キャロル&チューズデイ 総合:☆☆☆
2019年4月スタート。1話30分。全24話。
1期のところで一旦感想を書きましたが、1期2期を続けて観た全体の感想です。
オリジナルアニメです。
・ストーリー
火星のテラフォーミングが完成し、人類が居住を始めた未来が舞台。その未来ではAIが人々の好みを計算し、音楽までも作詞作曲するようになっていた。
裕福な家庭に住む箱入り娘のチューズデイは、ミュージシャンになるために家出をした。
「シンディ・ローパーさんは昔、グレープフルーツジュースって本を握りしめて、音楽をやるため、17歳で家出したんだって。私だって17歳。不安がないって言ったら嘘になるけど、なんにもないハーシェルの町を出て、ミュージシャンを目指すには十分な歳。そうだよね?シンディ。」
そして、橋の上でストリートパフォーマンスをしていたキャロルと出会い、意気投合する。彼女らは自分たちで作詞作曲した歌を歌い続けることで、ネット配信などを通して、世間に知られるようになる。そんな彼女らが新人アーティスト発掘番組のマーズ・ブライテストに参加することになった。そこで火星に住む人々の記憶に残るパフォーマンスをした彼女たち。2期では彼女たちのその後が描かれる。
正直どこに向かっているのかわからないアニメでした。結局、音楽は世界・社会を動かすことができる、としたかったようなのですが、実際に動かしたのはゴシップとそれを執念で取材し続けた記者の力です。AIと人についても、提示されただけでした。複数のテーマが束ねられることなく、並列のまま終焉を迎えた印象が強いアニメでした。
このため、せっかくの大団円も、アンジェラとタオのあっと驚くような関係も、自分の中ではなかなか盛り上がりきれませんでした。
・演出
毎回、誰かしらの何かしらの楽曲が挿入歌として唄われます。テーマの着地点がふんわりしているので、どうしても、ストーリー仕立ての歌謡曲カタログを演出しているように感じました。それはそれで受け入れると、確かに、ダブルボディ(同一キャラクターにおける声の演技者と歌唱者を別)にした理由もうなずけます。声優さんは声の演技のプロですが、例外(それは俳優が声優もきちんとできる例外があるのと一緒。その逆も一緒。)はあるものの、歌に関しては、それを本業としている方たちにはやはり及ばない場合が多いので、曲アルバムにしたいのなら、ミュージシャンに頼るのは正しい演出でしょう。実際、声の美しさを強調したい場面での本業ミュージシャンによる歌唱は本当に素晴らしかったです。
しかし、アニメを物語として楽しみたい自分にとっては不満の残る内容になりました。
・作画
基本的に良いと思います。キャロチューの目配せが、自分には気になっちゃいましたが。友情、絆、信頼を演出したかったのでしょうが、あざとく感じました。演出のせいなので、むしろ、演出意図に沿ったきちんとした作画を綺麗に見せてくれていました。
・音楽
楽曲カタログとして力の入った曲が多く、このジャンルが好きな人にとってはサントラなのかオリジナルアルバムなのかは必携でしょう。アーティストも複数参加していますし、曲調もポップ、ラップ、カントリー、テクノなど多岐に渡っているので、十二分に楽しめるのではないでしょうか。基本的にどのジャンルのものでも綺麗な曲が多いです。全体的に綺麗だとは思いましたが自分はさほど心動かされなかったものの、あえて良かった曲を挙げるとすれば、2期エンディングのアンジェラの曲ですかね。アニメーション含めて割と気に入りました。
・演技
島袋美由利さん、市ノ瀬加那さん、上坂すみれさんのヒロイン3人はキャラに合っていて安心して観れました。なので、曲になると人が変わっちゃうのが残念でした。
楽器もレコード会社も実名で登場。こういうアニメがあっても、いいかな、とは思います。

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