「プリンセス・プリンシパル」シリーズ構成の大河内一楼さんが素晴らしい、と思ったので、大河内一楼さんつながりで期待して観てみたのですが、方向性は違うものの、期待以上のアニメを観せてもらいました。これも凄い。(プリプリ劇場版、脚本、変わるんですよねえ。。。。大丈夫かなあ)
サンライズ制作のオリジナルアニメ。
1期が2006年10月スタート。全25話。30分アニメ。
2期が2008年04月スタート。全25話。30分アニメ。
1期2期を観ないと感想が書けないアニメです。リアルで観てた人にとってはR2(2期)が始まる1年半は結構長かったろうなあ、と思います。それほど、1期は中途半端ですが、全部観ればすごく面白いです。
制作サンライズは「ラブライブ」もそうですし、同じロボットアニメでありながら「ガンダム」を冠しなくてもこれだけ凄いアニメが作れるんだということを再認識しました。ガンダムガンダムの呪縛から離れてくれれば、寧ろ良い結果が出せると思うんですが。
ちなみに自分は1期2期以外を観るのは怖いです。この50話の完成度が高く、あまり余計なエピソードを追加してくれるな、という気持ちでいっぱいです。多分、派生の作品を見ると、自分はがっかりするだろうなあと思います。
・ストーリー
世界は3大勢力圏に分割統治されていた。中華連邦、E.U.、そして、神聖ブリタニア帝国。かつて日本と呼ばれていた国はブリタニア帝国の侵略を受け、11番目の支配地域(エリア11。日本人はイレブンと呼ばれる。)として存続していた。ルルーシュ・ランペルージは、妹・ナナリーと共に、イレブン領土内にあるブリタニア人のための教育機関・アッシュフォード学園に在籍している。賭けチェスで負けたことのない論理的戦略眼に長けたルルーシュは、エリア11で発生した暴動に巻き込まれる。謎の女性・C.C.(シーツー)から生き延びるためにギアスの提供を受け、ルルーシュは他者を自分の命令に絶対服従させる力を手に入れる。
ルルーシュとナナリーは帝国の皇帝の実子にあたり同じ母親を持つ。ルルーシュの本名はルルーシュ・ヴィ・ブリタニアで第11皇子。母親の暗殺を目撃し、同じ場所にいたナナリーが歩行困難になり、精神的に目が見えない状態になったことを憂い、皇帝に、母親を守れなかったことを責めるが、力こそ正義と一蹴される。その後、まだ帝国の占領前であった日本に、人質同然に送り込まれていた。
ルルーシュはギアスを手に入れたことで、母親の仇とナナリーが幸せに暮らせる世界を作るために、仮面を被り、ゼロと名乗り、帝国への反逆を開始する。
50話、息もつかせぬ展開です。自分は「人生にハッピーエンドなんてない」系のドラマが好みなのですが、もう、このアニメは、その上をいっています。シェイクスピアの悲劇に匹敵する、と言っては褒め過ぎかもしれませんが、それほど、負のスパイラス、業が引き起こす悲劇の連鎖に目が離せません。正義と正義の救いのないぶつかり合いに、きっと引き摺り込まれ、考えさせられることでしょう。哲学的です。サンライズの真骨頂です。
・演出
ナイトメアフレームという人型兵器や各種強力な破壊兵器が戦力の決定的差になっています。機動戦士ガンダム・シャアの名セリフ「モビルスーツの性能の違いが、戦力の決定的差ではないことを、教えてやる!」と言いながら、ほぼほぼ初心者のアムロに撤退を余儀なくされたことと同様に、強力な兵器が戦場を支配する演出です。ただ、それでも、ロボットが主役にはなっていないのが、他のロボットアニメとの大きな違いです。あくまで戦術より戦略、戦略より政治的思考ゲームを楽しむためのアニメです。力による弾圧へのレジスタンスがお話の骨幹であり、ルルーシュの性格も善人とは言い難いため、アンチヒーローアニメになりますが、誰が・何が正義なのかは、観る人の感じ方・価値観次第になるため、この設定は絶妙だったと思います。
・作画
特にロボットのバトルアクションが、素晴らしかったです。セル画でここまでできるのか、という感じです。いや、セル画だから、デフォルメも加えやすく、迫力が出せているのかもしれません。キャラについても50話の長丁場にしては安定していて、総じて、テレビアニメとしては優秀じゃないでしょうか。
・音楽
劇伴音楽が良かったですね。壮大でしたし、所々のコーラスも効果的でした。
・演技
ゼロになった時の福山潤さんに、最初はやりすぎを感じたのですが、流石に慣れてきましたし、いつの間にか、この声じゃなければ、と思い始めてしまいます。櫻井孝宏さんもいつもと違うので落ち着きませんでしたが、クライマックス辺りでの迫力はさすがです。
そして、何と言っても皇帝役・若本規夫さんでしょう。この人の独特な台詞回しがこの役柄に最高にマッチしていました。普通は、浮いてるなあwと感じちゃうのですが、この皇帝役はほんとに素晴らしかったです。
昔の作品ですが、古臭さは全く感じません。観てない方には是非にとお勧めします。



0 件のコメント:
コメントを投稿