2019年5月3日金曜日

Angel Beats!

Angel Beats! 総合:☆☆☆☆☆

P.A.WORKS制作オリジナルアニメ。
原作・脚本は麻枝准さん。ゲームの世界では、どんだけ派生しているんだのFate/staynight・奈須きのこさんと共に泣きゲーの双璧だそうで、観終わって、なるほど、自分の最も好きなセイバールートの余韻に似てるな、と思いました。
2010年4月スタート。全13話。
監督は岸誠二さん。

・ストーリー
記憶をなくした音無が目覚めた世界。そこは死後の世界だった。そして、現世と隠り世の狭間に位置づけられたその世界・学園には、隠り世に辿り着くのを抗う者たちがいた。青春時代に辛い思いを残した彼らたちは、その理不尽な運命に、素直に神仏の存在を認められず、死んでたまるかと、隠り世へ消えゆくことに抵抗しているのだった。現世では無差別に無作為に死は訪れていた。だが、この世界では天使に逆らうことで、存在し続けられた。彼らはそんな世界に居続けるために、「死んだ世界戦線」を組織し、天使との抗争に明け暮れていたのだ。しかし、音無がこの世界に紛れ込んだことで、天使とは、そしてこの世界の本当の意味が、彼の記憶と共に明らかになっていくのだった。

・演出
伏線の回収もしっかりしてるし、構成もよく考えて作られているので、最初から最後まで引き込まれます。
シリアスなエピソードに小気味好いギャグが挟み込まれていて、このバランスもとても良いです。
登場人物一人一人の思い残しを解き反故していく人情系の展開もあったでしょうが、それでは話が発散しそうです。いくつかの解決に留めたことで、本来のテーマが引き立ったように思います。
ヒロインの思い残しについて、最後の方まで明らかにしないのは、ちょっとハラハラしますが、観終わった時に、なるほど、と思うでしょう。
ただ一点、天使についてだけは、どう見返してみても、ええ?違ったの?という途中までの見せ方だったので、最後の方の戦線の説明は、どうにも納得しづらかったです。確かに最初のセリフで当人はそう言ってはいたけれど、世界戦線の人たちは、概念として音無に天使の話をしていたというより、はっきり名指ししていたように見える演出でだったので、ちょっと手のひら返しすぎだなあ、と感じてしまいました。

・作画
P.A.WORKSにしては作画は粗い方だと思います。ですが、ストーリー性が高いので、あまり気にならないです。所作も細かく意識してアニメ化されているので、印象は悪くないです。ただ、☆を5にするかどうかは少々悩みどころでした。

・音楽
サントラは挿入歌を含めシーンをしっかり盛り上げています。脚本をしっかり支えています。OP/EDも良いです。

・演技
皆さん素晴らしいですね。画のイメージと乖離するような声の人がいないので安心してストーリーに入り込めます。メインの神谷浩史さん、キタエリさん、花澤香菜さん、木村良平さんはもちろんなのですが、仲村ゆり役・櫻井浩美さんについてはそれまであまり聞いたことなかったので、とても印象に残りました。

作画と、どうしても納得のいかないストーリ展開が小骨のように引っかかりますが、☆4に埋没させるには勿体無いオリジナリティあふれる世界観と感動的なエンディングに☆は5で。血生臭く見えるけど、設定がそれをフォローしてるので、少なくとも大人が変な方向に勘違いすることはないかと思い、オススメできるな、と。

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