カールじいさんの空飛ぶ家 総合:☆☆☆☆☆
ピクサーが2009年に公開したオリジナル劇場用アニメ。96分なので、割とサクッと観られます。
・ストーリー
妻を亡くした老人。妻との思い出の土地を頑なに守り続けていたが、あるトラブルを起こしたことで、立ち退きを迫られることに。妻を亡くし封印していた妻との夢を、これをきっかけに、突拍子も無い方法で実現を決意する。
・演出
最初に用意されたくすんだ色をした玉手箱を、話が進むにつれ、徐々に開けていくと、カラフルな光が溢れ出していくような演出が、とても自然でスマートで物悲しい。映画「ある愛の詩」「愛と追憶の日々」のように、若くして死に別れる物語は、とてもドラマティックです。でも、山あり谷ありしながらも長い年月をかけて二人で歩んできて、いつの間にか年老いて、別れが自然なことになってからの別れにも、静かで暖かい悲しさがあることを見せてくれる映画です。
・作画
ピクサー。文句のつけようがないです。
・音楽
サイレント映画時代のような音楽が印象的です。じいさんの年代に合わせているってわけですな。
・演技
リュウ・ホセイの飯塚昭三さんが主役です。押井守監督の攻殻機動隊シリーズでの荒巻などなど、重厚な声の大木民夫さんの、割とコミカルな演技も聞けます。若くして引退しちゃった松元環季さんの声も聞けます。
ピクサーの前作は「ウォーリー」。ピクサーはディズニーと組むことが多いけれど、ディズニーにありがちな勧善懲悪ものとは違う、奥行きのある作品を安定して提供してくれるので、安心してBDに手を伸ばせます。2007年の「レミーのおいしいレストラン」から「ウォーリー」「カールじいさんの空飛ぶ家」「トイ・ストーリー3」と4年連続アカデミー長編アニメ賞受賞。
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