2019年11月29日金曜日

Fate/stay night

Fate/stay night  総合:☆☆☆

可憐で凛々しく誇り高いセイバーに憧れたものです。

奈須きのこさん原作18禁ゲームのアニメ化。
2006年1月スタート 全24話。

・ストーリー
冬木市に現れる聖杯をめぐる争奪戦。10年ぶりに現れた聖杯を求め、魔術師の名家当主であり高校生の遠坂凛は、使い魔となるクラス・アーチャーのサーバントを召喚する。校内に張り巡らされた結界を調べている最中、クラス・ランサーのサーバントと遭遇、戦闘となる。一般人には秘匿されなければならない聖杯戦争のため、無人になってからの活動だったが、折悪く、一人の男子高校生に目撃されてしまう。ランサーは口封じのために彼を殺害するが、遠坂凛は、彼・衛宮士郎の命を魔法により繫ぎ止める。しかし、ランサーの衛宮士郎への追撃は止まらない。衛宮士郎の自宅を急襲したランサーだったが、図らずもその屋敷は前回の聖杯戦争を戦ったマスターの一人・衛宮士郎の義理の父・衛宮切嗣の拠点だった。ランサーと衛宮士郎の戦闘中・衛宮切嗣の仕掛けが発動し、衛宮士郎はクラス・セイバーのサーバントを召喚、ランサーを撃退する。衛宮士郎は第四次聖杯戦争の悲劇を繰り返さないために、そして、正義の味方になるために、聖杯戦争へ参加し、セイバーは彼の使い魔として、己が人生をやり直すために聖杯を目指す。セイバーは魔術師としての意識が低い衛宮士郎に苛立ちを隠せないが、共に戦いを重ねていくことにより、自身のあるべき姿を問い直していくことになる。

原作ゲームのセイバールートをほぼなぞっていますが、原作のままではありません。ただ、エンディングは、セイバールートそのものです。成功したからって、お金を追いかけ、やたら続編を作ったり、派生を作ったりしないで欲しかったです。なぜなら、セイバールートのエンディングの儚さ、作品そのものを大切にして欲しかったからです。そういう意味では前日譚になる第四次聖杯戦争を描き、Fate/stay nightをより深みのあるものにしようとしたFate/Zero 虚淵玄さんは、さすが、目の付け所が違うな、と思わずにはいられないのです。

・演出
原作ファンにはキツいアニメであり、演出でした。もっとも、原作知らない人たちが、このアニメのこの衛宮士郎という人物に、どれだけ共感できたのかも、いささか疑問です。
客観的にみると衛宮士郎の感情がウザく感じます。邪魔なんです、自分のもにしたいという欲望は。正義の味方になりたいのか、誰も犠牲にしたくないのか、一人の女をものにしたいのか、欲望が多すぎなんです。それも大それた。大それた理想を語るくせに世俗的なんです。
セイバールートを感動的なものにするためには、セイバーに恋をしなければなりません。なので、衛宮士郎にそういう感情を持たせなければならないのは確かです。だけど、恋に落ちる演出が不器用なんです。え?いつ?そうなったの?それもそんな風に?て感じなんです。最初の出会いの頃からなのは原作好きならわかっています。そこをきちんと見せつけ、見せ続けなければならなかったと思うのです。ゲームでは、様々なイベントを通して、自分自身がセイバーに感情移入していきます。しかし、アニメでは、衛宮士郎の自分とは異なる価値観による行動に乗っ取られてしまいます。邪魔なんです。衛宮士郎という存在が。
一昔前までは、ドラクエファンか、FFファンかを語るとき、ドラクエファンは、必ず、主人公にセリフがないことを長所の一つに挙げます。これは、ゲーム原作をアニメ化する時に最も気をつけなければいけないポイントだと思います。
プレイヤーが主人公であるゲームの特性をアニメで覆すためには、一本の物語として、筋の通ったシナリオが必要です。原作はバッドエンドがとても多いことで有名で、ゆえに分岐の数が多いのは確かですが、それでも、テーマがあり、そのテーマをうまく絞ってもらってアニメ化してくれれば、もう少し物語にのめりこめたんじゃないかと、元がいいだけに、残念に思うのです。

・作画
アクションはいいです。キャラもそこそこ安定しています。当時のテレビアニメとしては良い方ではないでしょうか。

・音楽
川井憲次さんです。綺麗なコーラス曲や、クラシックの名曲を挟んだり、サーバントの出自に合わせた特徴的な調の曲を揃えたりと、さすがだなあ、と思います。音楽が主張するときもあるのですが、あくまで劇伴としてシーンを支えている範囲で劇的です。

