盾の勇者の成り上がり 総合:☆☆☆
連載中のラノベ原作。原作は未読です。
2019年1月スタート。全25話
・ストーリー
四聖勇者について書かれたファンタジー本をきっかけに、異世界を救うために日本から転移させられた四人の青年たち。盾の勇者とされた尚文は、その世界の歴史上の経緯から、盾の勇者であることだけで異世界の人々に嫌悪され、さらに、一緒に転移してきた三人の勇者たちにも、この世界に近似したゲームを転移前に行っていなかったことを理由にハブられる。無理やり異世界に飛ばされ、世界を守れと言われたにも関わらず、要は酷いイジメられの立場に追いやられたことに人間不信に陥り、性格がねじ曲がってしまった。それでも、意識下で苦しんでいる人々を救おうとしていること、虐げられている人を救おうとすること、世界を救おうとしていること、から、基本的に善性を失ってはいないが、人間不信感が何よりも勝り、この世界においては自身を悪者であり、かつ、よそ者である、という立場を頑なに行動している。彼にとっては対価としてやっているつもりでも、客観的には照れ隠しの中の優しい振る舞いにその行動は見えるため、尚文に惹かれた人々が徐々に集まるようになる。彼の心が解放されていく様子を描いているアニメ。
・演出
冒頭の世界設定がえげつないのがね。いじめを見て気持ち穏やかにいられる人は少ないはず。彼を慕う人たち以外の傲慢さも継続しているし、彼を慕ってくれる人たちに対して、ラストにいたっても本当の意味では彼が心を開ききらないもどかしさも、このアニメをすっきりした気持ちで見終わることができない理由になります。原作が連載途中であることもあり、彼の救済を最後まで見せられなかったことも手伝って、ちょっと歯切れが悪くなっています。原作に引っ張られているとは言え、一本のアニメとして完結させるためには、演出はひどい仕打ちの表現に成功している反面、救われる部分の演出が弱すぎるのではないでしょうか。物語が本当の意味で完結したら、この作品のすべての評価は、変わるかもしれません。大団円を迎えるためのあえて醜さを強調した導入と見れば良いのでしょうが、それにしてもいじめを見るのはしんどいな、というのが個人的な印象です。
・作画
テレビアニメとして普通によいです。女の子は可愛いですし、キャラの書き分けもちゃんとしてますので、物語に没頭できます。
・演技
出演者の皆さんはきちんと演出意図に沿った演技を披露されていてうまいです。うますぎて、ムカつくくらいです。なので、強いて挙げれば、作画との相乗効果で、槍の勇者/元康役・高橋信さんとビッチ役・ブリドカットセーラ恵美さんが、きちんとヒールを演じられていたのが特に良かったと思いました。
・音楽
劇伴音楽としてシーンに寄り添っていて良かったと思います。OP/EDも1クール2クールともとても良かったです。
連載中のアニメのクローズは難しいですね。
TVアニメ公式サイト
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