2018年10月6日土曜日

ハッピーシュガーライフ

ハッピーシュガーライフ  総合:☆☆☆☆

連載中の漫画が原作です。なので、展開は原作とは異なってくると思われます。漫画は未読ですのであくまでアニメのみの感想です。完結してから原作を読むと感想は変わる可能性はありますが、アニメはアニメでかなり面白いと思いました。サイコホラーです。絵柄は可愛いですが、良い子は観ないほうが良いです。

・ストーリー
幼い頃に両親が他界し、倒錯した愛情表現を持つ叔母に育てられ、屈折した性格になった高校一年生の少女「さとう」。愛に飢えていましたが愛を理解することができないでいました。そんな彼女と一緒に暮らすことになった「しお」。「しお」も暴力を振るう父親から母親と一緒に逃げ出したものの、結局、母親に捨てられてしまいました。そんな時に二人は出会い、二人はそれぞれの傷を抱え、それを埋めるためにお互いを必要としました。二人は二人なりに気づいた愛を守るために、邪魔者は容赦なく排除し、二人だけの世界を築いていこうとします。

・演出
悪い奴ほど良く眠る、ことはなく、きちんと対価を払わせるストーリーや演出は、それほど真新しくはありませんが、納得のできる展開です。
狂気を抱える「さとう」の裏表の描写、時折歪む「しお」の表情。さらに、彼女らを取り巻く周囲の人間の、それぞれの思いへの妄執ぶりを際立たせた演出は、現実の自分たちも、一歩間違えれば彼らと同じ、と思わせ、えもいわれぬ恐怖を感じさせてくれます。

・作画
原作通りなのでしょう。線も少なく平坦な写実で、描き込まれた感じはしないのですが、ストーリーの異常性に引き込まれているからか、余り気にならないのが不思議です。とはいえ、きちんとキャラクターの感情が作画されているのも確かかと。

・音楽
作画をよく助けて感情を巧みに表現していると思います。OP/EDもお気に入りです。

・演技
さとう役・花澤香菜さん、これだけ並行して主役張っているのに、どの作品でも質の高い演技を聞かせてくれているのがすごいです。明るく、暗く、甘く、きつく。無感情からクライマックスでの緊迫感あふれるところまで、感情がよく伝わってきます。
しお役・久野美咲さんも幼女の声で演じながら、幼女にはできない演技力を発揮されていて、安心して物語にのめり込めます。
しおの兄役・花守ゆみりさんは少年の声、いつもながらうまいです。「わすゆ」三ノ輪銀より年上なので、ちゃんと銀より年上の声で、沈鬱な表現から迫力のある演技までこなしています。
井上喜久子さん、花江夏樹さんの狂人ぶりも良かったです。

ハッピーの裏側に常につきまとう不穏な空気、続けて観ずにはいられませんでした。


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