2018年8月4日土曜日

(メモ)勇者であるシリーズ 精霊についてのレポート

結城友奈は勇者である 鷲尾須美の章 第5話で
安芸先生が車中で読んでいたレポートが以下です。
=======================

勇者の損失を防ぐための新たな力と精霊について、
     旧世紀との比較を交えて

概要1

貴重な人材である勇者の損失を防ぐべく
勇者システムのアップデートが決定した。
旧世紀時代に封印していた精霊を使役可能とする。

神樹様には地上のあらゆるものが概念的記録として
蓄積されている。その記録にアクセスし、抽出し、
力を自らの体に顕現させる−−これが旧世紀の終末戦争に
おいて活躍した精霊の概要である。使用されたものは
対象者の速度を大幅にあげる「一目連」
対象者に氷雪系の攻撃を可能とさせる「雪女郎」
巨大な輪を攻撃の他、移動にも使える「輪入道」
対象者が七人に分身し七人同時に倒さねば死なない「七人ミサキ」
様々な剣技と身軽な動きが可能となる「義経」
凄まじいまでの攻撃力をその身に宿す「酒呑童子」
巨大な翼を有し一面を破壊する「大天狗」となっている。

精霊は勇者たちに多大な力をもたらし、人類に貢献した。
だが精霊は生来、人知を超える力だということを
忘れてはならない。次項では西暦時代の勇者である
伊予島杏様が遺した研究結果を基に解説を行っていく。


概要2

今回使役される精霊は二体である。
乃木家は先祖からの適正上、烏天狗が選ばれている。
(不自然な空行。もう一体の精霊について書かれていないのは
 その対象者の名前を明らかにしたくないためと思われる。)

これらは悪鬼怨霊の側面を持っている。精霊を呼び出し、
人の身に人外の存在を宿すことは降霊術に近い。
降霊、憑依という現象は、人類文化の中ではるか昔から存在する。
シャーマニズム、イタコ、ユタ、審神者。彼らは人ならざるものを
自身の体に降ろす。犬神憑き、狐憑きといった現象もある。
だが、どれも危険が伴う。犬神憑きや狐憑きに至っては、
呪いのようなもの。人と人ならざるものの境界は、時として曖昧になる。
切り札は、その境界の先に半身を浸すようなものなのだ。

このように、精霊を体の中に入れる行為を続けてしまうと体内に
ケガレが溜まり、精神に悪影響を及ぼすという欠点が見られた。
不安感、不信感、攻撃性の増加、自制心の低下、マイナス思考や
破滅的な思考への傾倒……等々は精神が不安定になって、
危険な行動を取りやすくなるのだ。
故に今回の精霊は、体の中に入れない。


概要3

精霊は外で具現化させる方法をとり、使役していくものとする。
精霊はその力によって敵からの攻撃を遮断することが出来、
資格者の少ない勇者の損失を防ぐ極めて有効な手段とされる。
万が一にも新たな勇者を探さなければいけない時には
激しい鍛錬をしなくても実戦をこなせる利点がある。
ただし今回のシステムは神樹様の多大な力を消費するので、
勇者の数は五人ないしは六人までが限界とされる。

防御力だけでなく、敵を倒す攻撃力も底上げされており、
勇者の切り札、満開であらゆる難局が突破可能となっている。
これは勇者がその力を振るっていると溜め込まれていく力を
一気に解放する大技で、全能力が一定時間飛躍的に上昇する。
ただ大いなる力の代償として、勇者たちには多大な代償が伴う。
その説明は次項で行うとする。
(次頁以降は公開されず。ゆゆゆで明らかにされた通り。)

=========================以上==
※ 括弧内は転記者推測。
※ 厳しい鍛錬を経てバーテックスとの実戦を経験した勇者は
 わかる限り四人(乃木園子、鷲尾須美、三ノ輪銀、三好夏凛)。
 西暦勇者組の
 乃木若葉、土居珠子、伊予島杏、高嶋友奈、郡千景、
 白鳥歌野、秋原雪花、古波蔵棗、
 神世紀300年組の
 犬吠埼樹、結城友奈、そして多分、犬吠埼風も
 勇者としての訓練を受けず、バーテックスと戦うことになった。
 むしろ、三ノ輪銀の後継として三好夏凛と勇者訓練を受けていた
 楠芽吹、弥勒夕海子や、讃州中学勇者部が勇者に選ばれた後、
 「防人」として召集された少女たちこそ、より訓練されている。
 完成型勇者の三好夏凛には申し訳ないが、戦闘能力の高さ以上に
 神樹と高いレベルで共鳴できる(勇者適正値が高い)事の方が、
 精霊の力を引き出すことにもつながっており、
 最終的に勇者としての能力を決定付けていることがわかる。




0 件のコメント: