2018年6月27日水曜日

刀使ノ巫女

刀使ノ巫女    総合:☆☆☆☆

オリジナルアニメ。2クールです。

・ストーリー
人を祟り災厄をもたらす、日本の神々の一面である荒魂。日本人は古来より神を鎮め、祓ってきましたが、このアニメでは御刀を使って鎮め祓う設定とし、御刀の神性を引き出し使うことができる少女たちを、刀使ノ巫女と呼んでいます。そして、この刀使ノ巫女と荒魂と化した宗像三女神との戦いを描いたのが本作品です。
前半では、「ある理由」から荒魂の力を使って統治を行う刀剣管理局と、刀剣管理局は荒魂に乗っ取られておりこの統治から人間を解放しようとする勢力との争いが語られ、6人のヒロインたちは後者として、刀剣管理局や荒魂と戦っていきます。
後半では、「ある理由」が明らかにされた後、その本来の目的を達成するため、6人のヒロインが中心となって、荒魂を鎮め祓うために行動していきます。
また、刀使ノ巫女の中でも鎮める力が強い柊家の血を引く十条姫和と当世随一の剣豪といえる衛藤可奈美の友情の形が全編通したテーマになっています。彼女らの母親も同じ刀使で、同じような立場で20年前に荒魂と戦った後輩先輩の友人であり、時代を超えた二代に渡る友情の物語でもあります。
サイドストーリ的な部分では、天然理心流の使い手の燕結芽ストーリーが新選組の沖田総司をなぞっている感じで、自分としてはいいな、と感じました。
後半から登場する刀使ノ巫女・内里歩が、もう少し本編に影響を与えるのかと思っていましたが、それほどでもなかったのは。。。

・演出・作画
祓具を御刀とすることで、刀使ノ巫女を剣術の使い手に仕立て上げたのは上手い演出かと。自分は門外漢なので、正確にはわからないのですが、色々な流派が登場し、剣術監修もついていることから、その立ち回りはある程度実際に即しているのだろうと思います。この立ち回りの大部分を3Dライブアニメの手法で演出しているのが特徴でしょうか。ライバルヒロイン側である燕結芽が、長船コンビを倒して、ヨロヨロ先に進んで歩くところが一番よかったかな^^
キャラが安定していないのはすごく残念です。後半になって立て直しましたが、中盤はあまり良くなかったかと。動画は3Dライブアニメ部分も含めて、迫力のある場面が多かったので、テレビアニメとしては結構良かったと思うのですが、惜しいなあ。

「これがわたしの真の一ノ太刀だっ」左・十条姫和(cv大西沙織さん)
「みごとだ」右・折神紫(cv瀬戸麻沙美さん)
「このまま私と共に隔離世の彼方へ!!」姫和
画も綺麗だったし、音楽「今この身が果てようとも」も良かったし、前半クライマックス12話の秀逸なシーンでしたね。



・音楽
サントラも場面を盛り上げてくれるし、OP・EDも良かったと思います。

・演技
リチャード・フリードマンがちょっと浮いてたけど、錚々たるメンバーがこの作品を支えています。一人一人あげているときりがないので、もう、あくまで個人的嗜好で。
6人のヒロインの中でツートップの本渡楓さんと大西沙織さんの迫力はすごかったと思います。
4人のライバルヒロイン(親衛隊)も皆さん良かったのですが、内山夕実さんが、他のアニメでの役とはちょっと変えた声質で男前な役柄をやられたのが印象に残りました。
宗像三女神には日高里菜さん、ほむほむの斎藤千和さん、キタエリさん。やっぱみなさん良かったのですが、日高里菜さんの「ゆーかーりー!!!!」が迫力満点でした。

ちなみに、荒魂の反対の側面、人に恵みを与える神の霊魂をニギミタマ(和魂)と言います。三波春夫の「お客様は神様です」はキリスト教の唯一絶対神のことを言っているのではなく、この2つの側面を持つ日本古来の八百万の神を指していると、思っています。読者の方々が客側になった時、荒魂になられんことを(^^)

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