2019年10月14日月曜日

BEM

BEM   総合:☆☆

1968年に放映されたオリジナルアニメのリメイク版。
2019年7月スタート。1話30分。全12話。

・ストーリー 
「早く人間になりたーい」
死を知らない妖怪人間が
人間に憧れ、
人間になることを渇望し、
人間に尽すことで、
人間になれると信じ、
人間に嫌われ、
人間に騙されながらも、
悪に立ち向かう物語。
BEMではベムだけが人間になれることを盲信していますが、
ベラ、ベロはそれほどでもなく、ベロに至っては人間になることに懐疑的でさえあります。

おどろおどろしい作画で印象的だったオリジナルに比べ、人型の時のキャラが人間に近似しすぎているのと、ストーリー展開もぎこちなく、さらに、人側のキャラの魅力が乏しいため、妖怪人間の善性が際立ちません。
このため、社会における異形の存在に対する偏見や差別を中心に据え、視聴者に訴えかけようとしていますが、成功しているとは思えませんでした。

・演出
とにかく「展開がぎこちない」に集約されます。人間、妖怪人間に関わらず、なぜそう考えるのか、なぜそう行動するのかが見えません。なんか、やたらと強いんだけど、「ニンニン」しか言わない変なキャラを登場させたり、やたら甚だしく誤解していて逆恨みしている人間がいて、それへの対応を、やってるのかスルーしているのか分からなかったり、色々とチグハグでストレスがたまります。

・作画
最近のテレビアニメとしては普通じゃないでしょうか。

・音楽
ダウンタウンといえばジャズ、ですかね。雰囲気はよく出ていると思いますが、本場のジャズの奥行きには程遠いのが残念でした。OP・椎名林檎さん作詞・作曲、歌・坂本真綾さんには引き込まれましたが、アニメの中身が伴っていないので、せっかく顔は良かったのに可哀想でさえありました。

・演技
声優さん方はうまかったと思いますが、脚本や変なテンポの展開に引きずられて、力を発揮しきれなかったように感じました。

オリジナルは「ゲゲゲの鬼太郎」や「怪物くん」らと同じ時期に放映され、そのダークな雰囲気から子供受けせず(実感)、放送中止となりました。その後、何回かリメイクしようとしたり、されたりしていますが、やっぱり成功はしていないです。テーマはとても良いので、クリエイター魂をくすぐるのでしょうが、きちんと消化できる方は出てきていないようです。化ける設定なのか、もともと大衆受けさせるには難しい設定なのか。自分は後者なのかもしれないなあ、と思っています。

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