2018年12月23日日曜日

ゾンビランドサガ

ゾンビランドサガ  総合:☆☆☆☆

持っていなくても希望を持ち努力は続けようぜ^^ そすればなんとかなると。

2018年10月スタート、全12話。オリジナルアニメ。
「あにめにあ」では、できるだけ予告編の様なネタバレを意識しているのですが、今回は、演出のところ、ちょっと普通にwネタバレかもしれません。

・ストーリー
とことん運を持っていない女の子。ずっと落ち込んでいましたが、次こそは頑張ろうと夢を持って家を飛び出した瞬間、車に跳ねられ死んでしまいます。彼女が気づいた時は、死んでから10年経った世界。ゾンビに襲われ逃げ惑いますが、自分もゾンビであることに気づきます。希望を持つことに絶望した女の子が、非業の死を遂げゾンビになった他の6人の女の子たちと共に、なぜかもわからず佐賀を救うためにアイドルを始めます。アイドル活動を通して描かれる、彼女たちの苦悩と活躍の物語です。

・演出
博多に出張で行った時、佐賀県人とも多く会うことができたので、ゾンビランドサガ のことを話すと、知事が頑張っていますから、と一様に返されましたw 佐賀の本気、すごいですw 車に跳ねられるところはちょっとショッキングですけど、このアニメ、しっかり作られてて安心して観られますね。
なぜ彼女たち、なぜゾンビ、そして、なぜ佐賀の町興し、となぜなぜづくしなのですが、伝説となった彼女たちのエピソードを織り交ぜることで彼女たちが集められた理由がなんとなくわかり始め、
「あんた自分だけ、運がないと思っているみたいだけど、大事なことを忘れている。私たちはみんなゾンビなの。全員死んでるのよ。ここには誰一人持っている人間なんていない。」
で、なぜゾンビをヒロインにしたのかが理解でき、
「私は失敗したり後悔したりすることを、全然ダメだとは思わない」
で、そもそも頑張ろうと立ち上がるきっかけとなった、佐賀で非業の死を遂げた日本一アイドルだった仲間の言葉で仕上げる。
もちろん、佐賀の町おこしが裏にあるにしても、アニメとしてちゃんとまとめた演出は、大人の事情抜きに、すばらしい、と感じました。
最後に、続編があってもおかしくない終わり方をしましたが、エピローグを観ず、エンディングで一旦切っておけば、とりあえずスッキリ見終われる、と思います。

・作画
キャラもほぼほぼ安定していてゾンビ状態でも可愛いし、ライブでのアクションはモーションキャプチャーを織り交ぜ、テレビアニメとしては、かなり力の入ったレベルの作画に思えました。

・音楽
OPも良いんですが、EDの「光へ」の方がしっかりハーモニーとっていて曲も綺麗。挿入歌も含め音楽にも手を抜いていない。制作の本気度が伝わります。

・演技
三石琴乃さんですかね^^。唯一覚醒しないたえちゃんを演じるには幅広い演技ができる三石さんしかいなかったのでしょう。意味のある日本語のセリフが無いのに何を思っているのか分かる演技は見事です。主役の本渡楓さんはいつも声色をそれほど変えないけれど、やっぱりうまい。他のメンバーの田野アサミさん、種田梨沙さんら中堅に、田中美海さん、衣川里佳さん、河瀬茉希さんらも加わって、みなさん演技も歌も上手く、キャスティング、成功していたんじゃないでしょうか。そして、忘れてはならないのは宮野真守さんのぶっ飛んだキャラですね。単調になりがちなアイドルものにならずに済んでいるのは、奇抜な設定以外にも、この人のキャラのおかげもあるでしょう。

俺、持ってる、てセリフをスポーツマンなんかからよく聞くんですが、自賛するほどすげーかなあ、と思うこともしばしば。自分はこのアニメからそういう「空気を読め」風潮に続いて盛り上がっていた「持っているオレ偉い」の風潮に対するアンチテーゼも感じました。だって、佐賀、持ってない、と思われてるもん^^: そんなこと関係ねーよ、という気持ち、わかる気がします。
伝説の各自のエピソードに若干長さを感じたのと、設定の奇抜なアイドルものの一方の雄「ごくどるず」 との比較で、☆4にしましたが、とても楽しめたアニメでした。佐賀、頑張れ^^


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