オリジナルテレビアニメ。
2018年7月スタート。12話テレビ放送。
吸血鬼と狼男という本来独立していた怪物同士が、実は奇妙な因縁で古来より対立していた、てな設定を最初に考え出したのは誰なんでしょうね。映画「アンダーワールド」がハシリのように自分は思っているのですが、どうでしょうか。「アンダーワールド」でも吸血鬼が人狼より上位種に描かれているのですが、このアニメでも、そんな感じです。
・ストーリー
神にも悪魔にもなれる絶対の力を持つと伝承されていた「シリウスの匣(天狼が持つ匣)」。それを手に入れるべく天狼がひっそりと暮らす村をバンパイアが襲撃し、滅ぼした。兄の犠牲で一人生き残った天狼ユーリ。バンパイアに復讐するために、人がバンパイア狩りのために組織したハンターに所属していたが、死んだはずの兄と出会うことで、天狼の生き残りとして本当になすべきことはなんなのかを探し始める。
・演出。
シリウスの匣をめぐり日本をはじめとした列強やバンパイアが入り乱れて争奪戦を繰り返してはいるんです。会話の内容を聞く限り。でも、まず、ハンターがこの争いに絡んで来る理由や役割が今ひとつわからないんですよね。さらに、ハンターが日本に滞在中に世話になっていた日本の貴族の娘がユーリに一目惚れして、やたら無鉄砲にユーリの冒険を追いかけるのですが、このちょっとしたロマンスも残念ながらあまりストーリーに影響していないように見えます。若い女剣客の剣術をちょいと織り込みたかっただけなのかなあ、と感じてしまうくらい。また、日本軍の関与の仕方も、シリウスの匣が持つ力を考えると、なんとも手薄。情弱だったということなんでしょうか。
まあ、つまり、シリウスの匣をめぐり、様々な思惑を持った勢力が絡み合う争奪戦を描きたかったようなのですが、実際には争奪戦に本気で関わっていたのは、バンパイアと天狼だけなので、余計なサイドストーリーは入れずに、バンパイアvs天狼に集中してもらった方が良かった気がします。
輪をかけて、徹底した私怨で動いていた主人公が、汝の敵を愛する方針に転換した経緯や理由づけも描き切れてなくて、結局のところ、怪物(フランケンシュタインまで参戦)という超人同士の戦闘シーンを見せたかったアニメになってしまっているような印象を受けてしまいました。なので、なおさら、バンパイアvs天狼の構図で押し切ってくれたほうが、もっとインパクトのある作品に仕上がったのではないかな、と。
テレビアニメにしてはかなり力の入った作画です。本作のテーマである怪物同士の戦いは十分に描き切れていました。ただ、女剣客のもっと派手な立ち回りも観せて欲しかったです。
・音楽
まあ、よいような。OP/EDもよいような。
・演技
トラウマを背負った青年をやらせたら右に出る者がいない上村祐翔さんが、相変わらずイライラっとさせてくれます。みんな熱演しているのですが、演出のせいで空回りしているように感じちゃうのがかわいそうです。
正直、自分自身、これ、面白かったのか、そうでもなかったのか、全然まとまらなくて、7月スタートアニメ感想の中で、最も遅い公開になってしまいました。
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