス、とはとても言えないような、ピュアなストーリーなんじゃないかと見直してきました。今では、完全版派と言っても良いでしょう。

・演出
演技、音楽、舞台、脚本。総合芸術として、ケチのつけようがないです。
冒頭からのレオンの俺最強、神出鬼没のすご腕ぶりの表現。
のっけから全開、スタンフィールドの常人にはありえない振る舞い、傍若無人の狂人ぶり。
レオンが、マチルダのためにドアを開けるシーンで、神からの祝福のように彼女の顔を照らす光。
銃を扱う職業を経験した人なら必ず知ってると思うのですが、平時に銃を扱う時には絶対に銃口を人に向けるな、の世界共通ルールを無視させることでさらに煽る、スタンフィールドの狂気。
お気に入りを挙げるとキリがありません。

・音楽
エリック・サラ。舞台装置としても秀逸ですし、楽曲としても聞きごたえがあります。サントラ買っていいのではないですかね。ちなみにサントラにはビョークの挿入歌やスティングのエンディング曲は入っていません。

・演技
■レオン(ジャン・レノ◎)
 てか、この人、どの映画でも素だよね。でも、特にこの役がジャン・レノには合っていると思うんです。
■マチルダ(ナタリー・ポートマン◎)
映画デビュー作。13歳。ほとんどアップのシーンでの演技だけど、いわゆる天才子役、ですね。喜怒哀楽の瞬間での切り替えが達者です。二十歳過ぎるとただの人になる場合も多々あると思うのですが、大人になっても大活躍しているのはさすがです。他にパッと思いつくのはジョディ・フォスターですかね。ジョディ・フォスターのタクシードライバー出演も13歳。
■スタンフィールド(ゲイリー・オールドマン◎◎◎)
この映画のこの人の演技を観ずして、他の映画の悪役の演技を語るな、というくらいすごい。
ただ、マルキー含めて、その他の麻薬捜査官の演技というか演出も後押ししているのは見過ごせず、リュック・ベッソン監督の才能が主役3人の演技を引き立てていると思います。

・吹き替え
上手、下手、というより、キャラにあってるかどうかと、吹き替え台本の影響が大きいです。
■レオン 
劇場版:大塚明夫さん◎  完全版旧録:大塚明夫さん○  完全版新録:大塚明夫さん:○
■マチルダ
劇場版:久川綾さん◎  完全版旧録:久川綾さん○  完全版新録:宇山玲加さん:○
最初は久川綾さんのイメージが強かったので、宇山玲加さんに違和感があったのですが、最近は馴染んできました。今の声優さんの技術力向上は、やはりすごいものです。
■スタンフィールド
劇場版:田中正彦さん◎  完全版旧録:佐古正人さん○  完全版新録:山寺宏一さん:○
■その他の声優さんの声のマッチ度と表情の合わせ方、
 吹き替えの翻訳など、全体として、
劇場版:◎  完全版旧録:△  完全版新録:○

ストーリーは完全版の方が好きなのですが、吹き替えの演技は劇場版が気に入っているので、吹き替えで観たい時には、どうしても劇場版を選んでしまいます。画質とかも含めると、BD1枚で十分かもしれませんね。

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