2018年10月5日金曜日

はねバド!

はねバド! 総合:☆☆☆☆

連載中の漫画が原作です。相当☆5と悩みました。13話はきちんと録画できていないので、コレクションするなら円盤買うしかない状況なのですが、それでも一歩及ばないかなあ。原作既刊既読です。
2018年7月スタート13話です。13話が台風24号の影響で受信状態が悪く、録画不良となり、悲しい思いをしました。

・ストーリー
全日本10連覇を果たしたバドミントンの女王を母に持ち、幼い頃から母と遊んで欲しいがためにバドミントンに一生懸命だった羽咲綾乃。天性の才能も合わさって、同年代ではほとんど敵なしだったが、中学生時代にライバル芹ケ谷薫子にとんでもない手を使われ敗戦。それをきっかけに母親と離別することになり、綾乃の心は屈折していった。母親を取り戻したい一心で機械のように努力を積み重ねていた綾乃と全日本ジュニアで対戦した2歳年上の荒垣なぎさは、綾乃に手も足も出ずに敗れたことを境に強くなることに取り憑かれスランプに陥り、高校のバドミントン部の仲間とも衝突していく。そんなギクシャクとしたバドミントン部に友人に引きずられるようにして現れたのが、いくら頑張っても母親と会えない絶望感からラケットを置いていた新入生・羽咲綾乃だった。

・演出
話が進むにつれモチーフがころころ変わっていく、ひょっとしてオムニバス?な印象が強い原作なのですが、アニメでは13話で一本の作品として伝えきれる範囲にテーマを絞り込み、そのテーマに即して設定を大胆に変更・整理することで、よりインパクトのある作品にまとめました。素質と才能、みんなで成長する、これをテーマに荒垣と羽咲のそれぞれのストーリーをクロスさせて表現しています。圧倒的な素質に恵まれた荒垣と素質に恵まれない天才羽咲。二人とも無いものを補うために、人一倍の努力を積み重ねて今の実力を手に入れていますし、二人とも孤独からスタートしていますが、周囲の人に支えられていたことにも気づいていきます。白帯の向こう側にいる相手にさえも。
原作が好きな人には大変不評のようですが、地区予選までに語られた漫画の中でのエピソードも含め、原作通りにしていたらどうなったでしょう。この13話の作品の中にヴィゴの爺さんが乱入してきたら話が発散しませんかね。フレゼリシアのバドミントン部の背景をこれ以上詰め込みコニーを際立たせ過ぎると、羽咲にとってのコニーの存在のインパクトが相対的に薄くなってしまいそうです。原作の立花コーチはチームに噛みすぎているので、仲間にスポットを当てたい場合、このコーチの立ち位置は邪魔じゃないでしょうか。倉石が二人いてもしょうがないでしょう。
自分は、漫画は発散し過ぎていると思っていて、逆にアニメのまとめ方は、良いところに着目し、かつ全体を俯瞰していてブレを抑え、善戦したなと感じています。
アニメのような解釈より、原作の雰囲気やこれから繰り広げられる漫画のテーマの方が圧倒的に好き、と言うならわかりますが、アニメの方も何も考えずに設定を変えているわけではないので、原作に対する冒涜だ、とするのは、原作に肩入れし過ぎていて見方が偏っているんじゃないかなあと思います。
「弱虫ペダル」や「黒子のバスケ」のようにちょっと少年漫画しているものより、「ちはやふる」や「あさひなぐ」のような、なんとなくリアルっぽい方が自分は好みなので、前者に近い「漫画・はねバド」より、後者に近い「アニメ・はねバド」の方に好意的です。

・作画
これも、安定していない、という感想を聞くのですが、自分がそれを感じたのは北海道地震の影響なのか最終話くらいでした。12話で羽咲の顔立ちがガラッと変わりますが、荒垣も戦闘モードに切り替わっているものの、それ以外の人たちは今までと全く変わらない作画なので、これは敢えてそうしているのでしょう。自分はむしろこの変化、すげえ、と思ったものです。実は原作の漫画でも、このあたりから絵柄をガラッと変えてきています。原作ファンの人は当然お気づきでしょうがね。
バドミントンのアニメーションはとてもリアルに感じました。アニメらしい演出もあり、アニメを表現手段にして良かったんじゃないかと思います。まあ、テレビアニメですから、使いまわしているように見えるところも無いことは無かったのですが、許容範囲です。
総じて円盤買って良いレベルかと。

・音楽
OP/ED曲もアニメーションもとってもお気に入りです。最終話のエンディングのアニメーションは変えてましたよね、後日談のような感じに。サントラの楽曲もそれだけで聴けるくらい良いものが多かったです。

