「悲しいけどこれ、戦争なのよね」by スレッガー・ロウ中尉(機動戦士ガンダムより)
これよりも、もっと戦争らしい戦争が描かれます。
サンライズによるオリジナルアニメ。
原作はファーストガンダムと同じだけれど、プロデューサーも違うし、長井龍雪監督に岡田麿里シリーズ構成の「あの花」コンビで、別物と言って良いです。設定の説明が幾分省略できるのかもしれないけれど、モビルスーツ、モビルアーマーという名称を使わざるを得ない製作の大人の事情のせいか、なぜに「機動戦士ガンダム」印なのか全くもって不明。この冠のせいで回避し続けていたけれど、同じ思いの自分と同じファーストガンダム命の人たちにも、ここは目を瞑ってぜひ観て欲しいと思います。
ただし、小学生以下、ひょっとすると中学生にも見せてはいけないと感じます。これもファーストと同じように、ある程度の大人が見るべきアニメです。
1期 2015年10月スタート 全25話。30分枠。
2期 2016年10月スタート 全25話。30分枠。
全50話。物語としてちょうど良い長さであり、長く感じることはないでしょう。
2期 2016年10月スタート 全25話。30分枠。
全50話。物語としてちょうど良い長さであり、長く感じることはないでしょう。
・ストーリー
地球人類が太陽系内に活動範囲を広げた未来の世界。そんな世界には貧困によりヒューマンデブリとして人以下の扱いに甘んじざるを得ない子供たちがいる。彼らは大人たちの道具として虐待を受けながら強制的に収容され貧しい生活を送っている。火星にあるヒューマンデブリを使役する組織にいた子供たちは、彼らが生き残るために命をかけて手に入れたアラヤシキシステムと、それにより効率的に操作できる300年前に起きた厄災を制圧したガンダムフレームを武器に、大人たちに反旗を翻す。彼らは利用し利用されながらも大人たちの後ろ盾を得ながら、自分達が最後に立つ居場所を求めて走り始める。
若い世代の対立に、是も非もないストーリー展開は、日本のアニメらしいと思います。悪党な大人には勧善懲悪で、まあ、人殺しを見て爽快と言ってはいけないのでしょうが、溜飲を下げて見せてくれるのも悪くないと思います。そしてラストも期待通りです。自分はキャラ依存した視聴者に迎合する終わり方は嫌いです。
さて、海外のコンテストを見れば、日本のアニメはガラパゴスだ、危機的だ、と警鐘を鳴らしていたアニメ監督がいらっしゃいましたが、本当にちゃんと日本のアニメを観ているんでしょうかね。そもそも、文化の話に、文明の閉鎖性への比喩に使われたガラパゴスを流用した批判は、単に外連味だけを際立たせたものであり、本質を逸脱するにも程がある仰りようです。日本の誇る伝統文化がガラパゴスで何が悪いのでしょうか?
・演出
宇宙を舞台にした(ほんとに制作はベースにしたらしい)「仁義なき戦い」や「ゴッドファーザー」をイメージしてくれれば、なんとなく内容の想像はつくと思うのですが、ロボットアニメにこの設定を導入して非常にうまく観せてくれています。虐げられた子供たちの未来への逃避行を社会革命という背景に溶け込ませているので、単なるヤクザの抗争で終わらせていない仕立て方がお見事です。
力のない子供たちの苦悩、日常を好む子供達の仲間への葛藤も劇中に入れることで、自分の思想と異なる子供たちにイライラすることもあるかもしれません。それでも最後には、そういう考え方もあるな、と思わせる演出、シナリオの運び方も素晴らしいと感じました。「とある科学の超電磁砲」での佐天涙子や、リゼロでのナツキ・スバルを連想します。
・作画
テレビアニメとしてこれ以上を望んではいけません。アクションも素晴らしいです。円盤買って、作画で後悔することはないはずです。
・音楽
劇伴として非常に効果的だと感じました。50話の長丁場だったので、飛ばすこともありましたが、総じてOP/EDもよかったです。特に4クール目のUruのエンディングはお気に入りです。
・演技
細谷佳正さん、櫻井孝宏さんが通常通りであるにも関わらず、流石の演技力に黙らざるを得ません、素晴らしいです。この方々を筆頭に本当に皆さん、素晴らしい台本を完璧に演じられていたと思います。主役の河西健吾さんもカッコ良かったし、ちょっと間違えればやりすぎになりそうなカルタ・イシューの井上喜久子さん、イオク・クジャンの島崎信長さんが目立ってました。普通に演じられていた人こそ、本当はうまいんだとも思うんですけどね^^
まあ、観てみてください。仁義なき戦いやゴッドファーザーの、人を引き付ける魅力と、これらとはまた違った展開、そして、ラストの融合に、きっと魅了されるのではないかと思います。
いやあ、フラウ・ボゥが幸せになって良かった、ておいおい、一年戦争から離れろよ自分^^;

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