2020年6月16日火曜日

アルドノア・ゼロ

アルドノア・ゼロ  総合:☆☆☆☆

ストーリーの決定に誰がどの程度関わっているのかわからないのですが、鉄血のオルフェンズに続いて、エンディングが良いです。虚淵玄さんや岡田麿里さん、麻枝准さん、大河内一楼さんらが原案、脚本、ストーリー構成に絡んでいると、ストーリについては、ほぼ安心です。この作品では虚淵玄さんの原案。脚本にも関わっています。

A-1 Pictures、TROYCA制作によるオリジナルアニメ。
サンライズが絡んでいないので、モビルスーツという単語を使えないせいなのか、カタフラクトと呼称している人型ロボット兵器を主軸とした、人類が火星まで生活圏を拡張している近未来SF。
1期 2014年7月スタート 全12話。30分枠。
2期 2015年1月スタート 全12話。30分枠。
全24話。展開が巧みです。

・ストーリー
古代文明の遺産ハイパーゲート。月で発見されたこのシステムは、火星までの人類の往来を容易にする。そして、人類は火星にて、さらなる古代文明の遺産・アルドノアを発見する。このアルドノアを利用すると、人類が到達し得なかった技術を行使することができ、そのアルドノアの起動に成功したアルドノア研究者は皇帝を名乗り火星にて帝国を建設、この技術を火星にて独占する。皇帝と彼に従う火星人類は、技術の共有を求める地球人類に対し、征服を持って対処しようとしている。
対立は平行線をたどったまま時は過ぎ、火星の第一王女であるアセイラム姫は、地球との和平を目指し、親善大使として地球に降り立つ。
(侍女の表情がいいですね)
しかし、張り巡らされた陰謀の末、彼女の暗殺計画が実行されることで、均衡を保っていた二つの勢力の激突の幕が切って落とされる。
この物語は、和平を目指すアセイラム姫と、姫の夢の実現だけを目的とするナイトと、自分たちに仇なす者たちを秀でた洞察力にてすべて排除しようとする地球人との物語。

ヒロインをめぐる争いの一面もあるのですが、覆しようのない身分の差による、必然とも思える結果に、現実を見るのです。「多田くんは恋をしない」より、やっぱり「ローマの休日」だな、と。

・演出
ヒロインの目指すところを応援したくなりますが、それを単純には許さないストーリー展開が自然なので、いつしか引き込まれてしまっています。また、ライバルヒーローの前半のコウモリっぷり、後半の姫の目的を履き違えてめざした天下布武っぷりが良い感じで迷走しているのも、ヒロインに加担したくなる下地になっています。
ここに、圧倒的な戦力差を、手品を物理法則で解明するようなヒーローの洞察力と戦果で爽快感を生み出し、一層、姫の目的への思い入れを深め、ヒーローとヒロインの結末に期待させておきながらのエンディングは、虚淵玄さんが絡んでいるものなあ、と納得するのです。
悪こそ正義、正義こそ悪のスタイルの徹底は、今回のライバルヒーローからは感じられないのですが、ある種の狂信的な忠義の末を見せつける演出は、さすがだな、と思いました。

・作画
ロボットのバトルアクションは本当にすごくなりましたね。キャラも安定しているし、とてもテレビアニメの水準とは思えませんでした。

・音楽
劇伴として素晴らしかったと感じました。オープニング、エンディングも飛ばさず観ました。

・演技
花江夏樹さんのクールガイがとにかく、かっこよかったです。

☆はちょっと辛めです。これは、おっとどっこい、がちょっと多すぎるからです。最終的には納得できないことはない、おっとどっこい、なんですが、これさえなければオススメでした。「鉄血のオルフェンズ」を見た後だからですかねえ。いや、虚淵玄さんなら、もう少し、違った展開を用意できたような気もします。

ラストシーンが頭から離れません。

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