2018年6月19日火曜日

桜花忍法帖 バジリスク新章

桜花忍法帖 バジリスク新章 総合:☆☆☆

決して面白くないわけではないです。ただ、何回も見たいか、と問われると、一度で十分、と答えると思います。逆に、それだけインパクトのあるシナリオであるとも言えます。
あまり他にはない時代劇アニメ。原作は山田正紀の小説。未読です。山田風太郎の小説「甲賀忍法帖」の10年後を描いた作品で、「甲賀忍法帖」も漫画、アニメになっています。かなりよく特徴を捉えているとは思いますが「甲賀忍法帖」と原作者が違うので、テイストはやはり変わっています。設定が少し無理目なのと最後のどうしてそうできるのかの不思議を自分の中では解決できないこともあり、普通に面白い☆☆☆としました。

・ストーリー
「甲賀忍法帖」で、江戸幕府の命令で甲賀伊賀に別れて強制的に戦わされた10年後、甲賀伊賀の頭領の血を引く二人の新しい頭領と彼らを支える忍者たちが、倒幕を目指す新たな忍者軍団から江戸幕府を守ろうとするお話。「甲賀忍法帖」のエンディングを考えると血を引けたのはなぜ?江戸幕府に恨みを持っているはずなのにそれを守ろうとするのはなぜ?仕える忍者たちがそこまで頭領のために頑張れるのはなぜ?と疑問は尽きないのですが、それをスッキリさせてくれる解答は得られません。「甲賀忍法帖」ではより一層鮮明だったロミオとジュリエットタイプの恋物語も「桜花忍法帖」では希薄になっています。ひょっとすると原作の小説ではその辺がクリアされていて面白いのかもしれませんね。

・演出
ストーリーは納得できないことだらけなのですが、24話最後までそこそこ楽しんで観られたのは、少年漫画的な演出に徹しているためと思います。「キャプテン翼」や「ドカベン」に対して、本当のサッカー、野球ではない、と言っても仕方ないのと一緒かと。

・作画
ところどころ気になる点はありましたが、円盤買う上での障害になるようなことはないのではないでしょうか。男性キャラの描きわけがうまいですね。

・音楽
時代劇っぽくて良いんじゃないでしょうか。エンディングは演歌調の曲。水樹奈々さんが、持ち前の美声を聴かせて締めています。

・演技
ヒロインの水瀬いのりさんと、どうしても耳がいっちゃう早見沙織さん。ただ、全体的に声優さん皆さんがきっちり仕事しているな、さすが2クール物、力入っているな、と思いました。特に土師孝也さん、味がありましたね。

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