MIX 総合:☆☆☆☆
あだち充さんが連載中の漫画原作。原作は未読です。
柳の下のドジョウのようなイメージがあったからですが、モヤモヤとした感じは残るものの、まあこれなら原作を読んでみてもいいかなと、少しだけ気持ちを前進させてくれたアニメです。気分的には☆3ですが、気分を除いて☆4で。
2019年4月スタート。全24話。30分枠アニメ。
・ストーリー
30年前に甲子園に野球部が初出場、そして初優勝を果たした明青学園。その後は全く泣かず飛ばずだった。
家が近い、との理由だけで明青学園中等部に通っていた血の繋がらない立花投馬と立花走一郎は、中等部の野球部に所属していたが、親の力で絶対エースに君臨していた先輩がいたため、中学3年生の時には投手であった投馬の怪我のため、ほとんど無名のまま中学時代を過ごした。しかし、投手としての投馬の才能と、捕手・打者としての走一郎の潜在能力の高さは、兄弟を目の当たりにした高校野球関係者たちには知られる存在となっていた。
晴れて明青学園高等部に進学した立花兄弟は、1年生ながらレギュラーを獲得、練習試合などで持っていた力の片鱗を見せ始め、夏の東東京地区大会に挑むのだった。
漫画「タッチ」で上杉達也が率いた明青学園。この設定を引き継いだ以上、この壮大な伏線がどのように回収されるのかを注目していたのですが、今の所、原田正平らしき人物が最後の方でちらっと現れた程度で、ほとんどその気配がないのがモヤモヤの最大の原因です。西村?西村の登場が伏線回収開始のゴング?なら、いっそ勢南高校をメインにしてくださいよw。
あだち充さんは「タッチ」以前にも多数の野球漫画を出しており、あだち充オリジナルだけでも「ナイン」「陽だまり良好」と、全く異なった設定での連載をされていました。さらに、「タッチ」以降にも長く連載が続いた「H2」「クロスゲーム」など、別設定の野球漫画を描いています。にも関わらず、ここへきて「MIX」の登場。痛くもないかもしれない腹を探りたくなります。
正直、この展開なら、明青学園の名前を使わず、30年前に1度きりの甲子園出場&優勝を果たしたことのある高校を設定にしていても、全然お話が破綻しません。なんで明青学園なの?と思いたくなります。ガンダムSEEDがなんでガンダムなの?と言いたくなるのより、タチが悪いです。
「タッチ」では浅倉南を中心としたハーレム漫画。野球漫画ではありませんが、「みゆき」では、兄妹と兄の彼女と妹を想う人での4角関係。ちなみに「クロスゲーム」でも男二人と女二人の4角関係。あだち充さんは、多角関係を『肝心なところで主語を省く台詞回し』と、主語がないことで何を言っているのかちょっと考えさせる時間をくれる一コマが、最大の持ち味。「MIX」もその作風で単なる野球漫画ではないモノにしているのですが、兄妹ではあるけれど血が繋がっていない事で一気に恋愛対象となりえる危うげな図式は「みゆき」で語っちゃってるわけで、「タッチ」だけでなく「みゆき」のヒットにも便乗しているところも都合の良い設定の使い回しに感じるため、モヤモヤは重なって更に深まるわけです。番宣やオープニングで、「あの明青学園の栄光から」とか声高に叫んじゃうから、より反発しちゃいますw
ただ、この24話では、多角関係の雷雲は、まだ遠い空に見える程度です。
逆に考えると、この辺の経緯を知らなければ、純粋に楽しめる漫画になります。ストーリーや展開の秀逸さはお墨付きです。なので、今の中高生にはすんなりと受け入れやすい漫画・アニメになるかもしれません。
・演出
原作の持ち味をうまくアニメ化していると思います。あだち充作品をここまでアニメで表現できるのは素晴らしいです。
・作画
原作に忠実に、そして安定しています。野球の動作もとても自然で、一枚絵の多用もなく、優れています。アニメにしてくれた甲斐があったってもんです。
・音楽
途中で変更されたOP/EDもサントラも良かったと思います。
・演技
全く不満はないです。流石にみなさんうまいですねー。面白いアニメにしてくれているので、まあ、いつものパターンだなあとはいえ、しばらく読んでなかったあだち充さんの新作だし手を出してみようかな、と思わせてくれました。読みながらきっと、梶裕貴さん、内田真礼さん、内田雄馬さん、花澤香菜さんの声で語りかけてくれる事でしょう。
ヒット作に便乗したような商法に、どうしても拒否権発動したくなるのが「僕の悪い癖」by 杉下右京(言ってるそばから便乗かよ>僕)、ですね。相棒 season18 2019年10月9日からテレビ朝日系列でスタート。
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