2020年3月23日月曜日

映像研には手を出すな

映像研には手を出すな  総合:☆☆☆☆ 

連載中の漫画原作。原作は既刊既読です。
2020年1月スタート 全12話。30分枠。 

・ストーリー
長い歴史の中、改築増設を繰り返し、謎の立体構造物となった校舎を持つ公立芝浜高校に 中学時代からの知り合いである浅草と金森は入学する。浅草は子供の頃から空想が大好きで、その空想を形あるアニメにしたいと夢見ている。彼女たちは、読者モデルとして知名度の高い水崎が、同じ高校に入学していることを知る。利益を生む活動に興味を持つ金森は浅草と共に水崎と接触し、アニメーターとしてアニメーションを作りたいという水崎の夢を聞く。そして、金森は、浅草と水崎の夢を結びつけ、3人はアニメ制作を通して、それぞれの夢を実現していく。 

原作3巻の「芝浜UFO大戦」までをアニメ化していますが、制作のワクワク感はまだまだ継続していくぜ、というメッセージを伝えるには、ちょっと難しい終わり方でした。 

・演出
エピソードの多くは原作通りですが、劇中で制作されるアニメは、浅草がその構想を練る段階からアニメオリジナルと言ってよいかと。そして、制作段階を漫画より細かく描写することで、劇中アニメの内容説明とインパクトを作り上げる演出をしています。「そのマチェットを強く握れ」「巨大ロボ「SHIBA8」vs.怪獣「テッポウガニ」」までは、非常に巧くマンガを補完していて制作のワクワク感を原作以上に引き出していたのですが、「芝浜UFO大戦」の見せ方が前2作に比べ、上映中の演出が控えめだったこと、アニメオリジナルの「芝浜UFO大戦」のストーリーに魅力を感じられなかったこと、から、内容は説明されていましたがインパクトに欠け、一気に減速してしまった印象を受けました。芝浜商店会を巻き込むオリジナルストーリーを含めて、このアニメの制作者たちは、映像研と言う舞台を借りて、原作を離れて、アニメ制作で思うところを、語り過ぎたのではないでしょうか。

・音楽
OP/EDはとても良かったです。劇伴も印象に残るものが多く、魅力もあったですが、割と何回も聴くので、途中から少し食傷気味になりました。 

・演技
キャスティングは素晴らしかったです。演技も主役の3人が素晴らしかったのは、もはや語り尽くされていると思うのですが、生徒会のメンバー、ロボ研のメンバー、そして、美術部のメンバーに至るまで、最高でした。 

漫画ではできない、アニメをアニメとして観せてくれたことで、途中までは漫画をバッチリ昇華していたのですが、逆に落とし穴もそこにあったか、というアニメでした。

0 件のコメント: