2020年1月28日火曜日

楽園追放

楽園追放  総合:☆☆☆☆
- Expelled from Paradise -

主題歌のCDジャケットのヒロインのイラストがなんか良いです。

劇場用オリジナルアニメ。

2014年公開 約100分余り。

・ストーリー
崩壊した地球。地上に住むことを諦め、肉体を放棄し、ディーヴァと呼ばれる仮想電子世界に記憶と精神だけ退避して暮らしている。そんなディーヴァが、リアル世界(地球のどこか)から、ハッキングを受ける。これを調査するために、ディーヴァ内に組織された保安部から複数の要員が派遣される。三等官として確実に結果を残してきたアンジェラ・バルザックもこの調査の任を与えられるが、さらなる出世を望んで、他の保安要員より先に解決しようと抜け駆けする。
肉体を持たないディーヴァの住人が、リアル世界で活動するためには、ディーヴァに保存してあるDNAデータをもとに肉体を高速に再生する必要がある。そして、再生した肉体に精神を移動させることで、これを実現する。リアル世界に残り、かつての人類と同様に生活している現地オブザーバーの力を借りながら。
電子の世界に生きる未来の人類が、リアル世界の住人や、自我に目覚めた機械とのふれあいを通して、知恵の樹の実を食べる物語。

電脳世界観にも色々な派生を作れるもんだ、と思いますが、攻殻機動隊よりもマトリックスに近い感じで、より社会の電子化が進んだ状態のSFになります。さらにロボット格闘の要素も加わっていますので、この二つが面白いなら世界観的には観て時間を損したとは感じないのではないかと思います。

・演出
2時間弱の映画の中で、新しい未来の世界観を説明しつつ、物語を面白く展開させているのは驚きです。アップルシード(原作:士郎正宗さん)も見事にまとめてくれてましたが、こちらもなかなか。ただ、冒頭の電子世界の住人であることをわからせるための演出が、ちょっと弱かったな、とは思いました。
原作、設定、構成、脚本はさすがですね。虚淵玄さんの仕掛けは、題名から始まっています。

・作画
嫌いな人も多いフルCG。しかし、お尻がすごい、と噂になるほど、肉感としては、もはやセル画では追いつけません。さらに、板野一郎さんがアドバイザーに加わり、ロボットの戦闘シーンが壮絶です。ガルパンコトブキとは異なり、リアルに寄せた挙動というより、セル画時代の爽快さを感じさせてくれるタイプの作画です。

・音楽
劇伴は、ちょっと浮いていたような気がします。

・演技
これだけベテラン声優さんを揃えたアニメは珍しい。「のみ」と言って良いほど。メイン3人には釘宮理恵さん、三木眞一郎さん、神谷浩史さん。いつも通りの声なんですが、さすがの演技力ですね。で、討伐隊に参加してきた3人に、林原めぐみさん、高山みなみさん、三石琴乃さん。この3人をメインにサイドストーリーを作っていただきたいほどです。

相変わらず、どちらが正義かをしっかり考えさせられる内容が、自分好みでした。

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