2019年1月3日木曜日

ゴブリンスレイヤー

ゴブリンスレイヤー 総合:☆☆☆☆☆

連載中のラノベをアニメ化。2018年10月スタート。全12話。
原作は全く知りません。

・ストーリー
単体としては最弱モンスターの代表格にあるゴブリン。しかし、ゴブリンの真骨頂は実は群れるところにあった(なんか、野生の世界を生き抜いたホモ・サピエンスのようだ)。群れたゴブリンは強く残忍凶悪で、村を滅ぼすくらいのことはいとも簡単に実行できる。さらに人を襲い孕み袋にすることができる特性は、人の尊厳を簡単に踏みにじる(ゴブリンが男前だったらどうなんだろうとは思うが、実際のゴブリンは汚くおぞましい)。そんな彼らの犠牲になり殺された姉への想いから、ゴブリンだけを狩ることに取り憑かれた狂戦士の戦いの歴史を描く。

・演出
うまくまとめましたねー。ひょっとすると原作のテイストと変わっているのかもしれませんが、初見の自分には12話で完結しました。続編、あるみたいですけどね。ここでやめて良いんじゃないかってくらいしっかりまとまっています。ただ、ダークファンタジーとしてみた場合、他の道筋もあったような気はします。
人が何かを殺すとき、殺される時の表現が、ゾッとします。単なる冒険活劇でないのは題名からも明らかですが、能天気な勇者モノに対するアンチテーゼが、この作品の真髄ですね。
名前ではなく、職業名・異名のようなもので統一されているのも対勇者モノRPGを意識している感じ。

・作画
キャラも安定していますが、動画が良いですね。そのダメージはちょっとまずくないか、ていう感じは、勇者であるシリーズと同様にドキッとさせられ、戦闘の迫力を増しています。

・音楽
なんとなくドラクエのようなサントラw OPは曲自体もオープニングアニメとしてもお気に入りです。

・演技
ゴブリンスレイヤーの梅原裕一郎さん。演出や脚本もあるんでしょうけど、淡々とした喋りが、冷たくもなり、そして面白くもなるところがすごいです。相方の小倉唯さん、ヒロインの井口裕香さん、ハイエルフの東山奈央さん、受付の内田真礼さんや中村悠一さん、杉田智和さん、松岡禎丞さんなど、豪華なだけでなく、上手いです。ドワーフが中村さんだとは気付きませんでした。そして、魔道士の日笠陽子さんの独特の喋りがなんかツボにはまりました。

原作者の着眼点の良さが光る作品ですね。それをうまくアニメ化しているように思いました。ゴブリンスレイヤーはゴブリンだから殺戮を繰り返しているのではありません。身内に仇なす憎むべき存在だから根絶やしにしているのです。非常に危険な思想ですが、他の動物には持ちえない人の本能です。ゴブリンだから正義に見えますが、この作品の本質はそこにはないのです。

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