・演技
やっぱり羽咲役・大和田仁美さんですね。明暗、性格の悪そうなところもよく演じられていたと思います。同じ刺々しい台詞でも、中盤と最終話で印象が異なってくるのは作画のおかげだけでは無く、この方の演技も一役買っていたのは間違いないかと。
荒垣役・島袋美由利さんも良かったです。特に羽咲のことを「あんた」とか「おまえ」とか「羽咲」とか呼ぶんですが、後輩や年下相手に呼びかけているというより、対等な選手と見なして呼んでいる印象が強く、とっても良かったです。
海老名悠役・石川由依さんにちょっとびっくり。ミカサやヴァイオレットの印象が強過ぎて。
キャスティング、上手かったんじゃないですかね、みんな違和感なかったです。
ちなみに何気にファンの大原さやかさんは大人の女性役だと、本当に自然で良いです。

最終話の感情の表現がなあ、ちょっと過剰だった点が気になりましたかね。円盤が遠ざかった瞬間ですねえ。

4 件のコメント:

965 さんのコメント...

コメントさせていただきます^^
演出について、「二人とも無いものを補うために、人一倍の努力を積み重ねて今の実力を手に入れていますし、二人とも孤独からスタートしていますが、周囲の人に支えられていたことにも気づいていきます。白帯の向こう側にいる相手にさえも。」本当にうまくテーマをまとめましたね!

「努力と才能を線引きして考えることなんてできないはず」アニメ11話で美也子先生にも言いました、ちなみにそこのBGMは「サイド・バイ・サイド」、サンドラで一番好き曲です!

疑問ある所は「圧倒的な素質に恵まれた荒垣と素質に恵まれない天才羽咲。」この素質は身長、筋力の限界とかでしょうか?羽咲は作品の中で「才能持っている」に言われたが、実際の設定にも「反射神経、手首の柔らかさ、左利き」とかいくつありますので、荒垣も羽咲もそれぞれの才能が持っていると思います。だから「圧倒的な素質」と「素質に恵まれない天才」についてちょっと疑問持っています。

ありがとうございます!

ハオー さんのコメント...

まず、疑問をお持ちになっている点については965さんのご指摘の通りですね^^。

ちょっとだけ補足させてもらえれば、自分は、羽咲は才能の人だと思っています。
965さんがご指摘の「身長・筋力」。おっしゃっている通り、
スポーツでは圧倒的な身体的能力・パワーを素質と言っているように自分は感じています。
才能は、そうですね、そのスポーツのテクニカル面に適応したセンス、能力という感じ。
例えば素質ある、と言えば大リーガーの大谷選手のように体格・身体的能力に恵まれた感じです。
対して、イチローは才能の人と思っています。肩の強さや足の速さは素質と言えると思いますが、
むしろそれらを努力によってテクニカル面で昇華させている感じです。レーザービーム送球みたいな。
もちろん大谷選手もその恵まれた素質を努力でさらに昇華していると思っていますが、
やっぱり日本人離れした素質でフェンス越えや大男を空振りに仕留めているように受け止めています。
まあ、なんとなく、そう言った違いです^^;
結局二人とも多かれ少なかれ両方持ってるんですけどね(爆)。

さて、羽咲の特徴のうち反射神経は才能、手首の柔らかさと左利きはまあ素質、て感じでしょうか^^
自分はそれらの身体的特性は新垣に比べるとセンスに近く、二人の対決を見ていると新垣に劣る素質(絶対的なパワー)を
羽咲は磨き抜いたバドミントンの努力とセンスで対抗しているように感じました^^補足というか蛇足ですね^^;

ハオー さんのコメント...

こういう視点で二人の違いを割とわかりやすく提示してくれているのも、漫画より、アニメの方な気がしています^^
なので、アニメに好意的、なんですね、自分は^^

965 さんのコメント...

原作9巻で羽咲の目標は真の天才を証明するため全国制覇したが、10巻で「センスに溢れる一方でフィジカルはなく」、「スピードと反応は目を見張るモノがある一方でスタミナに不安が残る」でヴィゴに評価されて。

自分の理解は、「才能」は既に持っているモノを最大限に発揮する能力。おっしゃる通り「スポーツのテクニカル面に適応したセンス」みたいな感じ。

素質はまた「フィジカル系」と「智力系」で線引き。
腕力、体力、反射神経などの平均、限界は「フィジカル系」。
戦術を考える智力、理解力みたいなのは「脳力系」。
でもメンタルの強さもまた影響されます、本当に線引きが難しいですね。笑

だから4巻でヴィゴが見たのは羽咲の「才能」、玉の原石みたいな感じと思います。
ヴィゴが実際に羽咲のコーチになって、鍛錬したから、羽咲のアンバランスが認識して、相応しい武器を教えた。一方、コニーは体もプレイのセンスも良いし、一番天才ぽいタイプかもしれなせん...?