・演技
あれあれ、て感じです。大人役の声優さんたちはすごく良かったです。

ゲーム原作のアニメ化は、やっぱりなかなかに、難しいもの、ですね。

2019年11月27日水曜日

ありふれた職業で世界最強

ありふれた職業で世界最強  総合:☆☆☆

連載中のラノベが原作です。原作は未読です。
2019年7月スタート。30分枠。全13話。

・ストーリー
異世界の危機を救うために召喚された高校生たち。彼らは転移先で、様々な特性を生かし、戦いに協力するが、南雲ハジメは、オタクでいじめられっ子で新しい世界でも錬金術師という、戦闘には、からっきし向かないジョブになったため、肩身の狭い思いをしている。ただ、彼には、他人を思いやる優しさがあり、それに好意を寄せてくれている女の子がいた。異世界を脅かすダンジョンに住み着く魔物を退治するために、転移した高校生たちは討伐に向かうが、彼女の南雲ハジメへの好意を妬んだ仲間に、戦闘のどさくさのなか、奈落の底に落とされてしまう。
ダンジョンの深奥に落ちた南雲ハジメは、故郷に帰ろうとする自分に仇なすもの全てを敵と定め、一切の容赦無く殺戮、その肉を喰らうことで錬成術師の特性を生かして自身の特技として身につける。片腕を失ったり、髪の毛が総白髪になったりと、死線をさまよう苦労を重ねながらも、その執念により生き延びることに成功する。
そして、ダンジョンで、封印されし囚われの幼い吸血鬼と出会う。南雲ハジメは少女の封印を解き、二人の故郷へ帰る旅が始まる。

南雲ハジメも吸血鬼の少女も最強で、このコンビの破壊力は絶大。さらに、強力な仲間をパーティーに加え、かつての性格から豹変した苛烈な性格、向かう所、敵なしな戦闘力により、高校生時代の仲間を見返すストーリーは、結構痛快でした。徐々に元々の人間性を取り戻していく展開ですが、そのまま覇道を突き進んでくれてもいい気がします。

・演出
ハーレムアニメですが、吸血鬼少女に一途なのはいいですね。

・作画
テレビアニメとして普通ですが、キャラデザはかっこいいです。

・音楽
劇伴として良かったと思います。

・演技
揃っててお話に集中できます。

連載中の原作のアニメ化ですから、どうしても中途半端に終わってしまった感じがするのが残念でした。

2019年11月23日土曜日

Fate/Zero

Fate/Zero  総合:☆☆☆

虚淵玄さん原作ライトノベルのアニメ化。制作はufotable。
2011年10月スタート 1期。
2012年4月スタート 2期。
1話のみ1時間枠で、残りは30分枠。1期2期合わせて全25話。

サイコパス1期の脚本家・虚淵玄さんが、サイコパスの前作である「まどマギ」の脚本を書くきっかけとなった作品であり、また、「鬼滅の刃」のufotableが制作したアニメということで、試しにと思い視聴してみました。
結論から言うと、普通、でした。
自分は奈須きのこさんの原作ゲームである「Fate/stay night」が大好きですので、派生を敬遠する傾向にあるとはいえ、それを差し引いて好意的に考えてみても、絶賛するほどではないなと言う感想です。
派生の方が原作より面白いと揶揄される向きもあるようですが、「Fate/stay night」という秀逸な世界観、設定があるからこそ、これだけ有象無象の派生が生まれるわけで、「Fate/stay night」が否定までされることはないでしょう。まずは、「Fate/stay night」を観ることをお勧めします。
ちなみに、時系列的には「Fate/Zero」の後、「Fate/stay night」までの間に「ロードエルメロイII世の事件簿」があるわけですが、ウェイバーが、こんなにも屈折した大人になるとは思えないのですがね。奈須きのこさん曰く、「Fate/Zero」は完全には「Fate/stay night」に繋がっておらず、ロードエルメロイII世の方が「Fate/stay night」にちゃんと繋がっている、そうですので、こう言うところの不思議があってもおかしくないのかもしれません。

・ストーリー
聖杯と呼ばれる願望機、第三魔法を実現するために、冬木市にて協力しあっていた間桐、遠坂、アインツベルンの3大魔術家系が、その実現なるや、聖杯をただ我がものにせんと、一転、抗争を繰り広げ始めたことを発端とする聖杯戦争。7人の魔術師(マスター)とマスターが使役する英霊(サーバント)による戦闘ののち、勝ち残ったひと組だけが、聖杯を手に入れる権利を得るが、これまで、実際に聖杯の具現化に成功したものはいなかった。
聖杯戦争は聖杯により選ばれた魔術師が参加でき、7人集まった段階でスタートする。選ばれた魔術師には令呪と呼ばれる刻印が体に現れる。魔術師の中に令呪が現れ始めたことから第四次聖杯戦争が近づいてきているのがわかり、準備を進めながら続々と冬木市に集まり始める。マスターは聖遺物を拠り所にサーバントを召喚し、ついに戦闘が始まるのだが、この中に、アインツベルンに雇われた魔術師殺しの異名をとる魔術師・衛宮切嗣がいた。彼は、誰かを守るためには誰かを犠牲にしなければならない世界に葛藤と憤りを感じており、その連鎖を断ち切るため、世界の平和を実現するために、聖杯を目指す。


