2015年7月スタート。13話。
P.A.WORKS制作のオリジナルアニメ。
ゲームソフト会社ビジュアルアーツのゲームブランドKeyにとって、製作に加わった「Angel Beats!」以来、2作目のアニメ作品となります。
・ストーリー
思春期の間に限って超能力を発揮する少年少女が活躍するファンタジーアニメ。
彼らは凄まじい超能力と引き換えに残念な部分も必ず持っている。ただ、その超能力の存在を世間に知られてしまうと、拘束され、科学者のモルモットにされてしまう世界だった。被験体にされてしまうと、その後の一生を廃人のように暮らさねければならなくなる世の中から、少年少女を守るため、星ノ海学園生徒会は活動している。その方法は、世間より早く超能力者を見つけ出し、能力を使わないように説得するか、確実なセキュリティを持つ全寮制の星ノ海学園に匿うことだった。
乙坂有宇は5秒間だけ他人に憑依することができる能力を持っていた。彼はその能力を使って成績優秀者に乗り移り、カンニングすることで、秀才の地位を保ったり、街の喧嘩に利用していたのだが、それを星ノ海学園の生徒会会長・友利奈緒に咎められ、星ノ海学園に妹とともに転校することになった。そして、友利奈緒の生徒会に入り、元から生徒会に居た、まっすぐにしか飛べない上に止まれない高速移動能力者・高城丈士朗、のちに加わる自分に主導権がない憑依能力者・西森柚咲らと、能力者を救出していく物語。
ただ実は、乙坂有宇には、本人も知らない非常に強力な能力が備わっていた。この事が、彼の運命に大きな影響を与える事になっていく。
・演出
「Angel Beats!」に引き続き、麻枝准さんの原作・脚本・劇伴。よく練り込まれた設定と、意表をつくストーリーに、自然な台詞回し。シリアスな物語ながら、ギャグ要素を巧みに織り込み、ギャグさえもメインストーリーの伏線の一つとして回収する技は、極めて秀逸です。観ていて大変つらくなる展開もあるのですが、収束のさせ方が上手なので、後を引きすぎません。
あえて難癖つけるとすれば、展開がまどマギみたいとか、設定が転スラみたいだとか、何かのアニメの集結・集大成に思えないこともない、ところでしょうか。どうしたって全てを完全に新しいアイデアのみで創作活動する事は、なかなか困難です。誰かの発見の上積みを知識として蓄えて成り立っているのが、今の自分であることを考えると、出来上がった一本のアニメとして、このクオリティとオリジナリティなら、似てないこともない程度のことには目を瞑って良いのではないかと思います。そして、それらの意識を忘れて、劇中に引き込ませる力がこのアニメにはある、と感じました。
・作画
P.A.WORKSの安定した作画によって、普通のテレビアニメとは一線を画すクオリティです。作画が円盤購入を妨げる理由にはならないでしょう。
・音楽
劇伴です。主張しすぎず、効果的で良いです。OP/EDはOPの方が好みでした。
・演技
内山昂輝さんの暗さはナイスキャスティングでしたが、生徒会長役・佐倉綾音さんの、心情変化による態度の切り替えを、声によって見事に表現されているのが特に印象的でした。その他の方も名うての名優さんがたなので安心して見る事ができます。難点を挙げるとすれば、歌姫サラがダブルボディなところでしょうか。とはいえ、英語の歌を自然にその国の言葉で発音して歌ってもらう為には致し方のない事でしょう。とキャロチューよりその声の質の変化に違和感がなかったので、とりあえず、自分はこのアニメでは納得しています。
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