風が強く吹いている 総合:☆☆☆☆
小説原作。
アニメは2018年10月スタート。全23話。
・ストーリー
コンビニで万引きをし、全力で逃げていたカケル。その横に自転車が追いついた。自転車に乗っていた男(ハイジ)は顔を寄せて叫んだ。「走るの、好きかっ?」と。
ハイジは怪我により長距離陸上を休止していた寛政大学4年生。箱根駅伝に出場するため、寛政大学に入ってから陸上部の寮である青竹荘に、裏事情を告げずに見込みのありそうな学生を集め3年間が過ぎていた。カケルは最後の10人目の学生だった。
カケルは高校時代驚異的な長距離陸上選手だったが、暴力事件により陸上では無名の寛政大学に入学し、その日暮らしを続けていたところを、ハイジに声をかけられ、家賃が激安なのを理由にそのまま青竹荘に。青竹荘が陸上部員用の寮だった事に気付いた時には箱根を目指すハイジに巻き込まれていた。最初は、カケルは自分の持つ陸上愛から、こんな寄せ集めで箱根を目指すのは不遜であると拒否していたが、徐々に真剣になっていく寮生の仲間たちの輪と、ハイジの走ることの意味を追い求めている姿勢に共感し、彼を助けながら、箱根を目指すために、寛政大学で競技としての陸上を再開した。
このアニメでは、そんな、ハイジ、カケルを中心とした10人の学生の箱根を舞台とした青春の一コマが描かれています。
・演出
箱根への出場はファンタジーです。ただ、そこを舞台にして、仲間とのつながり、走ることの楽しさ、意味を問いかける原作のテーマを上手にアニメ化している、と思います。実写ではこそばゆい感じになる、テーマ、展開も、アニメにすることでオブラートに包み、視聴者に中身をしっかり届けています。最初はこんな非現実的なことはないだろうと自分はこのアニメに否定的でしたが、まあ、魔球でさえも納得いくっていう、アニメならではの懐の深さによって、原作の力をうまく引き出すことができたアニメではないでしょうか。観て、最後には清々しい気持ちになる綺麗な演出でした。
ファンタジーの世界でファンタジーが描かれるのなら違和感はないのですが、リアルの世界を舞台としてファンタジーを描くのはアニメだとしても、なかなか難しい。☆を3にするか4にするかで相当悩みましたが、演出、作画、演技、音楽等総合的にクオリティが高く、きちんと感動させてくれましたので、☆4で。
・作画
すごく良い、です。劇場用に近いくらいのクオリティ。アニメーションもしっかりしていて、等身大の現実的な風景を実写と変わらず違和感なく描いています。
・音楽
いいですよね。邪魔にならないし、シーンも盛り上げていました。オープニング、エンディングも結構良かった。特に前半のが良かった。
・演技
カケル以外のメインメンバーをベテランで固めていて、安定感がありました。脚本の力もあるとは思うのですが、ハイジ役・豊永利行さんが殺伐としがちなスポーツアニメを温かい雰囲気でまとめていたのが、特にすごいな、と思いました。
結果はファンタジーでしたがw 内容はファンタスティックでしたね^^
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