2018年8月3日金曜日

劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女

魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女 総合:☆☆☆

現在進行形のライトノベルのスピンオフ作品。原作は既刊既読。自分は作品自体の大ファンではあります。

・ストーリー
非人道的に軍事利用されている遺伝子操作により生み出された14歳の調整体魔法師たちを、おなじみ国立魔法科大学付属第一高校の面々が救出に向かう物語。
まあ、実際には最強のイリーガルである司波達也がほとんど解決していて、他はお手伝い役です。このシリーズ、魅力的な登場人物が多いので、ちょっとした役で無理に出番を与えるようなストーリー仕立てにどうしても感じてしまい、顔見世興行的に見えるのが難点です。テレビシリーズのウルトラヒーローたちが映画では全員出てきてしまうような。

・演出
これだけ登場人物を多くしてしまうと、達也と深雪の関係はもとより、達也を取り巻く人たちとの関係や、それぞれの個性を見せるための演出に時間が割かれてしまい、ストーリのテンポが悪くなってると思うんですよね。
また、「魔法科高校の劣等生」は、魔法に関する設定がかなり緻密で、悪く言えば理屈ぽい作品ですから、これを映像だけで観客に理解させるには、相当な工夫が必要なはずです。映画では尺が短すぎます。詰め込みすぎです。
さらに、コスチューム含めて、ちょっとしたセリフなど、ギャグなんだかシリアスなんだか中途半端な演出も、本来の作品が持っている魅力をスポイルしてしまっています。

・作画
ちょっと凝ったTVアニメ並みだなと感じました。

・音楽
印象に残る楽曲もあり、良かったなと思います。

・演技
演技力を見せる間も無く終わる感じです。

特異な能力を持つゆえに、色々な意味で世間から特別扱いされてしまう存在。人類を滅ぼす力を手にしていてなお、差別される側全体が、人として生きられることを目標にしてあがき続ける主人公。この「魔法科高校の劣等生」の主要テーマに、きちんと則っている映画ではあります。なので、なんだか惜しい。

0 件のコメント: