真夜中のオカルト公務員 総合:☆☆☆
連載中のマンガ原作。原作は未読です。
2019年4月スタート。全12話
・ストーリー
都心に巣食う妖怪、幽霊、神などの人ならざるものアナザーは、普通の人には見えない。アナザーの振る舞いが、普通の人間には怪異となり、日常生活に悪影響を及ぼすことがある。新宿区役所の夜間地域交流課はそんなアナザーを住民の一人としてカウントし、一般人に重大な影響を及ぼすことがないよう常に交流(監視)を図っていた。また、万が一トラブルが発生した場合、アナザーを封印する職務も果たしていた。
しかし、彼らには普通の人には見えないアナザーを見ることはできるが、コミュニケーションをとることはできなかったので、あくまで、所在確認により、トラブルの防止に努めていた。
そんな夜間地域交流課に新人の宮古新が着任した。彼は特異な能力、砂の耳を持っており、アナザーの声が聞こえ、会話ができた。そのため、アナザーにも一般人と変わらない接し方をし、優しい心持ちで対峙していたが、アナザーとは本来怪異。同僚たちはその危うさに気づいて、新に忠告するが、新は話し合いによるアナザーとの協調の姿勢を絶対崩さず、その姿勢により、アナザーとの関係を穏便に解決することが増えていくにつれ、同僚たちも、徐々に新を信頼し、今までの暴力に頼る排除を見直すようになっていった。
・演出
斬新な設定をうまくアニメ化しています。また、正義の味方・新をそこまでヒーロー化せず、自分と違うものとの協調をテーマとして、自然に主張を展開している演出・脚本は良かったと思います。新が安倍晴明の生まれ変わり(かもしれない)という、設定もそれほど強調するわけではなく、アステカ神のちょっとイラつく振る舞いも含め、登場するアナザーの振る舞いもそのアナザーの元となっている怪異からしっかり考えて設定されているので、まあ、納得できます。
ただ、テーマが真正面に過ぎるので、それをしっかり視聴者に届けるには、演出がおとなしいためエピソードの力が少々物足りなくなり、積み重ねるにも12話では少し短かったとので、完全に成功している、とはならなかったのが残念でした。
・作画
よくはないですが、表情がしっかり描かれているおかげで、テレビアニメとして、ストーリーを楽しむには十分でした。
・演技
あえて誰、という感じではなく、それぞれのキャラを自然に演じられていたので、違和感なく物語に没頭できたのは良かったです。声優さんは一般の演技に比べ、少々変わった手法も交えて演技し、視聴者に作画の補完を行って、トータルで見る人にしっかり意図が伝わる演技をしてくれるのですが、その手法を視聴者に意識させることなく、ある意味、普通になるよう演じられていたと感じました。アニメにとっては、アニメにとっての普通が一番です。
・音楽
雰囲気と、ちょっと違うかなあ。シーンと音楽のテンポ、尺にズレがある場合があるだけでなく、メロディにも違和感があるので、少しだけ残念です。
エピソードの力をもう少し活かすために抑揚のある演出がされていたならば、もっと良かっただろうな、とは思います。
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