2026年4月5日日曜日

異国日記

異国日記

総合:☆☆☆☆☆
2026年春アニメ。原作完結済み。原作未読。13話。


・ストーリー


設定としては他のアニメでもあるんだけれど、親を失った主人公の少女と、たらい回しになりそうになった少女を受け入れたもう一人の主人公のおばさんである交差する心情が語らる。2人の関連に重きが置かれている点が大きく違う。


・演出


交錯する登場人物たちの異なる心情とそれぞれがそれぞれの気持ちを理解しきれない二人の主人公の心理描写がメイン。青春ブタ野郎も☆5でもいいかな、とも思うものの、さまざまな感情をストーリの構成を時系列の操作で巧みに入り組ませ、見事なカット割りでアニメにしかできない感動に導いている点、こちらに軍配が上がる。理屈っぽいのや厚いのが好きなら青ブタが良いだろう。冒頭でのノートの平行線がノートの端に到達していると思われるところまで伸び切っていくのにどんどん伸び続けていき、あれあれと思うそのうちに、不安定に平行線が崩れ始め、最終的に砂漠の砂紋に結びつき、砂漠の荒野に取り残される少女に遷移していく演出など、見どころは多い。
最近ではガールズバンドクライを☆5にしたが、劇伴ではなく、そちらは音楽そのものの要素が加わり、演奏シーンが要はスポーツアニメの試合での高揚感と同様な感動にプラス作用をしていたためそれに引きづられて高く評価したが、こちらはあくまで、アニメと物語と演出・演技、それもリアルな舞台上だけで勝負している点で、奥はこちらのほうが深い。それをテレビアニメという枠の中でうまく演出している。


・作画

本当に最近のアニメの背景は素晴らしいね。アニメーションもぬるぬる動くってわけではないが、必要にして十分。たぶん、原作の世界観を忠実に再現しているであろう、線の細い作画が綺麗だ。


・演技

原作は漫画なので読書する時は登場人物の演技は自分ですることになるが、それを一流の声優陣で固めている分、アニメ化は成功していると思う。主人公役の名優・沢城みゆき氏はインタビューで「原作の絵の魅力……浮遊感、抜け感のある選び抜いた線が美しいんです。ここに肉声が入ることで、全く違うものになるかもしれない……という不安がありました。短歌を小説にしてしまうような感じでしょうか? 行間があるから短歌なのであって、そこに私の成分が入ってくることが嫌だったんです。」とはいうものの、沢城みゆき氏をはじめ諏訪部、諸星、大原などなどが等身大の地声を生かした演技では、それは無理というもの。むしろ、自分で演技しながら漫画を読むより、遥かに納得感のあった演技であり、アニメ化して良かったんじゃないかな。

・音楽
牛尾憲輔の劇伴は見事だが、どんなアニメでも世界観を牛尾節で固定化する威力を持ち始めているね。

久しぶりに現代劇で感動したので、もう何年かぶりで感想まで書いてしまった。

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