ハイスクール・フリート 総合:☆☆☆☆
オリジナルアニメ。
2016年4月スタート全12話。
・ストーリー
日本の大半が海に沈んだ世界で「海に生き、海を守り、海を往く」ブルーマーメイド。ようは海軍の女性たちの総称。そのブルーマーメイドになるための養成学校の実習航海中に、岬明乃が艦長を勤める「晴風」は教官の乗る艦船から攻撃を受けた。やむなく応戦するも「晴風」の反乱と認識されてしまう。時を同じくして岬の幼馴染・知名もえかの乗る「武蔵」も行方不明となる。岬は「晴風」を守りつつ、汚名を晴らし、はぐれた知名に心を痛めながらも、乗員と協力しこの試練を乗り越えていく。
流してみると岬明乃は情けなく見えるかもしれません。ですが、彼女がどうして海の仲間は家族だ家族だと言っているのか、海で何かあった仲間を自らが助けようとするのか、板挟みにあってすくんでしまうのか。その背景がしっかり描かれているので、彼女の行動原理に最終的に納得いくシナリオが、とても良かったと思いました。
・演出
リアルな艦船のアニメーション。迫力の艦隊戦。可愛いキャラながら、友情と責任の板挟みをテーマに、歯ごたえのあるミステリー基調のストーリーが展開されます。しかし、そこは、女の子たちが主役のアニメでもあり、ほっと一息つかせながら、やるときはやる、の切り替えの演出効果をうまく使って、まったりとしっかりを巧みに観せてくれていました。そして、同じ艦に乗り合わせた仲間たちの関係もしっかり描くと同時に、艦船自体への乗組員の愛着が自然に育まれていたことを、最後にちゃんと伝えてきたのも特筆かと。まあ、謎がもうちょっと深ければ、ミステリーとしてもなかなかだったのにな、と思いはしましたが^^
・作画
艦船はリアルで、キャラは2次元でと、今取りうる作画の手法では、ベストな組み合わせではなかったでしょうか。リアルな艦隊戦ですが、迫力もあって良かったです。
・演技
もう、登場人物が多いんでね。一人一人は上げれませんし、ちょっとキャラが被っちゃう感じはしましたが、まずまず良かったと思います。あえて一人挙げるとすれば、やっぱり機関長の高森奈津美さん、ですかね^^
生徒と、教官やブルーマーメイドの経験を重ねた大人たちとの違いが、はっきり分かるように演じられているので、この演出は、生徒たちと大人たちの操艦の違いを表現するにも非常に効果的で、作画を助けていたと感じました。
・音楽
これも、よかったです。一番最初の「ゴジラ」の劇伴を担当した、日本が誇る作曲家・伊福部昭さんの曲調と似てましたが、ゆえに、盛り上げる効果も確かなサントラでした。OP/EDもまずまず。
ラストシーンで、着帽している者は挙手の敬礼を、脱帽している者は不動の姿勢で見送る姿が、ちゃんとしてて、制作のこだわりが伝わって来ました。
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