終物語SP 総合:☆☆☆☆☆
ライトノベル原作。終物語下巻を2017年8月に7話で放送したのが終物語SPです。「まよいヘル」2話、「ひたぎランデブー」2話、「おうぎダーク」3話で構成されています。原作は未読です。
自分は2018年7月からの再放送で観ました。
もう、ここまでシリーズを観ちゃってると、この部分だけとっての感想を書くのは無理です。前作を知っている者の感想であること、ご了承ください。
・ストーリー
「まよいヘル」
地獄に落ちた阿良々木暦のその後が語られます。
「ひたぎランデブー」
自他共に認めるツンデレ・戦場ヶ原ひたぎ。ツンツンしているのは相変わらずなのですが、阿良々木暦と付き合いはじめた時にあった一触即発のような雰囲気は、無くなったと言っても良い、二人の関係性の進展が語られます。
「おうぎダーク」
忍野扇の正体が明かされます。
・演出・作画
いい加減マンネリ、と言えないこともないのですが、それでもいつ観ても新鮮斬新な映像表現は、他のアニメと一線を画しています。シリーズとして統一されている演出のうちの一つに、モブが全く登場しない、があります。他のアニメでは、シャドウにしてみたりするのはあるのですが、潔く登場させないこの殺風景な世界観が印象的です。
また、例えばピンク基調、例えばセピア基調に朱をさすなど、ほとんどモノローグなトーン。コントラストの極めて高いベッタリとした絵柄。物語シリーズのイメージを上手く演出しています。
動画も自然です。
原作はとりあえず「化物語」だけ買ってあるものの未読です。ですが、この作品、アニメ化してよかったんじゃなかったのかな、シャフトが、と感じます。小説では、ここまでの雰囲気を演出できないのではないでしょうか。少なくともラノベはラノベ、あくまで原作は原作として、ベースではあるものの、アニメは独立した作品として成立できていると思います。
・音楽
OP/ED基本的に全部いいのですが、「おうぎダーク」OPの「dark cherry mystery」が曲もオープニングアニメも最も気に入っています。これをオーケストレーションしたサントラもとても効果的です。
・演技
物語シリーズならではの演技ではありますが、掛け値なく、全員上手です。
なかでも、水橋かおりさんが印象的でした。
「お疲れ様でした。さようなら、阿良々木先輩。」いつも通りの皮肉めいた口調で軽く別れを告げる忍野扇がその後、感情をにじませるのですが、この変化、情感の表現。水橋かおりさん以外の声では、もう受け付けられなくなるような演技力です。
物語によって好みは出てきますが、作画、演出、シナリオ、演技。物語シリーズは不同不二のアニメかと。
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