lain 総合:☆☆☆☆
ちょうど20年前のアニメ。1998年7月放映スタートの13話完結。
自分は娯楽性が少ないものは余り得意じゃ無いので、ストーリだけなら☆3なのですが、自分の得意な世界を舞台にしていること、ネットワークの発達について独特の未来観をみせてくれていること、アニメ表現が自分の好みのスタイルなことから、録画していたら、間違いなくBDにとっとこうと思うので、総合として☆は4にしました。
・ストーリー
中学2年生の岩倉玲音。大人しく引っ込み思案で友達も少ない。そんな彼女に容姿はそっくりだけど、性格は真逆な女の子が、彼女の周りの人たちに目撃され始める。ネットワーク端末「NAVI」を手に入れた彼女は、どんどんと仮想世界の深みにはまっていくように見えるのだが、実は、。
・演出
ワイヤードって言いかた、すげー懐かしい、てことは置いておいて。
ヒロインが中2という設定(厨二病という言葉の発祥は1999年頃らしい)や、電波というか電気の耳障りなノイズの表現などによる演出で、仮想というより妄想の中を彷徨う、実態の無い何かを徹底して意味不明なまま提示し続けています。そして、最初から最後まで、ヒロインのテンションがずーっと低いことも、この妄想感に拍車をかけてくれます。そうそういないですよねえ、これだけテンションの低いヒロイン。最近では「殺戮の天使」のレイチェルかなあ。ただ、レイチェルは周りが弾けてたので、「殺戮の天使」自体のテンションはそう低くなかったのですが、このアニメは周りの登場人物のテンションも低いので、低空飛行のまま、解く気があるのかないのか分からない謎が深まっていき、最後の2、3話で回収されます。もっとも、これが回収されたのかされていないのかさえ、よくわかりません。ところどころに、仮想世界の思想的な歴史を見せているところから、アーサー・C・クラークの名作SF小説「幼年期の終わり」のような世界観をアニメ化したかったのかなあ、というような印象を自分は受けました。
この独特な、分かるような分からないような雰囲気に馴染めれば、どっぷりはまりそうですし、アニメに少しでもエンターテイメント性を求める方は、つまらない、と感じるでしょう。
「攻殻機動隊」と同じような仮想世界をモチーフにした近未来の人類の変化をテーマにしていますが、見ている方向が反対なのも独特です。「攻殻機動隊」も哲学的なのですが、ストーリーは分かり易く楽しめます。このアニメは「攻殻機動隊」をさらに哲学寄りに振ったとされる「イノセンス」よりも遥かに分かり辛いです。
・作画
4:3。絵も動画もいい。画質がいい。コントラスの低い明るめに振ったパステルな画調が、現実なのに仮想な雰囲気をまとったこの作品の特徴を際立たせています。
・音楽
テクノっぽい音楽は好きな分野なので、個人的には良かったです。
・演技
これは。。。低いテンションを表現している、と言えば聞こえはいいのですが。。。
これが放映された頃、自分、相当忙しかったのです。当時、観ることができたなら、かなり印象、変わっていたでしょうね。
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