2019年7月6日土曜日

からくりサーカス

からくりサーカス  総合:☆☆☆☆

少年サンデー掲出の漫画原作。原作は完結しています。原作未読です。
2018年10月スタート。全36話
昔は普通でしたが、3クールをぶっ続けで放送しきっているのは、昨今のアニメの中では異色であり、期間を通して高いクオリティを維持しているアニメーション制作・スタジオヴォルンはすごいと思います。

・ストーリー
誰かを笑わせないと死んでしまうゾナハ病。そんな病に侵されていた加藤鳴海は、遺産争いから命を狙われている少年・才賀勝に出会いこれを助ける。戦闘の最中に突如現れた、勝を守る使命を負わされた女性人形遣い・しろがね。彼ら三人の緩やかな三角関係と、めまぐるしく変わる立場の入れ替わりが描かれる。個人的にみえるその関係こそ実は、ゾナハ病から人類を守る、からくり人形と人類との争い、世代を超えた因縁が、複雑に絡み合っていることの象徴でもあった。長きにわたって積み上げられてきた謎が紐解かれていく一大スペクタクル巨編。

・演出
時を経た因縁が時系列を行き来しながら展開されますが、その時その時に適当な語り手が自然な感じで存在するので、バッカーノ!ほど混乱はしません^^。その辺はやっぱり少年漫画が原作です。その分、小難しさを期待する大人が観る上では、若干の物足りなさを覚えるかもしれません。しかし、そのわかりやすく、ワクワクドキドキハラハラする演出は、結果としてこの作品には、とても良かったと思います。童心に帰って大人も楽しめる冒険活劇でした。むしろ、この作品の切なさは、大人じゃないと感じられないかもしれません。

・作画
すごく良いです。特にからくり人形が。人形が破壊されるシーンは原作でもかなり話題になっていましたが、アニメ化することで忠実以上に再現されています。36話にわたって安定した作画を提供し続けてくれた制作には尊敬の念を禁じえません。

・演技
2000人を超える新人オーディションから抜擢された勝役の植田千尋さん。さすがに台詞回しはうまいのですが、アニメの表情に合わせたり、!や?などのアニメならではの発声にまだ違和感があります。とはいえ、モデルとか俳優さんとか、朗読ならなんとかなるだろう(まったく国語の時間の他の生徒の朗読とか聞かされてる気分になるよ)とか、演劇できるなら声優もできるだろう的な、声の仕事を下に見るような気持ちのノリで声をあててくる方々に比べれば、はるかにうまいです。役を重ねられたら、すごい人になるのかもしれませんね。
掛け合う人が古川登志夫さん、小山力也さん、朴路美さん、大塚明夫さん、田中正彦さん、中田譲治さんや林原めぐみさん、などなどなどなど列挙できないほどの面々ですよ^^;キッツイですよね、新人としては^^
もちろん、それぞれの方のそれぞれのすごさを語り尽くしたいところなのですが、あえて、そんな中で、やっぱり自分的にキラリと光ったお気に入り一人を挙げるとするならば、悠木碧さんでした。滑稽軽妙辛辣でいて最後には切ないコロンビーヌへの繋げ方は、さすがの一言です。最初は大人の体型だったのに、最後は幼児体型ですしねw そこも違和感なくこなしていますが、悠木碧さんの場合はそれができて不思議ではないのです。

・音楽
劇伴音楽として普通にシーンを盛り上げていました。OP/ED曲の中ではやっぱり「月虹」(3クール目ではエンディング曲になるなど、ひと工夫されていましたね)と「マリオネット」が特に気に入ってます。

完結している漫画作品をしっかり完結させて提供してくれたアニメ。物自体が良いので、観て間違いはない、と思います。

0 件のコメント: