2018年6月26日火曜日

東京喰種 Re: vs デビルズライン

東京喰種 Re:     総合:☆☆☆(暫定)
デビルズライン 総合:☆☆☆

現在進行形の漫画が原作です。「東京喰種 Re:」は既刊完読。「デビルズライン」は3巻まで既読。「東京喰種 Re:」は前作があること、2クール目の制作が決まっていることから、一つのアニメとして評価しづらいため、暫定の☆にしました。両作品ともに共通して、大人の世界のお話で、人に仇なす存在と、仇なす存在でありながら人側に立つ主人公の葛藤を描いています。

・ストーリー
「東京喰種 Re:」
人を食べることでしか生存できない普段は人の形をした化け物(グール)。人からグールに変えられてしまった青年。青年は人とグールの両方の特徴を持つため、希望とされる一方、その強大な力から、人との抗争を経たのちに、グールである人格を封印し(され)人側でグール討伐に加担する(グール捜査官になる)。「東京喰種 Re:」1期では、主人公が、グール捜査官になって、グールの血を取り入れた特殊部隊を率いるようになってから、しばらく経ったところから、この物語は始まる。グールとして最強の一人である自分を封印し、存在に悩み、中途半端な強さしか表に出さない結果、やはり、周りにしわ寄せを与えていくストーリー。自分的にはかなりストレスフル。フルメタル・パニックの原作者:加東招二氏が自身の作品でも似たような展開を指摘されたことがあり、その時の反論がこちら。「最近の世の中では、こういう話の展開を「鬱展開」などと呼び習わすこともあるようですが、私はこの言葉、あまり好きではありません。(自分の作品は)シリアスなだけで、別に鬱なわけじゃないし。だいたいみんな諦めてないし。(鬱展開の)物語の主人公が殻に閉じこもって何も行動せず、うじうじと悩んでいる展開が「深い話」みたいに言われるようなってしまってから、もうどれくらい立つのでしょうか。」
鬱展開(自分が最も感じたのはBLOOD+)をネガティヴに語った加東氏に共感する自分としては「東京喰種 Re:」に軽い鬱展開を感じるので、あまり楽しく観れないんですよね。
「デビルズライン」
吸血鬼を鬼と呼びその人間離れした身体能力に対抗するため、人側も鬼を使って、鬼を退治する。その鬼退治の鬼と人が恋をする永遠のテーマ「異種族間恋愛」物語。こちらの主人公も重い葛藤に苦しんでいるのですが、鬱展開とは逆に、自重を命令されている中、最強でもないのに、あれやこれやと首を突っ込みまくって暴走するので、むしろ破滅思考?躁展開と呼べるような単細胞型の思考にちょっとついていけなくなりました。好きだ好きだ言いながら、ここで出てったら永遠の別れになるかも、とわかっているのに、彼女より、なぜか禁止行動を破ることを選ぶんですよね。そこまで正義の人ではないと思うんだけど。ちなみにこの主人公も「東京喰種 Re:」の主人公同様ハーフ。

・演出
グロくてかっこいい。とは言えましょう。
「東京喰種 Re:」
の方は1段2段上にあるかな。状況がマルチに展開しているので、何が起こっているのか把握するのが大変な同作の中でも、この期の「東京喰種 Re:」は割とわかりやすい方だったのではないでしょうか。それでも、前作を知らなければピンとこない人も多いだろうし、このアニメ単体で楽しむのは努力が必要かもしれません。
「デビルズライン」
スローモーションなど、間の取り方は良かったです。

・作画
「東京喰種 Re:」の方がだいぶ上ですね。
「デビルズライン」その上、なんかホラー系の絵柄なのがちょっとな。

・音楽
サントラは普通。OP・EDは「東京喰種 Re:」の方はちょっとおしゃれ感を出しすぎで少し鼻につく感じはします。「デビルズライン」の方はまあまあ普通に良いです。

・演技
「東京喰種 Re:」
しっかりとしたキャスティングで、突っ込みどころはあまりないですね。登場人物も多いし、なかなかこの人が特にすごい、とかはなく、全体的にレベルが高い感じです。
「デビルズライン」
まあ、ヴァイオレット・エヴァーガーデンの石川由依さんですかね。心のない人形のような役回りだったヴァイオレットの演技が印象として残っているので、ここでは、やたら普通に感じてしまいますが、健気さを可愛く感じさせてくれる演技が、両方共通にあって、こういう属性のあるキャラが、この人にはあっている役柄なのかな、と思いました。


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