2020年3月9日月曜日

とある科学の超電磁砲S

とある科学の超電磁砲S   総合:☆☆☆☆

ラノベ「とある魔術の禁書目録」外伝(スピンオフ)として連載中の漫画が原作。
2013年4月スタート 全24話。30分枠。
とある科学の超電磁砲の続編。



・ストーリー
学園都市に七人しかいない超能力者(レベル5)のうちの一人、序列第3位の御坂美琴は、学園都市のジャッジメント(風紀委員)として活躍している瞬間移動の大能力者(レベル4)白井黒子と、お嬢様学校・常盤台中学校寮の同室で生活している。白井黒子の後輩ジャッジメント・初春飾利、初春の友人・無能力者・佐天涙子らと、学園都市で起きる様々な事件を解決していくなか、自分のクローンの噂を耳にする。
ある日の夕方、彼女は自分と瓜二つの少女に出会う。少女は彼女のことを姉と呼ぶ。
御坂美琴は手に入れたコードナンバーから、量産能力者計画を知り、彼女たちが自分のクローンであることに気づく。計画中止の文章に一時は安堵したものの、実際に出会った妹を目の前で殺されたことで、妹達が新たな計画(絶対能力進化計画)に利用されている現実を突きつけられる。自分が幼い頃に安易に頷いたDNAマップの提供が招いた結果であることに対する自責の念から、自分一人で解決しようとするのだが、上条当麻の登場などにより、独りよがりになっていることに気づき、人として成長していく物語。

1期で妹達編が飛ばされているなあと思ったら、Sでまとめて出して来ました。この分け方は1期も際立たせ、2期も引き立ち、とても良かったと思います。
蛇足ですが、登場人物の名前がみんなカッコ良いです。

・演出
上条当麻の正義の演出は、本編でもそうですが、どうしても引いちゃうんですよね。それに対して御坂美琴は正義の人ではなく、仲間を想う義の人。同じわがままでも立脚している土台が違うので、同じセリフでもすんなり入って来ます。全体を通して見ると上条当麻の登場はラストへの布石として良い演出になりました。
1期では、しつこいくらいのカツアゲチンピラが出て来ましたが、こちらでは主人公達の能力を名刺がわりに見せる程度で止まっていたのも好印象です。
ラストも予定調和ではありますが、爽快な演出でした。
前作では、スキルアウトの設定により、無能力者であっても居る場所があるのだとみせたり、レベル格差をテーマにして見応えがありましたが、今作ではさらに、高レベル能力者の無意識下に潜むおごりと仲間を思うということはの意味を考えさせる内容が含まれ、重厚なストーリーのもと、さらにレベルアップした印象です。
レールガンシリーズは、同じ「とある」シリーズの中でもダントツに総合芸術としてまとまっているなあと感じます。
御坂妹の台詞回しも他では鬱陶しく感じるのに、このアニメでは非常に味があり、この呑気な子達の置かれている悲惨な状況とのギャップと相まって、とても良かったです。

・作画
1期と同様。2クールのテレビアニメとしては驚異的。かわいいキャラクターが一貫して安定していて、自然に動くし、戦闘シーンの迫力もすごい。この作画を保存するために円盤買って良いレベル。

・音楽
1期と同様。オープニングはシリーズ一貫して、FripSideの八木沼悟志さんが担当しているので、違和感なく入っていけます。また、アニメーションと合わせて、本編観るにあたって気持ちが盛り上がるので飛ばさずに楽しめました。エンディングもなかなか。劇伴も、あれをサンプリングしているのかな?と思う曲もありましたが、良かったです。

・演技
メインの四人(佐藤利奈さん、新井里美さん、豊崎愛生さん、伊藤かな恵さん)は相変わらず素晴らしかったです。さらに今回は、御坂妹役のささきのぞみさんが非常に良かったです。

レールガンの最も重要なエピソードと言える妹達のアニメ化。「とある」好きなら、間違いなく回避する理由はなく、そうではない人でも楽しめると思います。

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