2018年8月25日土曜日

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 総合:☆☆☆☆☆

悩んだけど、☆5で。
「いつだって、
 神に選ばれるのは無垢な少女たちである。」
この手の設定に弱いのは否めません^^;
とはいえ、勇者シリーズよりずっと前に公開されたアニメ。
2010年1月スタート。12話。A1-Pictures制作。

・ストーリー
以前就いていた職業柄、軍隊モノに対して、過度にリアリティを要求する自分としては、ソラヲトの導入は最低でした。出頭命令の時刻に遅刻するなんて、ありえないでしょう^^;
しかし、訳ありの5人の乙女が、守っているのか守っていないのかよくわからない、辺境の最前線の砦で、自分の過去に悩みながらも、これと対峙し未来に歩んでいく姿を観ているうちに、振り返ると自分も相当勝手していたことを思い出し、いつの間にかこの雰囲気に馴染んでしまい、すっかり彼女たちの世界に引き込まれていました。

・演出
多脚自立歩行戦車のネーミング「タケミカヅチ(この前行ってきた鹿島神宮の御祭神)」、崇めている神が八百万の神、灯籠流しが伝統行事として行われている、など、和の国の文化を持つ架空の国を舞台設定としています。お盆とか盆踊りとか聞くと、今時の東京人(自分)には何か縁遠く感じるものなのですが、異国情緒の中で、和の文化を見せられると、とても懐かしく感じます。演出の妙かと思われます。
彼女たちが守る土地に伝わる「炎の乙女伝説」、水中に眠る化石、これらの謎の回収の仕方、彼女たち自身の謎とその解き明かし方、シンプルでいて、とても印象的です。
時間的に並列に発生した事象を直列にして見せる演出、背景の説明を一旦飛ばして物語を進める演出も巧みです。

・作画
好感の持てるキャラクターデザイン。テレビアニメとしては十分すぎるアニメーション。ウィンチを巻き上げている時に塀とウィンチに挟まれたミラクル・クラウスの手が非常に気になりましたが、それ以外は若干劣化(映画とテレビですから仕方ないです)したジブリ作品を観ている感じです。戦車の動きは今でも十分通用するアニメーション。カット割、構図なども奇をてらい過ぎていなくて、とても自然です。リアリティがありながらもアニメならではの作品ではないでしょうか。

・音楽
ラッパ吹きの物語ですから、音楽は世界共通、との思いがよく伝わってくる選曲です。サントラは使い回し過ぎててシーンにちょっと合わないなと思うところもありましたが、ほとんどの場面では映像を綺麗に観せてくれています。

・演技
金元寿子さん、小林ゆうさん、喜多村英梨さん、悠木碧さん、遠藤綾さん、が5人の乙女の魅力を遺憾なく表現されています。強いて挙げれば、主役よりベラベラ喋る真面目な兵隊キャラのキタエリさんと、トラウマに圧し潰される演技が見事だった悠木碧さんが印象的でした。

無反動砲ではなくて、ラッパの訓練を選べば良かったなと、つくづく思うのでした。

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