2019年2月20日水曜日

けものフレンズ

けものフレンズ 総合:☆☆☆☆

コンセプトのあるメディアミックスのアニメバージョン、で正しいのかな。ストーリーはオリジナル。
2017年1月スタート。全12話。

なんか賛否分かれてるみたいですねー。玄人好みはしないアニメのようですが、一般的には、かなりウケの良いアニメ。自分も一般的な方に一票。☆5と相当悩みました。
ほんわかしている割に闇のある表現、設定が印象的です。いや、人間がどうなったかは置いておいても放棄されたサファリパークだと言うのは最初っからわかってみてるし、ラッキービーストの振る舞いの奇妙さも、得体の知れない負の存在も、すべて織り込み済み。そもそも、それ言ったら、動物が得体の知れないものの影響で擬人化していることを自然の状態のように受け入れて進むストーリ自体不気味だろうw 逆にこう言うギャップがなければ、この設定では取るに足りないアニメになっていたのではないでしょうか。

・ストーリー
サンドスターを浴びた動物が特性を残したまま人型に変化しフレンズと呼ばれて暮らすジャパリパーク。そこに記憶を失った奇妙な動物が現れます。最初に出会ったサーバルと共に、自分がなんの動物なのかを知るための旅をします。途中で出会ったフレンズたちとの交流を通しながら、徐々にジャパリパークとそこにある謎、そして自分の正体について、明かされていきます。

・演出
元気と陰気の絶妙なバランス感覚で成り立っている世界観を、「愛嬌のある台詞回し」「明るい絵柄」「暗い設定」「今までにない動きの作画」で表現しています。今までに出会ったことのない表現スタイルで「たつき」カラーが全体に行き渡っている感じです。もちろんコンセプトデザインの人や、もともと脚本として名前を連ねていた方等々との共同作品ではあるのでしょうが、たつき氏の影響がしっかりと反映されているアニメだと思いました。
クライマックスはある程度予定調和的なんですが、それでもきっちり盛り上がります。これは全編を通した構成の巧みさ故かな、と思います。

・作画
「たつき」カラーはヤオヨロズのアニメを土台として成り立っているのでは、と思うくらい、とてもいいです。まあ、たつき氏が作った制作会社ですから当然なのですが。キャラは3DCGで背景は手描き。3DCGは人形劇の人形のような感じになりがちだけど、ヤオヨロズの制作するアニメのキャラはとても自然で可愛らしい。このクオリティなら円盤買ってもいいんじゃないでしょうか。

・音楽
OP/EDも元気が良くっていいんですが、サントラも独立した楽曲として聞ける感じ。悪目立ちすることもなく、バランスが良いです。

・演技
特にサーバル・尾崎由香さんが可愛いですね。脚本のたつき氏の特徴的な台詞回しも相まって、すごく魅力的なキャラになっています。

色々な流行を生み出したこの作品の影響力は誰が何を言っても否定しきれないでしょう。残念ながら、ベースであるアニメーション制作のヤオヨロズが抜け、当然ながら同時にたつき氏も抜けてしまった「けものフレンズ2」の作品それ自体を見る限り、たとえコンセプトは同じと雖も「けものフレンズ」とは別物とする意見に賛成せざるを得ません。別物だから良いか悪いかは別問題です。「けものフレンズ2」は「けものフレンズ2」として評価すべきですが、相対的にはどうしても「けものフレンズ」の魅力に惹かれます。「けものフレンズ」の長所がしっかり引き継がれているケムリクサの方が、むしろ続編に感じてしまうのは、少し残念な気がします。

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