実際には、7組のマスターとサーバントの物語が錯綜する形になっていて、設定が散漫になってしまっています。ゲームなら、誰それルート、みたいに分岐により並列して物語ることが自然にできるのですが、小説やアニメではそうはいかない見本のようなアニメです。さらに、今作ではサーバント対サーバントの因縁も絡ませているので、さらにまとまりがありません。虚淵玄さんらしい正義対正義の激突の面白さを垣間見ることはできるのですが、ライダーの個性が際立っているため、彼中心のバトル上に点在している感じなのです。これなら題名を「征服王イスカンダル」として、別の物語にしてもいいくらいです。本来のテーマであろう、衛宮切嗣の正義と矛盾が霞んでしまっています。言いたいことがありすぎて、少し欲張ってしまったんじゃないかと感じてしまいました。


・演出
7組の正義、7組の主従の関係、それに7組の対立がそれぞれ別のテーマとして存在しているのを明確に提示できていないと思えたのが残念です。また、戦闘シーンも、本来は魔術とは関係ない一般市民には秘匿される形で行われなければならない戦闘が、公然と行われてしまうため、聖杯戦争の前提を覆してしまっています。
ただ、複数のテーマをパラレルに観せることには成功しており、並行して流れるテーマが同じ方向性で収束させられる場合、とても巧妙なテクニックで、すごいな、と思いました。全ての伏線がこのように収束してくれるなら良かったのですが、そもそものシナリオがそれを許さなかったようです。思い切って、絞り込む工夫をしても良かったのではないかと思います。
Fate/stay nightの劇場版はセイバールート、凛ルート、桜ルートと別々に制作されているようですので、このような形式にした方が良かったんじゃないでしょうか。

・作画
時たま雑になりますが、テレビアニメとしては良い方ではないかと。バトルシーンは、多数のキャラが滑らかには動きますが、バトルとしてそれほど迫力があるようには見えませんでした。

・音楽
こちらの方が先ですが^^;「まどマギ」を聴いているようです。梶浦節だけなら良いのですが、結構メロディーラインが他のアニメと似通っている場合があり、それがクライマックスに多いので、物語への集中力がそがれてしまいます。

・演技
キャラの性格に合った当て方ではあるのですが、やっぱりウェイバーがなあ^^;ロードエルメロイII世になってからよりはマシだけど。
それ以外のキャラについて、特に男性陣の大部分は演出過多な喋り方なのですが、この世界観には非常にしっくりきます。とても良かったです。ロードエルメロイII世も、この他の声優さんたちの成功に乗っかろうとしていたのですかね。

イスカンダルの覇道vsアーサー王の王道の舌戦が一番見応えがありました。虚淵玄さんらしさが、最もよく出ていたように思います。覇道が王道に勝るような論戦は、司馬史観「項羽と劉邦」や「三国志演義」の曹操vs劉備の価値観を覆す視点で面白いです。さすが、ヒールこそ正義の虚淵玄さんです。

2019年11月22日金曜日

ピカイア!!

ピカイア!!  総合:☆☆☆

ピカイア!の続編
2017年2月スタート。15分枠。全13話。

・ストーリー
人の住めなくなった地球を元の世界に戻すため、宇宙に出た人類が、生命の進化を調査するため、次元を飛び越えて、地球にダイブする次元調査プロジェクト。ピカイア!ではカンブリア大爆発で発生した様々な生物を調査することを目的としていたが、ピカイア!!では古生代後期に生息していた生物を調査対象とする。調査の中、生物の進化には大量絶滅が必要だとする勢力による妨害が企てられる。彼らは、地球上で6回目となる大量絶滅を引き起こすことで、人類のさらなる進化を目指しているが、次元調査プロジェクトのメンバーは、より平和的な進化の道を模索すべきと、彼らと対峙して行くことになる。

相変わらず、考古学の用語の説明や過去の生物の図鑑的な紹介が多い内容ですが、1期に比べると、大量絶滅阻止に向けた攻防のストーリーが目立つようになり、お話としては少し面白くなった印象です。自分的にはより高度な図鑑を見せてくれた方が嬉しいのですが、少年少女たちを楽しみながら考古学の世界に興味を持たせる為には、このようなお話の方がいいのかもしれませんね。

