けいおん! 総合:☆☆☆☆
4コマ漫画原作。だけど、アニメでは起承転結が連続するわけでもなく、4コマっぽくないアニメ。ガールズバンドアニメのパイオニアと言っていい作品だけれど、後続のどちらかというとスポ根要素が入ったガールズバンドアニメと異なり、空気系アニメの到達点とも言われている女子高生の日常を緩やかに描いたアニメです。まったり、ゆったり、隣で普通に流れている他人の日常世界を覗き見、軽く共感していくアニメです。最近だと、ゆるキャン△に近い感じですね。
2009年4月スタート。全12話。番外編2話。
・ストーリー
高校生になってバンドを組みたいと張り切っていたドラムの田井中律。しかし、入学した桜ヶ丘女子高校の軽音部は部員が全員卒業していて、新しく4人の部員が揃わないと廃部になる危機に瀕していた。幼馴染のベースができる秋山澪を強引に引き込み、合唱部と間違え入部希望に音楽室を訪れた琴吹紬も、滅多に出会えないとっても楽しくて愉快な人たちの仲間になりたい、を理由に軽音部への入部を決め、かるーい音楽と勘違いして入部を希望したものの実際とは違う活動内容に辞退を決めていた平沢唯も、ティータイムと美味しいお菓子につられて楽しい日常を過ごせるかもと入部することになる。練習よりも練習に至るまでの日常を楽しむ4人だったが、学園祭や新人歓迎会で普段のまったりからは想像もつかない見事な演奏をみせる。そんな彼女らの高校2年間の学園ライフが描かれる。
・演出
友情、というより、仲間とは、を中心に据えたアニメですね。学園祭ライブなんかもあるんだけど、それに向けて何か特別なことをするわけでもなく、軽音部として大きなイベントもなく淡々とした日常描写に徹しているようにさえ思えます。脚本も自然。キャラも自然な感じで個性的。
・作画
制作・京都アニメーションのクオリティは常に高いですね。動きも極めて自然、安定のキャラ、デフォルメも効果的、もう10年前の作品ですが、現在のちょっとしたアニメでは勝負になりません。円盤買ってもなんの後悔もないんじゃないでしょうか。
・音楽
サントラもいいですが劇中歌もよく、平沢唯(CV:豊崎愛生さん)のボーカルが、放課後ティータイムの音楽、とは言えましょう。OPもその流れ。でも、一番最初の劇中での演奏では秋山澪(CV:日笠陽子さん)がボーカルだったし、EDも秋山澪で、こちらがものすごくカッコいい。日常空気系のアニメのはずなのに、発表された楽曲はオリコンで常にトップに食い込むとか、唯ボーカルでも澪ボーカルでも、それぞれがそれぞれに個性的で相当インパクトの強い楽曲が揃っていて、演奏シーンがもっと多くても良いようなアニメです。
・演技
豊崎愛生さん、佐藤聡美さん、日笠陽子さん、寿美菜子さんに後から竹達彩奈さん。それぞれのキャラの個性をしっかり際立たせた演技と、見事な歌唱で、こちらも文句なし、ですね。
☆5にするにはストーリーに強烈なインパクトを求めてしまうので☆は4にしていますが、ある意味この徹底した他にはない平坦空気系が、逆に強いインパクトといえば強いインパクトではあります。☆5並にオススメしたい異色の☆4アニメですw
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