連載中の4コマ漫画が原作。原作は未読です。
2019年7月スタート。全12話。30分枠アニメ。
・ストーリー
吉田優子は女子高生。とても貧しい家庭でしたが、いつも明るく振舞う普通の15歳の女の子です。
ある晩、不思議な夢を見ました。ツノの生えた女性から「優子よ。目覚めなさい。汝は闇の血を引くもの。この街に居る魔法少女を倒し、一族の復興を遂げるのです。」。
朝起きると頭が重い。鏡を見ると、自分の頭に「ごりっぱさま」なツノが二本、そして長いしっぽまで生えていたのです。びっくりして母に見せるのですが、「ついにこの日が来ましたか」とむしろ冷静に、吉田家の秘密、貧しいことも家庭にかけられている呪いの一部でありその呪いの全貌、そして、光の一族と闇の一族の抗争について説明されたのでした。
先祖返りした優子には使命が与えられ、まずは光の一族である同じ街に住む魔法少女を探し出し、これをブチ転がして呪いを解かなければなりません。難航すると思われた魔法少女の捜索も、あっさりと見つかり、隣のクラスの千代田桃と判明しました。はたして優子は、光の一族を倒し、封印された闇の一族を解放できるのか。
これは、姿が変貌した吉田優子をすごい適応力で支える街の人たちと、敵であるはずの千代田桃にも助けられながら、家庭の事情で一夜にして闇の力に目覚めた少女が、魔法少女を倒す定めに果敢に立ち向かう感じの、なにかそういった話です。
なにはともあれ、この設定からはシリアスな対決アニメになるのが普通だと思うのですが、それをふんわり雰囲気、キレの良いギャグアニメ化している意外性が新鮮。そして、笑いの中に周りの人たちとの温かい絆を感じることができるストーリーです。
・演出
設定は結構シリアスなようなのですが、吉田優子と千代田桃が住む架空の街・せいいき桜ヶ丘ではなぜか、ふんわりとした関係が続きます。この雰囲気がなんなのかをきっちり説明しての終わり方が、連載中の4コマ漫画を原作としている割に、上手だなと思いました。
また、テンポがいいです。テキパキとしたテンポです。サクサク進む掛け合いがギャグを支えますし、見ていて気持ちよく笑えます。面白そうなので原作も読みたくなりましたが、アニメならではの演出で、アニメだけ見るでも十分ではあります。うまくアニメ化されている、と感じました。
いつも、その隙に攻撃しろよ怪物め、と思えてならない変身シーン。かかっている時間がストップウオッチ形式で表示され、実際はコンマ00?秒で終わっている超ハイスピードカメラ映像であったんだと気づかされる演出が特にお気に入りです。
・作画
可愛い絵柄で安定しています。変身シーンなどのアクションも綺麗に動きますし、円盤買って後悔しないレベルです。
・音楽
OP/EDも劇伴も良かったです。公式ツイッターで、最終回前に、ハッピーエンディングにするかバッドエンディングにするか、投票のようなものが行われましたが、OPを見てれば容易に想像つきましたよね。全篇にわたる雰囲気を、吉田優子と千代田桃のペアがしっかり歌ってくれていて、いい感じでした。
・演技
吉田優子役・小原好美さんが可愛いけど魔族としてはちょっと情けない役所を好演していました。
自分的には何と言っても千代田桃役・鬼頭明里さんでしょう。この単調な演技はあまり感情を顔に表さないキャラクターである千代田桃にバッチリ合っていましたし、鬼頭明里さんにしては珍しいタイプの演技で新たな魅力発見でした。とっさの対応で時折見せる鬼頭明里さんなトーンも、通常とのギャップと相まって良かったです。
そのほかには優子のお母さん役に大原さやかさん、大人の女性はやっぱりうまい。
ご先祖の高橋未奈美さんの、強いのか弱いのかわからない、ゲスなのか善人なのかわからない演技が闇の一族を象徴しているようでした。
妹の大和田仁美さんの幼い軍師役が真面目すぎてかえって笑える演技でしたし、
残念な魔法少女のみかん役・高柳知葉さん、友人の千本木彩花さんの優子たちへのフォロー、そして、大原さやかさん共々密かにファンの諏訪彩花さんが黒魔術師としてさりげなく登場してくれたのも嬉しかったです
学校の先生まで、吉田優子の闇の名前・シャドウミストレス優子で呼ぶなんて、せいいき桜ヶ丘、なんて懐の広い街なんだ。
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