・演出
1期からそうなのですが、割と一握りの悪役生物との対決が多いのが残念です。

・作画
物語に集中できます。

・音楽
物語に集中できます。

・演技
皆さん、さすがにソツがないです。

子供が考古学に興味を持つきっかけにはなるかもしれませんね。

2019年11月21日木曜日

女子かう生

女子かう生  総合:☆☆☆

連載中の漫画が原作。原作は未読です。
2019年4月スタート。約10分枠。全12話。

・ストーリー
女子高生三人の日常が描かれます。

としか言いようのないストーリーです。

・演出
原作からしてセリフがなく、同様にアニメでもセリフが全くありません。擬音とかため息とかはあるのですが、会話が全くないです。口パクもありません。パントマイムもしていません。それにも関わらず、何をしているのか、三人がどう思っているのか、などはきちんと伝わる演出になっていて、とても独特です。あくまで普通の女子高生たちを使って、ここまで言葉無しで出来事をきちんと表現できるアニメは面白いな、と思いました。ただ、その出来事が取り立てて面白いわけでもなく、本当に日常のほんわかした雰囲気が伝わるだけの作品です。
今までにこういった演出の漫画がなかったわけではないのですが、全編一貫して押し通しているのは珍しく、更に、それをアニメ化するってのは相当勇気がいったでしょうね。

・作画
作画だけで三人の思いや、やっていることを説明しきっているので、すごいと思いました。

・音楽
あったっけかな?^^;

・演技
これは^^;

喋らないので環境アニメとしても成り立たず^^; あ、でも、電車内の液晶で流すのにはいいんじゃないでしょうか。

2019年11月20日水曜日

ナカノヒトゲノム

ナカノヒトゲノム【実況中】 総合:☆

連載中の漫画が原作。原作は未読です。
2019年7月スタート。30分枠。全12話。

・ストーリー
ゲームクリア寸前になると、プレイヤーが謎の失踪をするというゲーム「ナカノヒトゲノム」。プレイヤーはナカノヒトゲノムというゲーム内にトリップされ、そこで出された課題をクリアしないと元の世界に戻れない。「ナカノヒトゲノム」13番街に連れてこられた8人のゲーマーが、様々な課題に挑戦する。

拉致監禁され威圧により強制労働させられる設定に不思議を感じます。唯々諾々と従って脱出を試みるより、名作映画「大脱走」のような行動を期待してしまうのですが、主人公たちの得意分野だからなのでしょうか、文句を言いながらも運営に協力してしまう行動原理は、観ていてあまり楽しいものじゃないな、と思うのです。物語の中で看守にゴマすって優遇されようとするキャラは、基本的に悪役モブに多く、その悪役モブが主人公たちのストーリーって、面白いですかねえ。

・演出
どうして主人公たちは、理不尽な環境下でも命令に従うのかの理由を明らかにしてくれるような演出があればなあ、とずっと思いながら観ていました。見落としてるのかなあ?^^;そんなことはないと思うんですが。主人公たちにとってはゲームの延長線上の出来事なのかもしれませんね。前向きって言えば前向きなので、ゲーマーとして、その心意気や良し、となれれば、観ていて楽しいのかもしれません。

・作画
とりたてて何、ということはないのですが、キャラも概ね安定していましたし、しっかり描いてくれているなと感じました。

・音楽
あまり印象には残らなかったので、逆に劇伴として優秀と言えるのかもしれません。

・演技
津田健次郎さんは大人気ですし、この系統のキャラを演じられる稀有な才能の持ち主だとは思いますが、この方に、そもそもパカでは役不足じゃないでしょうかね。

設定がどうしても許容できない系統なので、☆の数は最低にしていますが、フィクションとして楽しめる度量のある方には、この限りではないと思います。

2019年11月19日火曜日

ノブナガ先生の幼妻

ノブナガ先生の幼妻 総合:☆☆☆

完結済みの漫画が原作です。
2019年4月スタート。約10分枠。全12話。

・ストーリー
織田信永はモテない平凡な中学教師。ある時、蔵の皿を割ったところ、謎の少女が現れる。彼女は帰蝶と名乗り、信永に嫁ぐためにやってきたのだという。時代を超えて現れた帰蝶の勘違いだったのだが、この一件の後、織田信永の先祖である織田信長と縁があった人物の子孫たちに信永が接触することで、先祖返りを起こしたため、信永と信長縁の女性たちとの奇妙な多角関係が始まる。

・演出
原作の途中まででアニメは終了しているのですが、これはこれで良かったんじゃないでしょうか。でもまあ、ポルノ紛いのアニメですので、観る人を選ぶと思います。

・作画
良くはないです。円盤買うのにはハードルが高い作画です。円盤も18禁ではありませんので、期待を裏切ることになるでしょう。

・音楽
エンディングはアニメーション込みで結構お気に入りでした。

・演技
普通に良かったです。

信長ファンにとっては、歴史上の女性たちを題材にしている分、馬鹿っぽい中、なんとか最後まで付いてくことができました。